システム整備により検体検査のさらなる業務改善を実現

作成日時:2024年02月21日

 当院臨床検査部では、患者さんの検体検査をより円滑に行うためにシステムの整備と業務の改善に取り組んでいます。昨年5月には新型の生化学検査の分析装置と、検体の搬送システムを導入し、検査時間の短縮化と人員の効率化を行いました(紹介記事はこちら)。

 それに加えて今年1月には、検体を検査装置に搬送し、検査試薬で生化学検査や免疫検査を行った後、検体を保存する全工程が搬送システムでつながったことで、作業効率の一層の向上が図られました。
  さらに、検体を自動で冷蔵保存させるシステムが2台導入されています。これまでは手動で、検体を冷蔵庫へ移動させ、再検査のオーダーに合わせて検体を取り出し、再度生化学検査を行い、保存期間が終了した検体は廃棄処分を行っていました。しかし、この一連の作業をオートメーション化させたことで、業務効率が上がり、再検査にかかる時間を短縮することができました。また、腫瘍マーカーや感染症などを含めた免疫項目の検査についても、既存装置の仕様を変更し、さらに新機器を1台追加導入したことで、より円滑な検査が可能となりました。
 こうしたシステムの整備や業務改善によって、患者さんが外来で血液検査を受けてから、診察するまでの待ち時間を平均で10分程短縮できるようになりました。また、システム全体をモニタリングできる「タトランプ」で稼働状況を監視し、メンテナンスや試薬の補充などを迅速に行えるようになっています。このように新システムの導入や業務改善により、人為的ミスの削減、検査の効率化に伴う人員の有効活用などが実現されました。
 今後も引き続き、業務改善に取り組んでいきます。

整備された自動検体搬送システム
再検査のための検体自動冷蔵システム2台
合計で11,000以上の検体の保存が可能
免疫項目を検査する免疫発光測定装置
棒状のタトランプ(左上)。緑黄赤色で、正常な稼働状況、試薬の補充タイミングなどを通知