大学ホーム外国語学部一般の方論文・翻訳コンテスト第2回英語課題 → 日本語訳

論文・翻訳コンテスト

英語課題 → 日本語訳 奥山 陽子

日本の信号機に私はまごついてしまう。何よりもその色にである。私が何と言おうとも、日本人の友人は緑信号を青だと言って譲らない。また、イングランドでは赤信号は停止を意味するのだが、日本では多くのドライバーたちがなんと赤信号のはじめの数秒間を赤信号だともみなしていないようである。こんなことはとりわけトラックやタクシーにありがちなことだが、たいてい道路交通法違反を免かれているようだ。

日本で自動車を運転していて一番よいと思うものはなんと言ってもガソリンスタンドだ。イングランドに比べてガソリン価格が安いし、それだけでなく従業員は「接客」業というその名の通りの仕事ぶりをみせてくれる。まるでF1のピットで待機しているチームメンバーたちのような能率の高さで、彼らは給油し、フロントガラスをきれいにふき、車中のごみを捨ててくれる。そして1人が車を車道へと誘導し、ガソリンスタンドを後にする車を皆そろってお辞儀しながら見送ってくれるのだ。それは交通渋滞の中に戻って行くまでのつかの間、休息しくつろげるありがたい時間を与えてくれるのである。

ひょっとすると日本の道路が抱える諸問題が実は日本にとって逆に長所でありうるのではないだろうか。もしもたえず日本政府が自動車旅行をより安く気軽なものにしようとするならば、多分もっと沢山の人が自家用車を使うにちがいない。となれば当然、道路は混雑し、環境汚染も一層進んでしまうだろう。だが日本は輸送体系を発達させるのにあたって世界でも指折りの鉄道網に投資をしてきた。だから日本の鉄道は速く、信頼できる。おそらく世界の他の国々が交通渋滞を深刻化させていく中で、日本の交通事情はより多くの人々をたくみに交通渋滞から回避させているのだろう。

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