学生・研修医の方々からのよくあるご質問

杏林大学ではどのような形で研究ができますか?

田中啓、小林陽一

 当教室では基礎研究にも力を入れています。基礎研究といっても全くの基礎的研究ではなく、臨床に直結するような研究を行うことを基本にしています。そのような研究を「トランスレーショナル リサーチ」と言います。すなわち日々の臨床において「何故なんだろう?」「どうしてなんだろう?」という疑問からそれを解明すべく基礎研究を行ない、その結果をまた臨床にフィードバックするというものです。ですから色々な患者さんや疾患を勉強しながら「なぜ?」という疑問を持つことが大切なのです。
 杏林大学産婦人科では産婦人科専用の広い実験室があり、培養細胞や実験動物を用いた基礎実験を行うことができます。実験助手さんもいて、実験を手伝ってくれます。
 産婦人科専門医を取得したあとに、大学院生として基礎研究をはじめ、学位を取得する人が多いです。社会人大学院生として、臨床経験を積みながら(病院からの給与あり)研究も行うこともできます。大学院在学中に、サブスペシャリティの専門医資格を取得することもできます。
 周産期領域では、成長因子(インスリン様成長因子)やサイトカインと胎盤・胎児発育に関する研究を行っています。
 婦人科腫瘍領域では内膜症性嚢胞(チョコレート嚢腫)の癌化のメカニズムと、チョコレート嚢腫と卵巣癌の鑑別のための新たなバイオマーカーの開発を行っています。それ以外にも子宮癌の浸潤に関する因子の研究や、松果体ホルモンであるメラトニンの婦人科疾患における意義など様々な研究の「タネ」がありますが、マンパワー不足でなかなか進みません。是非我々と一緒に臨床に直結する研究を行なっていきましょう。

一覧へ戻る