2021年欧州放射線学会で放射線部橋本技師が受賞

作成日時:2021年05月27日

 放射線部橋本直也技師は、2021年3月3日から3月7日にオーストリア ウィーンでオンライン開催された欧州放射線学会(ECR)のScientific ExhibitionでCum Laude Awardを受賞しました。
 ECRは毎年3万人近くが参加する放射線医学における欧州最大の学会で、本賞はその中で特に優れた研究発表に授与されるものです。
 橋本技師が発表した演題は「Influence of pulse width on blurring and ghost artifact, visibility of pulmonary nodules, and measurement of diaphragmatic movement in dynamic chest radiography」で、当院に2020年度に導入されたX線動態撮影装置「KINOSIS」を用いた研究の成果発表を行いました。
 従来、X線撮影装置は、静止画で患部を撮影しますが、このKINOSISは、患部を動画で映し出すことができます。この胸部X線動態撮影では、肺結節の描出能が向上し、腫瘍による(疾患による)周囲との癒着・浸潤を評価することができ、さらに解析ソフトを用いることで横隔膜運動の評価や換気・血流の評価が可能になります。
 今回の研究では、撮影条件が及ぼす画像のブレが横隔膜運動、肺結節の描出にどのような影響があるかファントム実験(人工骨を用いた実験)を用いて検証し、当院の撮影条件であれば影響がないことを証明しました。
 受賞した橋本技師は、「今後は、これらのデータを臨床に活用し、患者さんに有用な画像を提供できるよう更に努めて参ります。新型コロナウイルス感染症の流行による災禍で明るい話題が少ない中、このような賞を頂けたことは光栄であり大変嬉しく思います。夜遅くまでご指導を賜りました諸兄や後輩にも感謝申し上げます」と話しています。

放射線部のメンバーと橋本技師(前列中央)