当科について

呼吸器外科は、肺がん、縦隔腫瘍、胸壁腫瘍、気管腫瘍などの胸部の腫瘍性疾患、膿胸などの感性性疾患、若年者に多い気胸など、心臓・大血管以外の多くの胸部疾患を担当します。
ほとんどの手術を完全胸腔鏡下(胸に数か所の穴を開けて行う手術)で行っており、従来の開胸手術に比較して侵襲の少ない身体に優しい手術を心がけています。
当科が最も多く担当する肺がん治療に関してはここ数年で大きな変化が起きています。肺がんの手術治療は腫瘍のある片肺の30-50%を切除する「肺葉切除」が標準的な治療でしたが、小さな肺がんに対しては肺を温存する「部分切除」や「区域切除」などの手術でも、肺葉切除と同等の治療効果が得られることが分かってきました。
当科では患者さんごとに適切な範囲の肺切除を行い、がんを治すだけでなく患者さん一人一人の術後の生活の質を考えた治療を行って参ります。
また進行がんにおいては新しい薬剤が術前後に使用されるようになり、治癒する確率は日々高まっています。大学病院である強みを活かし、併存症のある患者さんに対しても呼吸器内科等、他科との連携を密に集学的な治療を行います。
地域に根ざし、患者さん、そのご家族が安心して医療を受けられるよう高い志をもって診療にあたる所存でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。