リハビリテーション室症例数・実績

活動内容と実績(2022年度)

診療業務

 リハビリが関わる病態は、⑴脳卒中・脳外傷、⑵脊髄損傷・疾患、⑶関節リウマチを含む骨関節疾患、⑷脳性まひなどの発達障害、⑸神経筋疾患、⑹四肢切断、⑺呼吸・循環器疾患である。1987年のリハビリ室発足当初の対象は整形外科疾患が約80%を占めていた。2021年度の入院患者を診療科別でみると図1 のごとく、整形外科12.6%、循環器内科11.3%、脳神経外科8.9%、脳卒中科7.9%、呼吸器内科7.0%の順であった。リハビリ介入患者の平均年齢は71.0歳であり、70歳代、80歳台で入院処方の約57%を占めている。診療報酬上の疾患別リハビリ区分の内訳は図2 のごとく、脳血管疾患43.9%、運動器疾患13.9%、呼吸器疾患13.7%、廃用症候群13.5%、心大血管疾患11.0%、摂食機能療法3.8%であった。

1)診療実績の動向

2)疾患別のリハビリ効果検証

 リハビリの対象は疾患別に脳血管障害、運動器、心大血管、呼吸器、廃用に区分される。リハビリの効果・成果の指標として国際的に用いられているものがADL評価である機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)である。18項目のADL項目を1から7の7段階で評価し、完全自立:126点から完全介助:18点に分布する。
 個々の疾患で、リハビリ介入時と終了時のFIMを比較すると図5のように、すべての対象疾患群で改善している。改善点数は、心大血管>運動器で大きく、廃用>呼吸器で小さい。最終的な点数としては心大血管>運動器>廃用>呼吸器>脳血管となり、廃用症候群の予防と呼吸器疾患患者、脳血管疾患患者のADLはリハビリの課題である。
 自宅復帰率は効果的なリハビリ介入の一つの指標であるが、52.6%となった。急性期より早期に介入し、廃用症候群の予防を図り、在院日数の短縮化のなか高齢化、複雑化する対象者に対して効果的な介入を行っていることの証左である。