糖尿病・内分泌・代謝内科「肥満外来」のご案内

肥満外来について

当科では食事・運動療法のほか、薬物療法による内科的治療を専門とする「肥満外来」を開設しています。(水曜日・午後)
受診を希望される方は、原則として他の医療機関からの「紹介状(診療情報提供書)」をご持参のうえ、予約をお願いします。

初診の方へ 受診の前に

当院では『肥満症の効能又は効果を有する製剤の最適使用推進ガイドライン』に基づき、保険診療での治療を行っています。 (自費診療での薬剤処方は行っておりません。) そのため、適応条件に該当しない方には薬物治療をご提供できない場合があります

肥満が引き起こす健康障害について

肥満は下記のようなさまざまな病気のリスクを高めることが知られています。
当外来では、内科的治療(食事療法、運動療法、薬物療法による内科的治療)により、このような健康障害を軽減・予防します。

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧
  4. 高尿酸 血症・痛風
  5. 冠動脈疾患
  6. 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
  8. 月経異常・女性不妊
  9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
  10. 運動器疾患(変形性関節症:膝関節・股関節・手指関節、変形性脊椎症)
  11. 肥満関連腎臓病

肥満症治療薬の適応となる方

以下すべての条件に該当する方が、薬物療法の適応となります。

  • 肥満症と診断されている
  • 高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有する
  • 以下のいずれかに該当する
    1. BMI(=体重[kg]/身長[m2])が27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関する健康障害を有する
    2. BMIが35kg/m2以上である

肥満外来の治療内容

まずは、食事療法・運動療法を6か月間継続していただきます。
効果が不十分と医師が判断した場合、減量効果が期待できる皮下注射製剤である、セマグルチド(ウゴービ®)あるいはチルゼパチド(ゼップバウンド®)による薬物療法を行います。
食事療法では、管理栄養士による最低2か月に1回の栄養指導(当院では1か月に1回を推奨)を行います。
また効果判定のため、受診時に血圧測定、体重測定、血液検査を行います。
なお、薬物療法は週1回の皮下注射を行います。(使用期間には上限があります。)副作用や効果などを確認しながら、用量を調整します。

薬物療法の副作用

                    
主な副作用 食欲減退、頭痛、嘔気、嘔吐、便秘、下痢など
重大な副作用 急性膵炎、低血糖

肥満外来の大まかな流れ

初診
矢印

6ヶ月間

定期受診(月1回)
栄養指導

食事療法、運動療法
体重測定、血圧測定、血液検査

矢印
薬物療法開始(受診継続)

関連リンク

肥満症診療ガイドライン2022

肥満症治療薬の安全・適正に関するステートメント(2025年4月10日)

最適使用推進ガイドライン セマグルチド、チルゼパチド