高校生新聞英語問題解答・解説
高校生新聞 5月号 英語問題の解答
さあ、何問できたかな?
(1) Taka and Toshi are ( interesting ) people. |
(2) I was ( surprised ) to see Brad Pitt there. |
(3) I find this work very ( tiring ). |
(4) Prof. Abe’s explanations were ( confusing ). |
(5) John’s exam results were ( satisfying ). |
高校生新聞 5月号 英語問題の解説

問題になっている〜ing形と〜ed形は、辞書の見出しには形容詞となっている場合が多いですが、元は、それぞれ動詞の現在分詞 (V-ing)、過去分詞 (V-en)からできています。これらの動詞は人の心に影響を与える心理動詞 (psychological verbs) と呼ばれます。 心理動詞は、大別すると2種類あり、人が主語になる like/fear のようなものと、人が目的語になる please/frighten などのようなものがあります。次の(1)と(2)は、ほぼ同じ意味を表しますが、人が主語になるか、目的語になるかの違いがあります。
(1) a. Taro likes dogs. = Dogs please Taro. (2) b. Taro fears snakes. = Snakes frighten Taro.
実は、英語の心理動詞は、人が目的語に来るものの方が多いのです。その中で、皆さんが知っていそうなものを(3)に挙げます。
(3) amaze, amuse, annoy, astonish, bore, bother, charm, comfort, concern, confuse, convince, delight, depress, disappoint, discourage, disgust, disturb, embarrass, encourage, enlighten, entertain, excite, exhaust, fascinate, frighten, frustrate, horrify, hurt, impress, inspire, interest, irritate, please, puzzle, refresh, relax, relieve, satisfy, scare, shame, shock, startle, strike, surprise, terrify, threaten, thrill, trouble, upset, worry …
どうですか? 皆さんが知っているものだけでも随分とあるでしょう。人の気持ち・感情にはいろいろなものがあることがわかりますね。他にもまだまだありますが、(3)に挙げてあるものぐらいは、意味をしっかり覚えておきましょう。 さて、(3)に挙げてある動詞は、どれも(4)の例のように、目的語に「人」がきて、主語にはその人の気持ち・心理状態を引き起こす「原因・刺激」となるものがきます。
(4) | The movie | amused | the children. |
![]() |
![]() |
![]() |
(4)の文を受身の文・受動態にすると、(5)のように、目的語の「人」が主語にきて、主語の「原因・刺激」が前置詞の後ろにきます。ここで注意しなければいけないのが、これらの動詞の受動態の後ろにつづく前置詞はbyだけではなく、動詞によっていろいろなものがきます。例えば、interested ならば in、satisfied ならば with、surprised ならば at などです。
(5) | The children | were amused by | the movie. |
![]() |
![]() |
![]() |
つまり、人を主語にして、その人の気持ちや心理状態を述べる場合は、V-en の過去分詞を使うわけです。 一方、(6a) のように、気持ちの原因や刺激となるものを主語にしてその性質や状態を叙述したり、あるいは (6b) のように、原因や刺激となるものを修飾したりするときは、V-ing の形を使います。
(6) a. | The movie | was amusing to | the children. |
![]() |
![]() |
![]() |
|
b. | an amusing | movie | |
![]() |
![]() |
まとめると、「人」の気持ちや心理状態を叙述するときは心理動詞の過去分詞〜ed形を、気持ちや心理状態を引き起こす「原因・刺激」となるものを叙述したり修飾したりするときは現在分詞の〜ing形を使えばいいのです。 そうすれば、もう問題の答えはわかりますね。 (1)は、タカアンドトシはinterest(興味・関心)を引き起こす刺激的な人々ですから、interesting people ですね。 (2)は、私がそこでブラピに会って、surprise させられたんですね。 (3)はちょっと難しいですが、動詞 find は SVOC の第5文型を取ることができる動詞です。第5文型では目的語Oと補語Cが主語・述語の関係(O=C)にあります。ですから、this work が tired か tiring なのか考えればいいわけで、人を退屈させる原因ですから答えは tiring です。 (4)は、アベ先生の説明は人を困惑させるものだったので confusing ですね。 (5)も、ジョンの試験結果が人を満足させる刺激・原因となったのですから satisfying です。 さあ、皆さんの今回の結果は satisfying でしたか? Were your results satisfying to you? Or, were you satisfied with your results? では、来月また挑戦していただけるのを楽しみにしています。
(英語学科:稲垣大輔)