第36回組織細胞化学講習会は終了いたしました。
多数の方にご参加をいただき、まことにありがとうございます(終了のごあいさつ)。
次回の組織細胞化学講習会の情報は、日本組織細胞化学会ホームページに掲載されています。

講習会プログラム(三鷹市公会堂)

 

第36回組織細胞化学講習会の受講登録を終了いたしました。

多数のお申し込みをいただき、まことにありがとうございます。

お問い合わせ先:実行委員会事務局

第1日目 2011年8月3日(水) 午前9時30分 受付開始

ご挨拶 9:50

日本組織細胞化学会理事長  髙松 哲郎
第36回組織細胞化学講習会実行委員長  川上 速人

A : 組織細胞化学の基礎 10:00 ~ 12:30

- 昼食 -

B : 遺伝子発現の解析技術 13:30 ~ 15:30

C : 共焦点顕微鏡と画像技術 16:00 ~ 17:30

懇親会:レストランGARDEN(杏林大学三鷹キャンパス) 18:30~(予定)

第2日目 2011年8月4日(木) 午前9時30分 開始 (9:15 開場)

D : 糖鎖解析技術 9:30 ~ 10:30

E : イメージング技術の新しい展開 10:45 ~ 12:45

- 昼食 -

F : 病理診断と臨床応用 14:00 ~ 16:00

講演の概要

第1日目 2011年8月3日(水) 午前9時30分 受付開始

A : 組織細胞化学の基礎 10:00 ~ 12:30

免疫染色の原理と基礎技術 -初心者が知っておくべきポイント-

千田 隆夫 (藤田保健衛生大学 医学部 解剖学第一講座)

生命科学のコアテクニックの1つである免疫染色に、初めてトライする研究者を対象として、最低限必要な知識と基礎技術をわかりやすく解説します。慎重を期すあまり手技を煩雑にすることは、問題点の所在をわからなくするおそれがあります。いくつかのポイントをしっかりおさえて、できるだけシンプルに免疫染色を遂行するコツを述べたいと思います。具体的には、検出法の選択(蛍光抗体法か酵素抗体法か)、検出したい抗原と検体の前処理、抗体の選択、標識物質の選択、抗体の希釈、対照実験の種類と意味付け、免疫反応の特異性などについて解説する予定です。

固定法と抗原の賦活化

山下 修二 (慶應義塾大学 医学部 電子顕微鏡研究室)

組織や細胞の構造や組織内の生体高分子の分布を研究するためには、細胞や組織を固定する必要がある。細胞や組織の構造観察のためには標準的な固定として、光顕ではホルマリン固定、電顕ではグルタルアルデヒドと四酸化オスミウムが用いられている。しかしオールマイティーな固定剤や固定法は無く、研究の目的に応じて固定剤や固定方法は選択する必要がある。酵素活性や抗原の検出を行う酵素組織化学や免疫組織化学では、酵素活性や抗原性を保存する固定法が要求され、様々な固定液や固定法、固定後の組織の処理法が開発されてきた。本講習会では、物理・化学的な固定の原理、種々の固定法の紹介とその長所と短所、免疫組織化学のための標準的な固定法、抗原賦活化の原理と応用について述べる。

免疫電子顕微鏡法の基礎と応用

小澤 一史 (日本医科大学 大学院医学研究科 生体制御形態科学分野)

免疫電子顕微鏡法(以下、免疫電顕法)は、超微細構造上における物質局在を検索する方法で、広く医学・生物学領域で用いられている。美しい微細構造を残すという命題と、出来るだけ特異的で感度の高い免疫染色を行うという、理論的に相反する命題を同時に実現化することに、免疫電顕法の工夫と重要性が位置してくる。実際の免疫電顕法ではこれらの命題をもとに、電子顕微鏡試料作成過程において、免疫組織化学をどの段階で行うかによって、包埋前免疫電顕法、包埋後免疫電顕法、無包埋免疫電顕法(凍結超薄切片法)に分けることが出来る。本講演では、それぞれの基本的手技や応用的技法も含め、出来るだけ分かり易く説明したいと考える。

組織細胞化学のための凍結技法の基礎と応用
-生きた形態解析を目指す生体内凍結技法-

寺田 信生、大野 伸一 (山梨大学 大学院医学工学総合研究部 解剖分子組織学教室)

組織細胞化学法は、標的となる蛋白・糖質・脂質などの局在と機能を組織切片上でとらえるために、細胞組織内で速やかに生体内物質を保存して、移動と流出を少なく留め(固定)、その後に免疫染色法等で可視化する方法です。しかし細胞内シグナル伝達分子の局在や構造変化などを検討する際、これら観察試料が生体内機能状態を反映しているかを考慮すると、適切な試料作製法の選択が重要と思われます。本講演では、とくに “凍結固定法” の長所である(1)瞬時の細胞組織形態の保存、(2)可溶性物質局在の保存(凍結置換固定やレプリカ法との併用)、(3) “氷晶形成” による免疫染色性の増強を概説し、さらに “生体内凍結技法” や “クライオ生検法” による血行動態が維持された動物臓器組織の機能形態学的特徴や生理的機能分子局在の解析応用を供覧しながら、「形態と機能」を直接結び付ける“新しいイメージング法”について詳細に解説します。

膜を構成する分子の解析法

藤本 豊士 (名古屋大学 大学院医学系研究科 分子細胞学分野)

生体膜にはラフト、カベオラなどをはじめとするミクロドメインが存在する。このような同一平面上の二次元的な分化に加えて、膜の裏表には燐脂質の非対称性という三次元的な分化もあり、膜の生理的機能に重要な意義を持つと考えられている。生体膜の微細な局所分化を解析する上で、組織化学的な方法の果たす役割は大きい。この講演では、生体膜を構成する分子を解析するために用いられている方法を紹介し、組織化学的な方法の利点と欠点について解説したい。

B : 遺伝子発現の解析技術 13:30 ~ 15:30

In situ ハイブリダイゼーションの基礎と応用

小路 武彦 (長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 組織細胞生物学分野)

In situ ハイブリダイゼーション (ISH) 法は、細胞単位での特定の遺伝子局在やその発現状態を視覚的に解析する方法論であり、現在医学・生物学の研究領域に於いて必須な技術となっている。また本法は、核酸塩基間の相補性に依存し、分子雑種形成反応は蛋白の抗原性に依存する免疫反応などと比較して安定なため、免疫組織化学の種々の欠点を補うことでも重要性が認められる。本講習会では、ISH 法の原理や具体的な方法論に関し、特に mRNA 分子を対象とした非放射性の方法論を中心に解説し、その応用と結果の解釈及びトラブル解決法にも触れる。

ホールマウント in situ ハイブリダイゼーション法とその応用

金井 正美 (東京医科歯科大学 実験動物センター)

ホールマウント in situ ハイブリダイゼーション法は、組織切片を用いる代わりに、胚全体もしくは摘出臓器をそのまま相補的プローブを用いて DNA/RNA を検出する方法で、プローブに用いた遺伝子を時空間的に観察出来るため、発生生物学には必須な方法の1つである。また、遺伝子発現を三次元的に可視化すると同時に、その後に切片に切り出すことで詳細な細胞同定も可能である。本講演では、ホールマウント in situ ハイブリダイゼーション法の基礎とその応用について解説したい。

DNA-FISH 法 ~プローブ作製から染色、応用まで~

村田 晋一、瀬山 敦 (埼玉医科大学 国際医療センター・病理診断科)

細胞生物学的現象や様々な疾患を解析する上で、細胞・組織内の核酸や蛋白などの生理活性物質の局在あるいはその異常を視覚化する必要性が年々高まっている。Fluorescence in situ hybridization (DNA-FISH) 法は、間期細胞あるいは分裂期染色体上で、蛍光色素で標識されたプローブを用いて染色体や遺伝子などのDNAを視覚化するための優れた手法である。本講習会では、DNA-FISH 法を実際に行うにあたって、プローブの作製法や染色方法など基本的手法について具体的に解説する。さらに、Multicolor FISH 染色を含めた応用例を示しながら、良い結果を得られない場合の対処法などについても提示し、受講者が直ちに DNA-FISH 法を研究に応用できるような内容にしたい。

RNAi 法の基礎と応用そして評価方法

北條 浩彦 (国立精神・神経医療研究センター 神経研究所)

RNAi(RNA interference; RNA 干渉)は、小さな二本鎖 RNA によって誘導される遺伝子発現の転写後抑制現象である。この不思議な抑制現象は、線虫、ショウジョウバエ、原生動物、脊椎動物、そして植物と様々な生物種で観察することができる。そして今日、RNAi はとても簡単な遺伝子発現の抑制技術となり、基礎研究分野では一般的なツールとして利用されている。さらに医療分野においても近い将来に RNAi 治療薬が登場しようとしている。今回の講習会では、特に哺乳動物の RNAi に焦点をあて、その基礎と応用、そして評価方法について紹介する。

C : 共焦点顕微鏡と画像技術 16:00 ~ 17:30

共焦点および蛍光顕微鏡を使いこなす基礎知識

鈴木 健史 (群馬大学大学院 医学系研究科 生体構造学)

共焦点顕微鏡が著しく発展し多機能・高性能な機種が普及してきたため,組織細胞内における生体分子の観察が手軽にできるようになってきました.これにともない蛍光タンパク質などを利用した研究が増え,蛍光顕微鏡・共焦点顕微鏡に対するニーズは以前に増して大きくなっています.本講演では以下の項目について解説し,蛍光顕微鏡や共焦点顕微鏡を使いこなすための基礎知識を紹介します.

  • 共焦点・蛍光顕微鏡の基礎原理
  • 蛍光色素・蛍光タンパク質の蛍光特性
  • 多重標識時の蛍光色素・蛍光フィルターの選び方
  • 共焦点顕微鏡の画質を決める基本的パラメーター
  • グレーティングによるシグナル分離(スペクトルイメージング)

画像処理から発表までのワークフロー

村上 徹 (群馬大学大学院 医学系研究科 機能形態学)

画像の電子化/画像処理をする目的は何か/何やってもムダなこと/投稿規定の求めること/数値を守る場合と色彩を守る場合/ピクセルが損なわれるとき/よく使われる画像処理(諧調補正など)/イラストレーターで組み写真を作る/投稿用ファイルを作る/画像の整理保存(Lightroom、RAID など)

画像解析技術の活用法

宮東 昭彦 (杏林大学 医学部 解剖学教室)

顕微鏡写真は実験データの提示法として説得力があるが、近年では単に画像を示すだけでなく、染色強度や陽性細胞数などを数値化することで定量的に評価すること、多数の画像データを統計学的に処理することが求められることが多い。これは画像解析の手法によって可能になる。無料で利用できる画像解析ソフト ImageJ を利用して、基本的な画像解析を行う上で必要となるテクニックや、画像解析結果を対象に統計処理を行う上での注意点について解説する。また、実際の解析処理でよく遭遇するトラブルの回避法等について説明する。

第2日目 2011年8月4日(木) 午前9時30分 開始 (9:15 開場)

D : 糖鎖解析技術 9:30 ~ 10:30

糖の組織細胞化学

秋元 義弘 (杏林大学 医学部 解剖学教室)

糖鎖は遺伝子、タンパク質に次ぐ生命第3の鎖とよばれ、発生、分化、がん化、がんの転移、老化、免疫などさまざまな重要な役割を演じていることが明らかにされつつあります。しかし、糖鎖自身の有する機能の解明はまだ十分には行われていません。糖鎖の性状や分布を個々の組織、細胞レベルで in situ で明らかにしたり、実際に細胞間相互作用が引き起こされている現場でそれを可視化したりするためには組織細胞化学的手法の適用が必要です。本講演では、レクチンや抗体を用いて糖鎖ならびにその合成を担う糖転移酵素を組織化学的に検索する基礎的技法と、その応用について解説します。

糖鎖分析技術を取り入れた組織細胞化学研究

池原 譲 (産業技術総合研究所 糖鎖医工学研究センター 分子医用技術開発チーム)

がんや、肝臓や肺の線維化、アルツハイマー病等では、今も、病理組織像や画像からえられる情報が、診断に重要な役割を果たしている。形態学的特徴で同定される病変部では、タンパク質の翻訳後修飾である「糖鎖構造変化」を生じる事が知られてきたが、分析技術の難しさから、それにフォーカスした研究は敬遠される傾向にあった。最近、1)ヒト糖転移酵素遺伝子の網羅的発見とその解析、2)質量分析装置による糖鎖構造解析システム、3)糖鎖構造プロファイリングのためのレクチンマイクロアレイ、4)Isotope-coded glycosylation site-specific Tagging (IGOT) 法による糖タンパク質の網羅的解析法が開発された事により、誰もが糖鎖構造に着目した研究を進められる状況となりつつある。講演では、これら技術と利用法、そして分析技術を取り入れた研究例を解説する。

E : イメージング技術の新しい展開 10:45 ~ 12:45

光による生体分子イメージング技術

髙松 哲郎、田中 秀央 (京都府立医科大学大学院 医学研究科 細胞分子機能病理学)

光学顕微鏡技術と蛍光プローブの進歩によって、イメージング技術は生きた細胞内で機能する分子の動きを高い分解能でしかもリアルタイムで捉えられるレベルに到達し、生命機構の解明に必要な分子装置の仕組みを細胞や組織において直接知ることを可能にしてくれた。これらの技術とうまく付き合うには、光の性質や顕微鏡のしくみなどの基本的な事項についてよく理解しておくことが重要である。ここでは、まず「生体分子イメージングの基礎」として基本的な事項について述べ、後半は「様々な光を用いた分子イメージング法」として、第二高調波顕微鏡、蛍光寿命顕微鏡、ラマン顕微鏡など様々な光を用いた分子イメージング法について自験例を中心に概説する。

カルシウムイメージング技術の基礎

佐藤 洋一 (岩手医科大学 医学部 解剖学講座 細胞生物学分野)

細胞内カルシウム濃度変動の画像解析は、いまや細胞生物学の分野でルーチンワークと化した。しかしながらその原理と基礎を知らないまま、機器を取り扱うと、偽陰性のみならず偽陽性所見を引き出すことさえある。また顕微鏡の保守点検に細心の注意を払わなければ、高額機器をゴミに変えてしまいかねない。初心者が陥りやすいピットフォールや躓きやすいミスなどを解説し、あわせて時系列解析の方法についても述べる。

蛍光遺伝子改変動物の作製と可視化

齋藤 尚亮 (神戸大学 バイオシグナル研究センター)

近年、遺伝子改変動物の作製は生命科学研究では必須な技術となっている。また、蛍光イメージング技術も飛躍的に発展し、生細胞内でのライブイメージングは身近な技術となってきている。今回は個体レベルでのイメージングを可能にするため、簡単に蛍光遺伝子改変動物を作製する方法とそのコツ、さらにその動物を用いたイメージング法について概説する。

蛍光プローブの精密設計による、新たな生細胞機能可視化の実現

浦野 泰照(東京大学大学院医学系研究科)

「生きている」細胞や動物個体の中で起こる様々な応答を「生きたまま」観測する技術として、蛍光顕微鏡を用いた観測手法が近年汎用されている。本観測には蛍光プローブが必要不可欠であるが、特に有機小分子蛍光プローブに関しては汎用性のある設計法が非常に乏しく、望みのプローブを狙って開発することは困難であった。

このような中演者らは、新規有機小分子蛍光プローブの効率的な開発を可能とする、論理的かつ汎用性の高いデザイン法を、世界に先駆けて確立し、特定の活性酸素種や、様々なレポーター酵素、生体関連酵素活性を高感度に検出可能な蛍光プローブの開発に成功してきた。また、新規に開発した酸性環境検出蛍光プローブとがん抗体を組み合わせることで、生きている動物個体内の 1 mm 以下の微小がん部位を、インビボで明確に検出することにも成功した。本講習会では、これらプローブの開発事例とその活用による種々のイメージング例を幅広く紹介する。

F : 病理診断と臨床応用 14:00 ~ 16:00

免疫染色のトラブルシューティング

堤  寛 (藤田保健衛生大学 医学部 病理学)

免疫染色は病理診断や病理学的研究になくてはならない技法である。抗原性賦活化法や高感度技法が確立し、諸種のモノクローナル抗体が市販品として入手可能である現在、たとえホルマリン固定パラフィン包埋切片を対象とする場合でも、染色自体が障害となる頻度は低下してきている。それでも、固定や染色、さらには切片の保存の条件によっては、偽陽性、偽陰性がもたらされる。こうした場合の問題解決のヒントを具体的に提示したい。免疫染色の特異性の簡便な推測法も知っておきたい。

腫瘍の病理診断と免疫染色

菅間 博 (杏林大学 医学部 病理学教室)

腫瘍の病理診断に免疫染色を用いる際のポイントについて解説する。病理診断において、免疫染色はあくまでも HE 染色の補助手段である。免疫染色の特性と限界、抗原分子の基礎的な特徴と機能、組織内分布を十分理解して用いることが重要である。腫瘍の病理診断に免疫染色が必要となる状況は限られる。特殊な組織像を示す腫瘍、分化度が低い腫瘍、および転移性腫瘍の発生起源を同定する場合等が適応となる。腫瘍の発生起源の指標として、組織特異的な転写因子や細胞分化の関連分子が用いられる。ホルモン臓器の腫瘍では、機能性か否かの指標としてホルモン関連分子が用いられる。細胞骨格線維、細胞接着関連因子、細胞膜表面抗原は、上皮性と間質性等の細胞系統の指標として用いられるとともに、腫瘍の形質変化、悪性化の指標としての意義をもつものがある。細胞増殖、細胞死関連抗原は、細胞増殖活性や癌関連遺伝子の異常の指標として用いられる。

病理診断におけるレーザーマイクロダイセクション法の実際

中西 陽子 (日本大学 医学部 病態病理学系 病理学分野)

今日、レーザーマイクロダイセクション(laser assisted microdissection: LAMD)法は DNA や RNA の解析は勿論のこと、細胞の個々の機能を解析する上で必須であるプロテオーム解析においてもきわめて有用かつ必要な方法となりつつある。病理診断の領域においては病変部からの生検組織、手術切除検体ならびに細胞診検体が主な検索対象となる。新鮮未固定検体だけではなく、ホルマリン固定、パラフィン包埋され長期間保存された検体からも遺伝子解析が可能であり、すでに診断実務に応用されている。従来の形態学的所見に加え、検索対象となる標的組織や細胞検体からの遺伝子解析結果は診断のみならず治療にも有用な情報となる。本講演では病理診断への応用として、様々な検体を対象としたレーザーマイクロダイセクション法の実際について事例を挙げて説明する。

免疫染色による治療方針決定への応用

藤井 多久磨 (慶應義塾大学 医学部 産婦人科)

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が子宮頸部腫瘍の癌化機構において重要な働きをしていることから、これを応用した診断技術が注目を集めている。前癌病変において HPV の遺伝子が in situ hybridization 法により核内に検出されるとともに、ウイルス遺伝子が宿主遺伝子に組み込まれているのか否かも判定可能となってきた。一方、ウイルス感染により細胞周期調節タンパク質である P16 が強発現してくるが、その発現パターンは一過性感染では顕著でなく、中等度異形成以上の持続感染により高頻度に発現してくることも判明し、その臨床応用が期待されている。本講演では組織切片および細胞診検体を用い、 HPV の in situ hybridization と P16 免疫染色について、その方法と臨床応用について解説する。

第36回 組織細胞化学講習会
「見るバイオサイエンス-基礎から最先端技術まで」

開催期日

2011年8月3日(水)~5日(金)
3日(水)
講習会(1日目)
4日(木)
講習会(2日目)
5日(金)
技術講習会(Wet Lab)

会場

講習会(1, 2日目)
三鷹市公会堂(東京都三鷹市)
技術講習会(Wet Lab)
杏林大学三鷹キャンパス(東京都三鷹市)

参加申込受付

オンライン受講登録(受付終了)

関連リンク

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