中竹 俊彦

 リンパ球を追う(シリーズ200リンパ球の世界(II)‐リンパ球の本質に迫る2−5.リンパ球の通路

リンパ球の世界(II)

 ‐リンパ球の本質に迫る‐

2−5.リンパ球の通路

                          杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 リンパ球の通路はどこか?ということになると、リンパ管、血管、リンパ組織内、そして一般組織内です。ところで、私達は一般的に血中のリンパ球(peripheral blood lymphocyte:PBL)を一括してしまいます。大して疑問も無くリンパ球として観察していますが、本当はリンパ球の様な細胞(lymphoid cell)というべき、複雑、多岐な機能を分担している一群でしょう。

 リンパ球というのは行動の多様性から言うと、リンパ球は血中から組織のどこへでも、また逆にどこの組織からでも血中に入ってくると考えていいわけです。末梢のリンパ管へ入れば、直近のリンパ節へ到達するでしょう。

 したがって、血管から出るのでもなく、入ってくるのでもなく、膜表面に「行動に必要な特性が発現」されたら、自由自在に通路が許容されているというべきです。他の細胞の細胞質内を通り抜ける機能(emperipolesis:エンペリポレシス)も許されていることが電子顕微鏡像でも証明されています。

 ・

<次頁へ>

 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

入手方法の問い合わせ(nakatake@kdt.biglobe.ne.jp)半角アットマークで可能です。