中竹俊彦

リンパ球を追う(シリーズ300-B)リンパ球の世界(III-B) リンパ球をどうみるか4.刺激応答と形態変化

リンパ球の世界(III-B

 リンパ球をどうみるか‐リンパ球の質的・量的な反応性変化‐

4.リンパ球の刺激応答と形態変化:リンパ球の大きさ

                          杏林大学 保健学部 臨床血液学 中竹 俊彦

 私が「リンパ球の反応性変化」をより深く知ろうとしてきた経験では、リンパ球を大きさで大、中、小に分けるとすると、その段階から「定型的なリンパ球」の大きさは?という疑問が始まります。そして、リンパ球形態の定義の難しさと同時に、これまでに記述されている表現の曖昧さが、観察が深くなるほどに明らかになり始めます。その「疑問」はまず、大きさにおいては次のように、

1)リンパ球の大きさは「平均直径」で表せるのか?

2)リンパ球の平均直径にどれほどの意味があるのか?

3)大リンパ球と小リンパ球とは、リンパ球として何が違うのか?

というようになります。

 リンパ球の大きさは、その直径が一般には7〜17μmと表示されています。ところが大、中、小リンパ球の分類は「臨床的には意義が認められない」として実行されていないのは臨床血液検査では周知のことです。

 リンパ球の性質は、多様であると同時に形態がじつに多様です。単純に大きさの違いだけではないことは、すでに明らかになりました。つまり、なぜ、直径の差が10μmあるのだろうか? という疑問や自問自答が発せられないならば、見過ごしてしまい、気づかれないならばその先は何の問題にもなりません。

 体裁

 B5版(本文 305頁)

 目次(序論・1〜24まで9頁)

 索引(欧文A〜Z 2頁、和文索引19頁 合計21頁)

  (頒布いたします)

入手方法の問い合わせ(nakatake@kdt.biglobe.ne.jp)半角アットマークで可能です。