ロボット手術

はじめに

現在日本人の男性における前立腺癌の罹患率は年々増加傾向にあります。
検診や人間ドックでPSA測定が推奨され、早期の前立腺癌発見数が多くなり,手術可能な前立腺癌の増加を受けて、より低侵襲で根治性の高い手術が求められてきました。
これまでの前立腺癌に対する手術は開創手術から始まり、腹腔鏡を用いた前立腺全摘除術に主流が移り、2012年4月にロボット支援下(=ダヴィンチ手術)での腹腔鏡下前立腺全摘除術が保険に適用されてから、現在では前立腺全摘除術はダヴィンチ手術が主流になってきています。米国をはじめとする海外においてはすでに手術可能な前立腺癌の85%以上の症例はダヴィンチ手術が行われています。
杏林大学病院では2012年7月よりダヴィンチ手術が導入され、前立腺全摘除術はほぼ全例ダヴィンチ手術で行っています。

 

これまでの手術

前立腺は体表から深く骨盤腔内という狭い空間の中に位置していて、膀胱や直腸とはかなり密接に隣接しているため、これまでの手術では切開創が大きくなり、痛みや出血、他臓器損傷などの合併症が比較的多く出現し、入院日数の長期化が問題となっていました。また、尿失禁や勃起機能不全などの中長期的な術後合併症に、多くの患者さんと医療従事者が悩まされてきました。

 

ダヴィンチ手術のメリット

・視野の確保と精密度の向上⇒前立腺が骨盤腔内という限られた空間にあるため開創手術にしても腹腔鏡下手術にしても手術視野が狭くなります。さらに狭い空間内で器具の操作に制限を受け、特に腹腔鏡下前立腺全摘除術は難易度の高い手術でした。ダヴィンチ手術では3D立体画像下に手術を行うことができ、また画像を最大で15倍まで拡大することでより、容易に視野を確保することができ精密な手術が可能になりました。

 

・手術における出血量の減少⇒広い視野で精密な手術を行うことができるため、開創手術と比べて術中の出血量は極めて少なくすることが可能になりました。

 

・小さい傷での手術⇒ダヴィンチ手術ではカメラの挿入や機械の挿入に必要な10㎜前後の小さい創を約6か所つけるだけで手術を行います。これは術後の疼痛を減少させ、痛みがなければ早期に歩行可能となるため術後の全身状態改善を促進します。

 

・入院期間の短縮⇒手術に伴う合併症が減ることで入院期間を短縮し、社会復帰までの期間も短縮されます。米国では自由診療であることも手伝って平均1.5日で退院となるそうです。

 

・術者にかかる負担の減少⇒執刀する医師は患者さんに直接ふれず、サージョンコンソールと呼ばれる機械に座って遠隔操作によって手術を行います。これまでの手術では長時間無理な姿勢で行うこともありましたが、ダヴィンチ手術では座りながら無理な姿勢をすることなく術者の肉体的負担が軽減し、安全に手術を行うことが可能になりました。

ダヴィンチ手術風景

ダヴィンチ手術風景

ダヴィンチ写真

ダヴィンチ写真

 

ダヴィンチ手術(ライトアップ)

ダヴィンチ手術
(ライトアップ)

 

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