大学ホーム外国語学部一般の方論文・翻訳コンテスト第4回英語課題文

論文・翻訳コンテスト

第4回論文・翻訳コンテストの課題

英語訳課題文

次の文章を読んで、下線部を英語に翻訳してください。

大学入試センター試験の英語問題を見ると、長文などの語数が二千語を超えている。また文章全 体の論理性に関する問題が多く、文章理解と併せて発信型の英語が求められていることが分かる。 このような論理的発信型の英語力と多読・速読力の重視は何を意味しているのだろうか。

実はこれらの力は、米国などの大学へ留学する場合、授業に置いて行かれず、生き抜いてゆくた めに必要な力である。一コマの授業に臨むために数十ページ読むことは普通で、授業中は教科書を 読んできたことを前提に議論が行われる。また、毎週のように小論文を提出させられ、英語的論理性に基づかない論文は説得力がないとして評価されない。

今までこのような授業は日本では無縁であった。どちらかというと、大学の英語の授業は文学的作 品の訳読が中心で、英会話の授業を除けば教養的な面が強かった。しかし今、日本の大学も偏差値 ではなく国際的な尺度で多面的に評価されるようになり、語学や言語学の授業以外でも、英語の果たす役割が大きくなってきている。

大学が研究面のみならず、国際的に評価されるとすれば、世界を受け入れ、外に発信しなければ ならない。米国の大学を参考に授業のあるべき姿を描けば、(1)世界中から学生を引きつけるレベルか (2)使用教材は質量共に見劣りしないか (3)多様な国籍の学生たちが授業中活発な意見交換をする 場か―などだ。そして世界を意識しているがゆえに、英語は日本語と共に授業の重要な媒体にならざるを得ないだろう。

さらに専門的になると、ゼミなどでは海外で執筆された最新の論文や著書を扱うことが多く、原書を用いて速いスピードで授業が行われる。インターネットで海外の大学と情報交換する場合には、受信、 発信ともに英語の即応力が要求されるだろう。

一般に使える英語は英会話ととらえられているが、読み書きにも実際に使える英語が必要である。 大学入試センター試験は、日本の大学の置かれている状況を感知し、どのような英語力が必要かを 出題によって示していると言える。国際化の中で日本の大学がサバイバルするとすれば、スピードと論理性のある英語力が必須であることの強いメッセージでもあるのだ。

出典:谷口賢一郎 「英語の即応力 大学で必要」(読売新聞『論点』)平成14年2月21日 掲載
本文は杏林大学第4回 論文・翻訳コンテストのために、著者が加筆修正したものである。

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