「 3分でわかる情報セキュリティ 」について
杏林学園の全教職員を対象とした、情報セキュリティ強化のための連載です。患者・学生・教職員の情報を守るため、閲覧の程よろしくお願いいたします。また、周りの教職員への周知にご協力いただければ幸いです。全記事と詳細は こちら から読むことができます。お問い合わせは総合情報センター(井の頭6232)まで。
「とりあえずパソコンのデスクトップに保存しておこう」「USBメモリに入れて持ち運べば便利だから」
このような対応を、日常業務の中で気軽に行っていないでしょうか。
大学では、学生や教職員の個人情報、入試関連情報など、病院では、患者の個人情報、診療情報など、多くの重要情報を取り扱っています。こうした情報が万が一漏えいした場合、本人への被害だけでなく、大学全体の信用失墜にもつながる可能性があります。これまで本連載でも触れていますが、改めて確認していただきたいのが、「重要情報や個人情報を端末やUSBメモリ等に保存しない」という原則です。
なぜ端末やUSBメモリへの保存が危険なのか
ノートパソコンやUSBメモリは持ち運びが容易である反面、紛失や盗難のリスクがあります。
実際に、情報漏えい事故の多くは高度なサイバー攻撃だけでなく、「USBメモリをなくした」「パソコンを置き忘れた」といった人的ミスが原因となっています。
また、学園支給端末だけでなく、個人所有のパソコンやスマートフォンにデータを保存することも注意が必要です。

個人端末では、
- セキュリティ対策が十分でない
- 家族など第三者が利用する可能性がある
- 動画視聴やゲームなど、私的な用途にも利用する
といったリスクがあり、情報漏えいの原因となる恐れがあります。

推奨する保存先はオンラインストレージ
総合情報センターでは、重要情報や個人情報の保存先として、オンラインストレージの利用を推奨しています。
例えば、
- OneDrive
- Dropbox(一部の職員を除く)
が該当します。

オンラインストレージには次のようなメリットがあります。
① 紛失リスクを低減し、バックアップとしても有効
データはクラウド上に保存されるため、パソコンやスマートフォンが故障・紛失しても、データそのものが失われる可能性を大幅に減らせます。また、誤削除が発生した場合でも、復元できる可能性が高くなります。
② 安全なアクセス管理ができる
利用者認証やアクセス権設定により、閲覧可能な人を限定できます。
③ 共同作業がしやすい
必要な相手と安全にファイル共有できるため、メール添付による情報漏えいリスクの低減にもつながります。
一度、保存場所を見直してみましょう
この機会に、ご自身が管理しているファイルを確認してください。
- パソコンのデスクトップ、「ドキュメント」フォルダ等のローカルディスクに重要情報や個人情報を保存していないか
- USBメモリ、個人端末に業務データ重要情報や個人情報を保存していないか

もし該当するファイルがある場合は、速やかに学園が推奨するオンラインストレージへ移行しましょう。
ただし、オンラインストレージは安全な保管庫ですが、使い方を誤ると情報漏えいにつながることもあります。
では、次の項ではオンラインストレージの安全な使い方を一緒に見ていきましょう。
オンラインストレージの安全な使い方 5か条
① パスワードを使い回さない
オンラインストレージの不正アクセスは、弱いパスワードや他サービスから流出した認証情報の使い回しによって発生することがあります。
- 端末にパスワードを保存しない(クラウドなどへの保存は問題ありません)
- 他サービスと同じパスワードを使用しない
- 推測されやすいパスワードを避け、長く複雑なものを設定する
ことを徹底しましょう。
② 多要素認証(MFA)を利用する
パスワードが漏えいしても、多要素認証を設定していれば第三者による不正ログインを防げる可能性が高まります。
教職員アカウントで利用可能な場合は、有効化を推奨します。

③ 共有設定は最小限にする
オンラインストレージで最も多いトラブルの一つが「共有設定ミス」です。
ファイル共有時は
- 本当に共有が必要な相手か
- 編集権限が必要か
- 閲覧のみでよいか
- 公開リンクになっていないか
を確認してください。
「必要な人だけに、必要な権限で共有する」が原則です。

④ 不審な遠隔操作やフィッシングに注意する
OneDriveやDropboxに保存していても、
- サポート詐欺で遠隔操作を許可した
- フィッシングサイトにパスワードを入力した
場合は、クラウド上のファイルにアクセスされる可能性があります。
オンラインストレージといえども万能ではありません。
「警告画面に表示された電話番号へ連絡しない」「不審なメールのリンクを開かない」といった基本的な動作を徹底することも欠かせません。

⑤ 個人情報・重要情報は慎重に取り扱う
個人情報・重要情報を保存する場合は、パスワードを設定することで、万が一情報漏えいが発生した時の影響範囲を極小化できます。また、必要がなくなった個人情報・重要情報は、こまめに(定期的に)削除をお願いします。
まとめ
オンラインストレージは、USBメモリや端末への保存と比べて情報漏えいリスクを低減できます。
しかし、安全性はサービスそのものだけでなく、利用者の適切な運用によって維持されます。重要情報はオンラインストレージに保存したうえで、多要素認証の利用や共有設定の確認を徹底しましょう。
情報セキュリティ対策は、特別な技術だけで実現するものではありません。日常の「どこに保存するか」という小さな判断が、情報漏えい防止の第一歩となります。
重要情報や個人情報は端末やUSBメモリ等の記録媒体に保存せず、可能な限りオンラインストレージを活用する。
この基本ルールを改めて確認し、安全な情報管理を心掛けましょう。
