放射線部 検査紹介 X線検査

単純X線撮影は、一般的に「レントゲン」と言われ、X線を用いて胸部や腹部、全身の骨など、体内を通過したX線量から体内の病変を簡易的に画像化することができます。当院では、検出能力の高いFPD(フラットパネルディテクタ)検出器を用いて、少ないX線量で高画質な撮影が可能であり、被ばく線量低減に努めています。


X線検査

体内を通過したX線から胸腹部の軟部組織や骨の状態を観察する検査です。短時間で該当部位の全体像を把握できるため胸部であれば肺や心臓、大動脈などの病変検索や肺炎などのスクリーニング、各科の手術後のフォローアップやペースメーカなどの体内装置の位置確認など様々な目的で撮影されます。腹部であれば消化器系や泌尿器系の病変検索や各科による手術後のフォローアップなどの撮影が行われています。
また、脊椎全長像や下肢全長像の全体像が撮影可能な最新の装置を導入することで、被ばく線量を低く抑え、任意の体位での撮影を行えます。更に撮影後の画像確認が瞬時にでき、負担の少ない撮影を行うことができます。


胸部正面像


腹部正面像


脊椎全長像


下肢全長像


任意の体位で撮影可能なFPD搭載全長像撮影装置

胸部X線動態検査

X線(レントゲン)撮影は、胸部などを対象とした静止画撮影が主流でした。新たな撮影技術であるX線動態撮影は、連続パルスX線を用いて動いているものをそのまま撮影し動画像として画像取得をします。動きのある形態的な情報(肺血管、心臓、横隔膜など)はもちろん、肺機能情報(肺換気画像、肺血流画像)を簡単に画像化することができます。撮影自体は、通常の胸部X線撮影と同じ体位で撮影することができ、低線量で撮影が可能です。当院では、2020年6月に導入されて以降胸部を対象として検査を行っており、今後更なる発展が期待される検査となっています。

解析結果例

 
肺換気強調画像
深呼吸に伴う信号値の変化を抽出します。動画像で呼吸に伴う換気機能(青く)を可視化することができます。慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎などに対して撮影を行っております。
肺血流強調画像
心拍動に伴う信号値変化を抽出します。薬剤等を使用しなくても動画像で肺血管(赤く)を可視化することができます。肺血栓塞栓症(慢性血栓塞栓性肺高血圧症)などに対して撮影を行っております。

歯科X線検査

パントモ撮影

顔の周りをX線の機械が一周し1枚の画像に上下の歯及び歯周組織、上顎骨や下顎骨をパノラマ写真として写す検査です。そのため、歯科領域の全体像の把握、虫歯や過剰歯の観察や歯周炎、顎骨骨折の評価などを目的としています。


パントモ写真

歯科用CT撮影

歯科用CTは、歯周組織や骨構造の高解像な情報を得られ、任意の断面像を再構成することで詳細な評価を行うことができます。 歯の抜歯や手術の計画において、周囲の組織や神経の位置を把握することを目的としています。