病院・診療科について薬剤部の山内弘子薬剤師が日本臨床腫瘍薬学会で最優秀症例賞を受賞
作成日時 2013年04月11日
山内薬剤師の演題は「アンスラサイクリン系薬剤による心筋障害によりバンコマイシン濃度が異常高値となった一例」でした。急性骨髄性白血病の治療経過中にバンコマイシンを投与することとなり、薬物血中濃度が治療域になるよう血清クレアチニン値を参考に投与量を調整しました。濃度測定の結果は予想を超える濃度となっており、アンスラサイクリン系薬剤による心機能低下が疑われるバンコマイシンの排泄遅延が考えられたことを考察した内容です。


山内薬剤師は「腎排泄型薬剤は投与量を調整する際、腎機能に応じて投与量を調整しますが、心機能はもちろん栄養状態や筋肉量なども考慮した投与設計が必要であり、検査値だけでなく患者の全身状態を考慮した投与設計が必要ということを学びました。それに加え、専門領域の薬剤師同士が情報を共有し患者の薬物治療に携わることの大切さを痛感しました。また、自分の専門外の分野で演題登録に躊躇しましたが、各分野から専門的な意見を頂いてとても勉強になり、多くの方々への感謝の気持ちでいっぱいです。」と受賞の喜びだけではなく今後の自分への教訓になったことへの感謝の意も話しています。