脳神経外科概要・特色

診療科長からみなさまへ 診療科長からみなさまへ

診療科長/教授 中冨 浩文 診療科長/教授
中冨 浩文

先端的診療で地域医療に貢献します

当院は、約370万人が居住する多摩地区に位置する唯一の大学病院(本院)として高度な専門性医療を行うことが求められています。伝統的に救急医療に重きを置いてきた歴史を踏まえ、脳神経外科としても専門性を活かした先端的診療を行うと同時に、一般脳神経外科疾患や地域医療にも貢献することを目指しています。根本の理念として「誠実さ」を将来にわたり継続できる文化を構築するのが教室のミッションであると考え、本邦屈指の診療集団となるよう日々努力しています。

当診療科の特色

脳血管障害については国内の先駆けとして脳卒中センターを開設しました。脳腫瘍(良性、悪性)においても集学的治療を進め、悪性脳腫瘍は多摩地区の中心的治療センターとなっています。これに一般神経救急、小児脳神経外科疾患などを含めた領域で、患者さんの立場に立った確かな技術に基づいた安全・確実な手術を実践しています。

専門分野としては、血管外科、血管内外科、腫瘍外科(モニタリング、ナビゲーション)、内視鏡外科、放射線外科、脳腫瘍化学療法などをチームとして育成し、診療経験の集積をはかっております。脳神経外科治療の中核となる手術については、塩川自身の1000件を越える動脈瘤手術経験をもとに、更に安全性の高い手術手技の開発や若手医師への手術教育を行っており、未破裂動脈瘤では4%以下の合併症を維持しています。バイパス手術や脳動静脈奇形などの血管障害のみならず、聴神経腫瘍、下垂体腫瘍などの良性腫瘍の手術にも高い評価をいただいています。毎年の手術件数は血管障害と脳腫瘍症例を中心に400〜500件に達しています。悪性脳腫瘍では国内外施設と共同臨床試験・治験を多数手がけており、先端的治療を提供しています。

取り扱っている主な疾患

  1. 脳血管障害
    くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)、脳内出血、脳動静脈奇形、もやもや病、未破裂脳動脈瘤、慢性脳虚血疾患(主幹動脈閉塞・狭窄症)
  2. 脳腫瘍
    1) 良性腫瘍:聴神経鞘腫、下垂体腫瘍、髄膜腫
    2) 悪性腫瘍:神経膠腫、神経膠芽腫、転移性脳腫瘍、悪性リンパ腫
  3. 機能脳神経外科
    片側顔面痙攣、三叉神経痛
  4. 頭部外傷
    急性硬膜外・硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫

診療体制

<外来>
外来は、脳神経外科疾患全般を対象として月曜日から金曜日の午前・午後と土曜日の午前中に診療を行っています。 急を要する脳疾患、特に脳卒中、頭部外傷に対しては救命救急センターにて脳神経外科医が24時間即時対応する体制をとっています。

<入院>
病棟は、脳神経外科疾患全般に経験を積んだ専門医が指導医となってチームを組んで診療に当たっています。

フロアガイド

先進的な医療への取組みに
ついて

難度の高い疾患に対しては、脳への侵襲を減らすため厳重なモニタリングのもと、覚醒下手術やケミカルナビゲーションを応用したり、形成外科、耳鼻咽喉科と協力して広範囲頭蓋底切除、再建術を行ったりしています。治療困難な脳動脈瘤、脳動静脈奇形に対して集学的治療を行っているほか、脳血管内手術では新世代のコイルやステント留置術を実施しています。悪性脳腫瘍に対しては、新規治療薬の国内・国際治験や、当科が研究代表施設をしている臨床試験を含め、適応外の抗腫瘍薬を用いた先進医療B制度での臨床試験やその他の多施設共同の臨床試験をAMEDの研究班として実施しています。また腫瘍の遺伝子解析を基に個別のテーラーメード医療を指向した化学療法、更にはQOL維持を目標とした定位放射線治療を積極的に行っています。

先進的な医療への取組み

日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)

2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させて頂き、脳神経外科医療の質の評価に役立てるために協力しています。

解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。

本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、当事業実施責任者の脳神経外科 丸山啓介医師にその旨お申し出下さいますようお願い致します。その他研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、研究班ホームページ(http://jns.umin.ac.jp)をご参照下さい。

研究組織:日本脳神経外科学会データベース事業 事務局
一般社団法人日本脳神経外科学会
〒113-0033 東京都文京区本郷5-26-16 石川ビル4階

現在進行中の研究等

当科で診療を行った方を対象として、複数の研究が進行しております。詳細は以下をご覧ください。
http://plaza.umin.ac.jp/~kyorin-n/kenkyu.html