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論文・翻訳コンテスト

二〇一七年の観光旅行 鳴海愛

十年後の二〇一七年。世界はどのように変わっているだろうか。科学や技術が今より進歩しているのはもちろんであろう。おそらく、私たちを取り巻く環境も変化しているはずだ。今、世界中で問題になっている地球温暖化が深刻化し、東京が熱帯のような気候になっているかもしれない。また、日本は好況を迎え、高級な物を手に入れたがる人たちで溢れている、ということも考えられる。そのような時代に、人々はいかなる観光旅行をするのか。

現在、私たち一般人の観光旅行といえば、国内旅行、海外旅行の二種類である。十年後には、これに宇宙旅行が加わっている可能性もある。今のところ、この旅行へ行くのは一部のお金持ちだけである。しかし、旅行代が安くなったり、好況の真っ只中であれば、我々でも行くことができるかもしれない。だが、宇宙へ旅行するためには、事前に訓練しなければならない。そのため、子供やお年寄り、健康に問題のある人などは、断念するしかないだろう。

それに比べると、国内旅行や海外旅行は、誰でも手軽に楽しむことができる。二〇一七年には、この二つの旅行にもっと活気が出てくるだろう。それに伴い、旅行先にも変化がみられるはずだ。もし、地球温暖化が深刻化していれば、赤道近くの熱帯の国へ行く旅行者は減少するだろう。人がいられないほどの暑さとなっているからだ。よって、涼しさを求め、高緯度地方の国々へ行く人が増えると思われる。あるいは、環境破壊を実感するツアーなども出てくるかもしれない。例えば、水没しそうな地域や、崩れる氷山の観覧、異常気象体験ツアーなどが挙げられる。大自然を満喫するツアーは、今後益々熱気を帯びるだろう。

同じように国内旅行も、涼しさを求めて、北海道や北日本への観光客が増加するであろう。観光を意識した旅行は増加し、注目を集めるようになると思われる。

二〇一七年の観光旅行。国内旅行、海外旅行、宇宙旅行の三つが、主なものとなっているはずだ。旅行に行く際、大切なことは、旅行客の安全を確保することだ。国内から海外、宇宙へと、スケールが大きくなるにつれ、危険度も高まってくる。ガイドや添乗員は、危険に対処する能力の向上に努めなければならないだろう。また、「環境をメインにした旅行」ならば、ガイドはしっかりと知識、問題意識を持つべきである。何より、観光客の意識が問われてくる。環境について関心を持ち、どれくらいの知識があるのか、どんな事が問題となっているのか。旅行は環境について考える絶好の機会だ。環境破壊は、自分たちのすぐ近くで起きているということがわかれば、今すぐにでも、自分たちにできることを何か始めようと思えてくるはずだ。このように、安心して観光旅行を楽しめ、「地球」に住んでいる自分を実感できるようになれば、旅行者数は益々増えると思われる。

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