産婦人科

 女性の健康には、女性ホルモンが深く関わっています。女性ホルモンは排卵や月経をコントロールするだけでなく、女性の心身に大きく影響します。思春期、成熟期、更年期、老年期と、そのホルモン状態によって、また、結婚や育児などのライフステージによって大きく心身の変化をしています。
産婦人科領域では周産期(産科)、婦人科腫瘍、生殖内分泌(不妊)、女性医学(女性のヘルスケア)と大きく分けられております。特に当科では産科、婦人科腫瘍、女性医学の分野を中心に、女性の様々なライフステージのお悩みや病気に寄り添えるよう対応してまいります。生殖内分泌(不妊)に関しては専門病院へ紹介させていただいております。

なお診療スタッフは杏林大学ならびに慈恵医大から常勤医7名と杏林大を中心とした非常勤医師で対応しており、地域の中核病院として最良の医療を提供できるように診療にあたっております。

当院産婦人科は臨床研修指定病院のほか
・日本産科婦人科学会専攻医指導施設
・日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医指定修練施設
・日本女性医学学会認定研修施設
・日本産科婦人科内視鏡学会暫定認定研修施設
でもあり、各分野のスペシャリストを中心に教育・研鑽も行っております。また看護学校生・助産師学生の実習を受入れており、教育にも重点を置いておりますのでご協力をお願いいたします。

女性のヘルスケア・婦人科

婦人科腫瘍、女性医学の分野を中心に、女性の様々なライフステージのお悩みや病気に寄り添えるよう対応しております。良性疾患の手術は侵襲の少ない腹腔鏡手術(特に単孔式)、子宮鏡下手術、膣式手術を得意としています。また悪性腫瘍(子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌等)は残存腫瘍のない根治術を目指した手術を行い、化学療法も行っております。

ヒトパピローマウイルス感染症

 当院では子宮頸がんに対するHPVワクチンの接種を行っています。
子宮頸がんをおこしやすいHPVの種類(型)のものがあり、HPVワクチンでこの一部の感染を防ぐことができます。HPV感染症を防ぐワクチン(HPVワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に定期接種が行われています。定期接種あるいはキャッチアップ接種対象外の方は自費にて接種可能です。


プラセンタ療法

 2023年12月1日より免疫賦活作用、活性酸素除去による老化予防、疲労回復作用、美肌促進作用などへの効果や更年期症状軽減に期待できる「プラセンタ療法」を自費にて開始いたしました(料金:診察料1,000円+1バイアルあたり1,000円)。

産科

「妊娠期から分娩そして産後にかけて継続的なケアの提供」を目指しアットホームで親しみやすいケアでママの妊娠生活と子育てを応援してゆきます。

当院での分娩方法は自然分娩(経腟分娩)を基本としています。これは産婦さん自らが持っている「赤ちゃんを産む力」が赤ちゃんにしっかりと伝わり、赤ちゃんが「生まれてこようとする力」で出産に至るという非常に神秘的な瞬間を大切にしたいと考えているからです。

1.当院での妊婦健診は、医師外来と助産師外来をご受診いただいております

(1)妊娠前半期(おおよそ妊娠14週まで)
超音波検査を基本として、婦人科で診察を行います。2週間に一度のペースで受診いただき妊娠8~10週前後に分娩予定日を決定します(受診間隔は状況に合わせて変わります)。予定日決定後、次の外来までに母子手帳をもらってき後、初めての妊婦健診(超音波検査、子宮がん検診、採血、おりもの検査など)を行います。
(2)妊娠中期・後期は、産科健診ブースで診察を行い、超音波検査、胎児心拍数検査を適時行い、出産準備クラスとあわせて、妊娠中の母体と胎児の健康管理、合併症の予防と治療を行っています。妊婦健診は完全予約制です。


胎児精密超音波外来のご案内(水曜日午後13:00~15:30完全予約制)

 当院で健診を受けられる方は、より安心して妊娠生活をお送りいただけるよう、また出生後間もなく治療を必要とする疾患がないかを調べ、適切な管理を行っていくために、妊娠20週の妊婦健診で通常健診より細かく超音波検査でスクリーニングを行っております。
 また詳細な評価が必要と判断した場合は、胎児超音波外来で精査をお受けいただく場合がございます。


助産師外来のご案内

助産師外来は通常の妊婦健診に加えて安心して出産に臨めるよう、助産師が通常よりも時間をかけて健診をすることで医師には言いにくい小さな不安や疑問への対応もさせていただき密度の濃い健診となっています。初期(14週前後)・中期(26週前後)・後期(34週前後・39週前後)の3~4回完全予約制で行っています。医師と連携を図っていますので、必要に応じて医師の診察を受けます。

時間:完全予約制 1回30分程度
場所:3階 産婦人科外来 助産師指導室

*予約時間の15分前までに、3階産科外来受付Lブロックへお越しください。
*39週の健診前にはNSTモニターをつけるため、予約の30分前にお越しください。
*予約時間を10分以上経過した場合、日時の変更をお願いする場合がございます。


当院分娩希望で他院にて妊婦健診を行っている方

 妊娠16週までに現在かかりつけの産科より地域医療連携係経由で産科および助産師外来の予約をお取りください。その際に紹介状・検査結果をご持参のうえ、来院してください。(海外から来院する方も同様にお願いいたします)。紹介状や検査結果、母子手帳を拝見し必要な検査などを行います。
 予約なく受診いただいた場合は産科医師の診察のほか改めて別の日に妊娠初期の助産師外来を予約し、受診となります。
 その後の受診は、妊娠経過が順調な方は34週までに受診となります。帝王切開を予定されている方や医師から早めの受診をすすめられた方は30週までに受診してください。


2.マタニティクラスを行っています(先着6組)

当院では前半編、後半編と2回に分け妊娠中のこと、出産のこと、育児のこと産後の生活とサポートなどをお話しします。
 前半編では妊娠経過と過ごし方
 後半編では入院準備、お産の経過と過ごし方、新生児のお世話、産後の生活とサポート
時間:土曜日 13:30~15:30(第1・3土曜日は前半編、第2・4土曜日は後半編)
場所:1階 観音ホール他
持ち物:母子健康手帳、診察券、受講料


3.出生前診断としてクアトロ検査(採血)ならびに羊水染色体検査を行っております

クアトロ検査 約25,000円 羊水染色体検査 約160,000円 但し、金額は目安となりますので、追加の検査、処置、処方などがあり前後することがあります。詳しくは産婦人科窓口までお問い合わせください。


4.分娩方法は自然分娩(経腟分娩)を基本としています

分娩方法は自然分娩(経腟分娩)を基本としていますが、既往に帝王切開・子宮筋腫核出術等、子宮の手術をされている方、骨盤位(逆子)の場合は原則、帝王切開での分娩となります。また、微弱陣痛あるいは40週(予定日)を超えた場合は分娩誘発による分娩の促進を考慮いたします。


5.無痛分娩は行っておりません(和痛分娩を行っております)

無痛分娩は行っておりませんが、少し陣痛の感覚をやわらげ、緊張をほぐす効果のある筋肉注射を使用する和痛分娩も可能です(和痛分娩管理料として5,000円(1日)、1回の注射当たり10,000円です)。


6.当院では36週以降2000g以上の新生児でないと管理できません

それ以前の破水や早産になりそうで、早くからの管理が必要な妊婦さんは管理可能な病院へ紹介または母体搬送となりますのでご了承ください。 また、胎児の異常が疑われる場合や、母体の合併症(内科、精神科など)、前置胎盤、双胎妊娠などリスクがある方も状況により管理可能な病院へ紹介となります。

分娩料金(入院費)のご案内

◎経膣分娩(6日間入院の場合) 55万円~
(入院日数、出産の時間帯等によって料金が異なります)

◎経膣分娩(7日間の場合) 59万円~

(入院日数、出産の時間帯等によって料金が異なります)

◎帝王切開(9日間) 59万円~
(入院日数、出産の時間帯等によって料金が異なります)
(一部健康保険を適用します)

個室料金は1日13,000となります

※なお「出産育児一時金の医療機関直接支払制度」をご利用の場合は、上記金額より42万円を差し引いた額となります。
※ご予約時、入院予約金として10万円をお預かりします。

産科医療保障制度

本来、補償されるべき脳性麻痺児が未加入機関のために補償を受けられないという事態が生じないように、当院は加入しました。産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児に対する補償の機能と脳性麻痺の原因分析・再発防止の機能とを併せ持つ制度として創設されました。
当院はこの制度の加入機関ですので当院で分娩を希望される方は、この制度への登録をしていただきます。
登録をご希望なされない場合は、当院での分娩をご遠慮いただくこととなります。
詳しくは、産科医療補償制度ホームページをご覧ください。

産後のケア

1.育児・母乳相談外来
育児・母乳相談外来にて育児、母乳のみならずメンタル不調の有無や様々な悩みなどに対応し母乳相談育児支援などを行います。

2.産後ケア
また入院による産後ケアも行っております。「お母さんがリラックスできる休息時間を提供することで、余裕をもって育児を行えるよう不安・負担を軽減し支援」していきます。 さらに産後ケア後も何かありましたら「母乳育児相談」をご活用ください。
産後ケアについてはこちら(PDF)をご覧ください。

3.杉並区の子育て応援券が利用できます

外来担当表

※外来表を横にスワイプして御覧ください

外来を受診される患者様へのお願い

もし、当院受診前に他院を受診されている場合は、無駄な検査や重複投与を避けるため、できるだけ現在までの経過や処方内容が記載された紹介状(診療情報提供書)をお持ちいただくようお願いいたします。もし紹介状をお持ちになれない場合は、現在内服中のお薬の内容がわかるものをお持ちいただくようにお願いいたします。