大学ホーム外国語学部一般の方論文・翻訳コンテスト第5回論文「ちっご弁」

論文・翻訳コンテスト

ちっご弁 福岡県・私立 明光学園高等学校 二年 城後彩加

 うちが好いとる方言は、ちっご弁ばい。うち、ちっご市に住んどるっちゃん。ばってんっさい、「これはちっご弁」ち思いよる方言でも、本当はちっご弁やなくて、他んとこの方言ちいうの、結構ある。あとっさい、使ったらなんかおかしく感じるちっご弁とかもあるやんね。ちことは使われんくなりよるちっご弁もあるっちことやん。じいちゃんとかばあちゃんは使いよるけど、うちらはあんま使わん方言、いっぱいある。家が近か友達とに話す方言がうちと違う人もおる。うちん親は久留米に住んどったけん久留米ん方の方言が入っとる。やけんそれがうちにもうつった。してっさい、そん友達んお母さんは山川の人げな。やけんそん友達は山川ん方言が入っとるごた。そん友達とよう遊びよったときね、うちそん人の方言がえらい可愛いく聞こえよった。可愛いちいうか、上品っち感じ。例えばっさい、標準語で「私の友達はケーキを食べていた。」は、そん友達の言いよるごつ言うと、「うちん友達ケーキば食べよらはった。」になる。なんか京都ん人んごとして上品かやろ。ばってん、うちん方言でそれば言うと、「うちん友達ケーキば食べよらした。」になる。なんかぶっきらぼうに聞こえてしまう。まぁ優しい言い方ならぶっきらぼうには聞こえんやろうけど、うちんごた感じの人が言うとぶっきらぼうに聞こえてしまう気がするっちゃん。あの言葉ばていねいに言おうとすると、「ケーキば食べよらっしゃった。」になる。ばってんこれじゃそん友達ば同い年とにえらい尊敬しとるかのごつ聞こえる。「食べよらはった。」もそげんかふうに聞こえるかんしれんけど、うち的には良い感じに聞こえる。でもやっぱりうちはちっご弁ば使う。ぶっきらぼうに聞こえたとしても、うちはちっごん人間やけん、ちっご弁ば使うとやん!

 そういえば、ばあちゃんが前こんか話ばしよった。ばあちゃんは八女ん人で、久留米の親戚ん人んちに行ったとき、いつも「猫が来たぞー。」ち言われよったげな。なんでばあちゃんが猫やか。名前も猫と関係なかろ。そげん思ったけど、理由ば聞いてから、「あぁ、それで猫たい。」ち思った。なんで猫かちいうと、ばあちゃんは、言葉の語尾に「にゃあ」っち付ける。例えば、「そげんやんにゃあ。」とか。ただ「にゃあ。」ち言うだけでも、「そげんやんにゃあ。」と同じ意味になる。初めて聞く人にとっては、猫の真似かなんかばしよっとやろか、ち思わすとやろうな。実際、地元が違う新しい友達ができたとき、「暑かにゃあ。」ち言ったら、「彩加そういうキャラったい。」ち言われたことがある。うちは、「え、キャラ?何キャラ?」ち聞いた。そしたらそん友達は、「だって、にゃー、とか、猫やろ?そういう感じ。」っち言わした。うちはおかしくて笑って説明した。「にゃあ、ち方言ばい。語尾ににゃあち付けるのは方言。べつに猫の真似しよるわけやなかばい。」その友達は、「えっ、にゃあちいう方言とかあっとね。珍しかねぇ。」ち言いよった。何も知らん人に猫の真似しよるち思われるのはなんか変な気分ち思った。友達にそげんやってつっこまれるならいいばってん、「あの人猫の真似して喋りよらす。」ち思っとかれるのはなんか・・・。方言は難しかぁ!

 それと、こないだじいちゃんとばあちゃんと弟とご飯ば食べに行ったとき、じいちゃんに、「彩加、おてしょば取ってくれんの。」ち言われた。『おてしょ』ち意味は分からんやったけど、おしぼりのことかなぁち思って、おしぼりばわたした。そしたら、「おてしょたい。」ち言われた。うちが「ん?」っち言うとじいちゃんは、「おてしょち分からんとか。」ち笑いながら言わした。そしたらばあちゃんも笑いながら、「おてしょちゃ小皿のことたい。」ち言わした。うちと弟は、「おてしょとか今言わんばい。」ち言って小皿ばわにした。あとじいちゃんは他にもいっぱい意味がわからん言葉ば使わす。

  やけんじいちゃんにいっぱい方言ば教えてもらおうち思いよる。

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