予防医学センター(人間ドック)コース・オプション

コースのご案内

人間ドックAコース

午前中に内科診察、胸部X線、食道・胃造影、腹部超音波、血液、尿、聴力検査に加えて、眼科検診(眼底検査のみ)を行います。 男性では、PSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)、女性ではCA125(卵巣がんの腫瘍マーカー)も検査します。
*オプションによっては検査が午後までかかる場合があります。

人間ドックBコース

Aコースに胃内視鏡、胸部・腹部単純CT、女性は乳腺エコー、マンモグラフィーを加えた内容で、生活習慣病を幅広くチェックしたい方に適しています。 検査終了後、医師による結果説明と生活指導や必要な指示があります。
*Aコース、Bコースとも、オプション検査を追加することができます。
*各コースの検査内容・オプション検査内容は、以下「検査内容」をご覧ください。

PET/CT検査コース

PET/CT検査のみ行います。2~3週間後に検査結果とその後の指示について報告書を郵送します。ご希望の方には、全画像のCD-ROMもお送りします。
*人間ドック各コースにオプションとして追加することもできます。その場合、割引料金となります。
*このコースへのオプション追加はできません。

コース名 曜日 開始時間 検査後
医師面談
昼食 料金(税込) 所要時間
(オプションなしの場合)
人間ドックAコース 月~金 8:00 なし なし ¥66,000~ 約4時間
人間ドックBコース 月・水・金 8:00 あり あり 男性¥104,500
女性\110,000
約7時間
(※昼食込み)
PET/CT検査コース 月・火・水・金 11:00~12:40 なし なし ¥143,000
オプション検査時:¥132,000
約3時間

検査内容

Aコース・Bコース検査内容一覧 2023年4月から
オプション一覧 2023年4月から

※2023年4月からコース名称・料金が変更となりました。詳しくは「お知らせ」をご覧ください。

オプション検査について

胸部CT

最新型マルチスライスCTを使用することにより放射線被爆を低減しつつ高精度の画像で胸部全体を検査します。胸部X線写真では見えない小さな肺がんの発見が主目的ですが、肺気腫、大動脈瘤、縦隔腫瘍など幅広い胸部疾患の発見に役立ちます。

PET/CT

PET/CT検査では、「がん細胞は正常の細胞よりも多くブドウ糖を取り込む」という特性を利用し、ブドウ糖と放射性物質を合成したFDGという薬剤を静脈から投与します。 FDGはがん細胞に集まり、その様子をPET/CT装置で撮影することで、その位置や大きさがわかります。
①約20分の撮影で全身を検査、②がんの早期発見、再発や転移の発見、③腫瘍病変の悪性、良性を見分けられる、④検査の身体的苦痛が少ない、といったメリットがあります。
ただし、早期の胃がんや前立腺、腎、膀胱がんなどは診断できないことがあり、PET/CTだけでなく内視鏡や超音波検査、血液検査など、他の検査を組み合わせることで、がんの早期発見につながります。

頭部MRI・MRA

磁気を使って脳実質(大脳・小脳・脳幹など)と脳内の主要な動脈を観察します。脳梗塞や脳出血(知らない間に起こしたものも含む)、脳腫瘍、脳の萎縮、脳動脈瘤、脳動脈の狭窄(血液の流れが悪くなるため脳梗塞の原因になる)などがわかります。

頸動脈エコー

超音波装置にて頸動脈(首の大きな動脈)の太さや壁の厚さ・血液の流れる速度を測定し、脳梗塞の原因となる頸動脈狭窄の有無などを調べます。また血管の状態をミリメートル単位で観察できるため、コレステロールの付着の有無など他の検査では見ることのできないレベルで動脈硬化の評価が行えます。頸動脈の状態は全身の血管の動脈硬化の目安となるため、脳卒中や心筋梗塞などのリスク判定にも役立ちます。

頭部MRIは頭蓋内が中心の検査のため頸動脈は一部分のみの描出であり、全身の動脈硬化の評価をあわせて行える頸動脈エコーと組み合わせることにより、さらに精度の高い「脳ドック」を提供できると考えます。検査時間は15分程度です。
※検査人数や検査日に制限があるため、当面、頭部MRIを受けられる方を優先とさせていただきます。ご了承ください。

甲状腺エコー

超音波により甲状腺の腫瘍の有無や甲状腺のサイズを調べる検査です。甲状腺がんはおとなしいタイプのものを含めると生涯罹患率は200人に1人といわれており、まれな病気ではありません。小さなしこりは触診では分からないことも多く、甲状腺がんを心配される方には本検査をおすすめします。検査時間は15分程度です。
甲状腺がんのリスクとしては次のものが知られています。

  • (特に乳幼児期の)放射線被ばく
  • 家系に甲状腺がんの方がいる
  • ヨードの欠乏あるいは過剰摂取

また、特に女性では甲状腺が全体に大きくなる疾患もよくみられます。ホルモンの異常を伴う場合はいろいろな症状の原因となっていることがありますので、下記【甲状腺ホルモン検査】の項目もあわせてご覧ください。

骨密度

骨密度(骨の強度)が低下し骨折しやすくなる「骨粗鬆症」の有無をDEXA法にて判定します。骨粗鬆症学会のガイドラインによると、骨粗鬆症と診断された場合には骨折予防のため薬物治療を開始することが推奨されています。

DEXA法 : エネルギーの異なる2種類のX線を体に当てて骨成分のみを検出し測定する方法で、誤差が少ない、測定時間が短い、放射線の被ばく量も少ないという利点を持ちます。当ドックでは大腿骨の骨密度を測定します。

上部消化管内視鏡(経鼻内視鏡のオプションあり)

内視鏡で食道・胃・十二指腸を観察します。胃がん、食道がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ポリープ、胃粘膜下腫瘍などがわかります。

がんが疑われた時など、色素検査(粘膜に色素を散布して病変がよく見えるようにする検査)や生検(内視鏡を通じて組織の一部を採取し顕微鏡の検査に回す処置)が同時に行われる場合があります。

経鼻内視鏡

月・木曜日のみ、若干名。
ご希望の方は、ドック予定日1週間前までにご連絡ください。
のどの反射が少なく苦痛が少ない、検査中にお話ができるといった利点があります。生検も可能です。
鼻腔が狭いなど挿入困難時や、出血の危険性が高い場合は、経口内視鏡検査への変更、もしくは中止させていただく場合があります。

大腸内視鏡検査

火曜日のみ若干名。ドック受診日とは別日の検査となります。体に負担のかかる検査ですので、対象は75歳までの健康な方とさせていただきます。
肛門から内視鏡を挿入し、盲腸~直腸の全大腸を観察する検査で、大腸がんや大腸ポリープ、炎症などがないか観察します。
大腸がんのリスクは50歳以上の方、親族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる場合で高くなりますので、こういった方にお勧めします。
※観察、組織検査のみとなり、ポリープの切除などは行えません。治療が必要な病変があった場合は後日、保険診療での治療となります。
※女性医師による検査希望も対応いたします。

婦人科検査

子宮がん・卵巣がんを対象として、内診・経膣超音波検査・細胞診(子宮頚部)を行います。超音波検査では、がんの他に子宮筋腫や卵巣嚢腫などもわかります。

乳腺検査

以下の二つの検査が選択できます。どちらも100%の感度ではなく、検出率を高めるためには可能な限り両方ともお受けになることをお勧めします。

(1) マンモグラフィ
我が国の乳がん検診における基本検査です。乳房専用の装置に乳房を上下・左右に挟んでX線撮影を行います。授乳開始から授乳終了後半年間は正確な評価が出来ません。

(2) 超音波検査
超音波を用いて乳腺内を観察します。被ばくのリスクもなく、マンモグラフィと比較し痛みもありません。がんとの鑑別疾患である乳腺症や乳房嚢胞などの診断にも役立ちます。40才未満の方では、マンモグラフィよりも乳がんの検出率が高いとされます。

腫瘍マーカー

細胞や組織ががん化したときに産生する物質の量を血液中で測定することにより、体内のがんの存在を判断する検査です。がんの種類により産生される物質が異なるため、それぞれのがんに適したマーカーがあります。

通常、早期がんではあまり上昇せずがんの進行に伴い上昇してきますが、がんの性質は一例一例異なるため、全く上昇しないケースもあります。また逆に、炎症など良性疾患でも上昇する場合があります。
各種マーカーが上昇する疾患は以下の通りです

  • CEA   大腸がん・胃がん、膵臓がん、肺がん(腺がん)、乳がんなど
  • PSA   前立腺がん、前立腺肥大、前立腺炎など
  • CA125  主に卵巣がん、胸水や腹水のたまる疾患など
  • CA19-9  膵臓がん、胆のうがん、胆管がん、大腸がん、胃がんなど
  • AFP   主に肝細胞がん

ピロリ菌検査

「ピロリ菌血中抗体」は胃がんの最大の原因であるヘリコバクター・ピロリ菌感染の有無を判定する血液検査です。ピロリ菌は特発性血小板減少症など胃がん以外の病気の原因にもなるため、ヘリコバクター学会では陽性者は全員除菌することを推奨しています。日本人では陽性者が多いため(中高齢者では過半数)、すべての方が一度はピロリ菌の検査を受けることをお勧めします。

また、「胃の健康度ABC検診」はピロリ菌血中抗体に加え、胃粘膜萎縮の重症度を表すペプシノーゲン検査を行い、胃の健康度を4段階に分類します。将来的に胃がんになるリスクがどれくらい高いかの目安になります。

甲状腺ホルモン検査

甲状腺は前頚部にある蝶のような形をした臓器で、全身の代謝を調節する重要なホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンが多すぎる(バセドウ氏病など)と「体重減少」「手の振るえ」「汗をかく」といった症状がみられます。ホルモン量が少ない(橋本病など)と「体重増加」「足がむくむ」「寒さに弱い」といった症状が見られます。また、「つかれやすい」はどちらの場合でもよく見られる症状です。特に女性ではこのホルモンの異常が多くみられるため、このような症状をお持ちの方は一度測定をお勧めします。

アレルギー検査(血液検査)

食物・花粉・環境など下記36種類のアレルゲンに対する血中抗体(IgE)を測定し、自分がその物質に対しアレルギー素因を持つかどうかを調べる検査です。
アレルギー36項目(MAST36)は以下の通りです。
コナヒョウヒダニ、ハウスダスト 1、ネコ皮屑、イヌ皮屑、オオアワガエリ、カモガヤ、ブタクサ混合物 1、ヨモギ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カンジダ、アルテルナリア、ラクテック、キウイ、バナナ、ゴマ、ソバ、小麦、ピーナッツ、大豆、米、マグロ、サケ、エビ、カニ、ミルク、豚肉、牛肉、鶏肉、オボムコイド、卵白、トマト、モモ、アスペルギルス

ウイルス抗体(血液検査)

  • HIVはエイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスです。治療法の進歩により予後は大きく改善していますが、現在でも本邦では毎年約1500人の新規発生がみられており、2014年には累計で2万4千人を突破したと報告されています。(厚生労働省資料)
  • 麻疹(はしか)、風疹(3日はしか)、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)は小児期に罹患する感染症ですが、予防接種の効果により小児期での感染は減っています。しかし最近では、予防接種の効果の弱まる成人期になってから感染するケースが増えており、成人発症では重症化したり不妊の原因になりうること、妊婦への感染では胎児奇形の原因になりうることなど注意が必要です。ウイルス感染は自身の体への影響とともにいざ感染すると他人への感染源になりうるため、自分がどれだけそのウイルスに感染しやすい状態であるかを知っておくことは大切です。当ドックでは、IgG法を用いて血中抗体価を測定します。

亜鉛

微量元素の中で最も欠乏しやすく、皮膚炎、食欲減退、味覚・嗅覚の減退、脱毛、うつ状態など種々の病態と関連しうることが知られています。