当院を基地病院として、東京都ドクターヘリが運用を開始

作成日時:2022年03月31日

 東京都は、救急医療体制のさらなる充実を図るため、ドクターヘリの運用を3月31日から開始しました。運営では杏林大学医学部付属病院が基地病院となります。

 これまで東京都は東京消防庁と連携して、長距離運航や夜間飛行が可能な東京型ドクターヘリを多摩や島しょ地域において運用してきました。新たに導入された専用ドクターヘリは、小型のため短時間での離陸など機動力が高く、特に多摩地域で救急医療体制を充実させることができます。
 普段は、当院と協力病院2施設のいずれかの医師・看護師がドクターヘリの駐機する立川市内の基地に待機し、状況に応じて都内に約100ヵ所指定された合流地点(ランデブーポイント)から患者を搬入し、機内で治療を行いながら、当院や協力病院等の救命救急センターへ搬送します。これにより、一段と迅速な救命処置が可能となります。

 3月30日には小池百合子東京都知事、都議会議員などの関係者が参列し、当院で就航式が行われました。式辞として小池都知事は、「ドクターヘリの運用を開始することで、さらに都民の医療支援を拡充させていきたい」と展望を述べました。当院市村正一病院長からの式辞では、「ドクターヘリが配備されたことを住民や医療施設などに知ってもらい、広く活用されることが大切です。当院としても一人でも多くの都民の命を助けることができるよう、運営に協力していきます」と話しました。
 続いて、東京DMAT運営協議会会長や東京都災害医療協議会委員を務め、ドクターヘリの基地病院の整備を進めてきた山口芳裕高度救命救急センター長から説明が行われました。「多摩地域で救急車が出動し、病院で治療を開始するまで平均約47分。しかし、ドクターヘリであれば、要請から現地到着まで15分以内での実施が可能となります。重症患者にとって、数分、数十分が生存の境目になることもあるため、この意味は大きい。このドクターヘリが都民のみなさんに必ず役に立つと確信しています」と意気込みを語りました。
 これより、都、消防庁、協力病院、関連自治体等と連携し、ドクターヘリの運用が行われていきます。

小池百合子東京都知事
市村正一病院長
山口芳裕高度救命救急センター長
ドクターヘリ訓練の様子
ストレッチャーは機体後部から積み込まれる
壁面には人工呼吸器や各種モニターがコンパクトに装備されている