新機能を備えたハイブリッド手術室を導入

作成日時:2022年07月14日

 杏林大学病院ではハイブリッド手術室を増設し、7月5日から運用が開始されました。
 ハイブリッド手術室とは、血管撮影と手術を同時に行う高度な技術を可能にしたもので、これにより、手術の安全性や確実性を高め、患者さんの負担を軽減することができます。

 2台目の導入となる今回のハイブリッド手術室は、さらに「Stealth StationTM」という、術前のCT画像と術中の画像を合体させることで、腫瘍などの患部までをナビゲーションするシステムが搭載されています。それにより、脊椎手術や脳腫瘍手術など精密さを要する手術で、より正確に安全な手術を行うことが可能となります。
 また、搭載されている血管撮影装置では、CTに匹敵する大視野で3D画像を撮影することができ、画質も大きく向上しています。さらに、連続撮影した画像をつなげることで、心臓の拍動などを動画として観ることができる「4D画像化」も可能です。それにより、例えば、動静脈奇形の手術では、病変部の血流の動きがわかることで、動脈と静脈をつなぐポイントの位置関係を正確に把握できるようになり、治療の安全性や効率性が向上されます。また、被ばく量も軽減されるため患者さんの負担を軽減することができます。
 CT機能、手術室、ナビゲーションシステムの3つの機能が備わった手術室は、東日本では初めての導入となります。

 従来のハイブリッド手術室は、循環器内科や心臓血管外科、形成外科で主に使用されていましたが、新しいハイブリッド手術室は機能が拡張したことで、整形外科、脳神経外科、消化器外科、産婦人科などでも広く活用していきます。

血管撮影装置を回転させて撮影