三鷹の森ジブリ美術館のスタッフに当院看護師が救護訓練を指導

作成日時:2023年06月01日

 5月26日、三鷹の森ジブリ美術館で杏林大学医学部付属病院の看護師によるAEDを用いた心肺蘇生と外傷への応急処置の訓練が行われました。
 この講習会は、年間数十万人に達する来館者に対し、迅速に救急対応を取れるようにと、救急搬送先でもある当院に、ジブリ美術館から依頼が寄せられ、度々行われてきました。
 コロナ禍に集合しての訓練が実施できず、当院による訓練は9年ぶりとなった今回は、美術館のスタッフおよそ120名が参加し、高度救命救急センターの看護師5名が指導にあたった他、事務職員も事前の準備や荷物の運搬を担当しました。
 訓練は、一人ひとりに目が届くよう60人ずつの2部構成で行われ、まず看護師が倒れた人を見つけた場合の手順や心臓マッサージの仕方、AEDの使い方などを説明しました。その後、参加者は4つのグループに分かれて、看護師の指導のもと、実技訓練を受けました。心臓マッサージの訓練では、参加者は1分間に110回音が鳴る設定にしたメトロノームに合わせてマッサージを行い、「思ったより速く、繰り返し練習が必要だと感じました」といった感想が聞かれました。

全体説明で看護師が実演1

全体説明で看護師が実演2

 次に、ものを喉に詰まらせた時の窒息や骨折、止血の対応について、三角巾や傘、シャツなど身の回りの物を用いた救急処置が実演されました。参加者は熱心に訓練に取り組み、「子どもに対してはどうすればよいか」、「骨折など外傷のある人に心臓マッサージをしても大丈夫か」といった質問が出されていました。一方、看護師からは、「迅速な行動が大切なので、『上手くできなかったらどうしよう』などと考えず、躊躇をせずに対応してください」などのアドバイスがありました。

グループごとに参加者が心肺蘇生を練習
骨折した場合の固定方法を説明

 訓練を企画した三鷹の森ジブリ美術館の雫石和平さんからは、「近隣ということで有事の際はお世話になる杏林大学病院と、想定外の事故対処に落ち着いて行動できるよう連携していきたいと思います 」との言葉がありました。一方、訓練の指揮をとった病院の手塚知樹 主任看護師補佐は、「限られた時間でしたが、このような貴重な機会は私たちにとっても学ぶべきことがあります。今回の訓練が実際に何か起きた時の助けになれば幸いです」と話しています。