研究・社会活動
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研究活動
最近の動き
2003年度アメリカ麻酔学会 −Best Abstract Award (Society of Technology in Anestehsia)を受賞して
医学部麻酔科 助教授 飯島毅彦
アメリカ麻酔学会での発表風景, 隣は座長のCleaveland ClinicのDr.Parker
肝移植などの手術中の肝機能のモニターとして、DDGアナライザーを臨床で使用している。
本年10月中旬、サンフランシスコで行われたアメリカ麻 酔学会においてBest Abstract Awardを受賞しました。 これは、約1,600の演題の中から特に麻酔の技術の中で 優れた演題4題に対し、Society of Technology in Anestehsiaというアメリカ麻酔学会の分科会が贈るものです。

今回の演題は、8つの大学病院による共同研究です。 私は、循環血液量の測定法の開発と、循環血液量の生理を 研究してきました。現在日本や欧州、アジアの臨床の場で広く 使用されている「DDGアナライザー」についてはこれまで、多くの研究結果が発表されましたが、その研究結果を評価するべき標準値のデータがありませんでした。
そこで、一昨年より多施設でのデータ収集から標準値を求めるプロジェクトを呼びかけ、その結果8大学1病院が参加し、共通のプロトコルで測定から標準値を求めることができました。
今回の発表はこの標準値調査の結果の統計的な発表とその測定結果を分析し、麻酔導入後の血圧の低下とその関連因子分析の2題を発表しました。
受賞の対象になったのは因子分析の演題で、この分析から、麻酔導入後の血圧の低下は年齢および循環血液量の両者が強く影響を与えるというものでした。

循環血液量が足りないと麻酔導入後、血圧は低下するといわれますが、同時に自律神経の支配も受けているので、循環血液量だけでなく、交感神経の緊張度にも関与するわけです。
今回の結果はそれを実証するものでした。
この循環血液量測定法は、本学でも、第1内科の腎臓グループ、および脳神経外科でも臨床研究に使用されております。

この多施設での共同研究では、一施設では得られない研究の広がりを得ることができました。 国際誌を見ると非常に多くの研究が、domesticのみならず、internationalの多施設(米国と北欧、欧州国同士など)で行われています。
日本からの論文も多く掲載されますが、それらの論文は単一施設のものがほとんどです。多くのデータを多施設から集めるだけで信頼性が増すことは大きな利点だと思います。
アメリカ麻酔学会では基礎研究として行っている培養神経細胞を用いた演題も発表してきました。 この研究も学内の第2生理学教室との共同研究で、同時に臨床病理学教室からも協力を得て、仕事が進められているものです。
このように人事交流、施設交流から得られる成果を実感しているところです。
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