リハビリテーション科症例数・実績
当院におけるリハビリ対象疾患(2021年度)
当院は特定機能病院として急性期に重点を置いたリハビリを提供している。回復期あるいは生活期のリハビリは連携する近隣病院に紹介する(なお、通院可能であれば、医療保険の適用期間内に限って外来でのリハビリを提供している)。2021年度に他科よりリハビリの依頼を受けた件数は6,202件で、昨年度の5,834件からは増加がみられた。内訳は割合の高いものから整形外科13%、循環器内科12%、脳神経外科9%、脳卒中科8%、呼吸器内科8%、消化器内科6%であった(図1)。脳卒中科と脳神経外科を合わせると17%となり、リハビリ依頼における中枢神経疾患患者の占める割合が高い傾向は依然高いものの、例年の20%程度と比べるとやや割合は低下していた。疾患別リハビリ(図2)でみると、やはり脳血管リハビリは46%と高い割合を占めている(耳鼻科、小児科関連の疾患もこのカテゴリーに含まれる)。廃用症候群リハビリは11%にとどまり、昨年度の14%からさらに減少した。
診療科別依頼件数

疾患別リハビリの処方件数割合

リハビリ科の外来・入院対診患者数の動向(2021年度)
リハビリ科は入院床をもたないため、医師は他科主治医からの依頼で患者を診察・評価の上、リハビリ計画をたてて、必要に応じてPT・OT・ST・装具等を処方する。また外来では痙縮に対する投薬やブロックなどの専門治療、装具や車いすの作成などを行っている。2021年度の新規患者は入院5,268人(昨年度5,887人)、外来624人(同502人)であった(図3)。2020年からの新型コロナウィルス流行の影響を受けて、とくに入院患者は大きく減少した(2017年度から2018年度の落ち込みはICU加算患者が集計から除外されたことによる)。
患者数の年次推移

急性期からのリハビリ介入成績(2021年度)
入院からリハビリ開始までの期間も廃用予防の観点で重要な指標である。今年度の平均は昨年度の8.4日から8.8日と微増した。51日以上のケースが179件(昨年度146件)であり、新型コロナウィルス流行に伴う隔離などが今年度における待機期間の増大につながったものと考えられる。
入院からリハビリ開始までの日数の分布

リハビリ介入期間(2021年度)
急性期病院の入院は短期間であるが、多くの疾患で早期離床と早期リハビリ介入によって入院期間が短縮することが報告されている。2021年度にリハビリ科が関与した入院患者のリハビリ介入期間は平均19.1日で、昨年度と同じ数値であった。2002~2012年度の27~36日と比べて着実に短縮されている。
リハビリ介入期間の分布
