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講演概要:ちょっと役立つ薬疹の知識

2013年11月12日開催:杏林大学公開講演会


杏林大学医学部 教授
塩原 哲夫(専門:皮膚科学、免疫アレルギー学)




    ○講演概要

     薬は病気の治療にとって必要なものであり、健康維持のためにも大切なものです。薬は身体への安全性をとても重視して副作用のないようにつくられていますが、まれに皮膚や内臓器官に様々な病変をもたらすことがあります。
     薬が体内に入ることによって、皮膚や粘膜に症状が出てくる病気のことを「薬疹」といいます。皮膚の症状としては赤い斑点(紅斑)や赤いぶつぶつ(紅色丘疹)がみられたり、口や鼻の粘膜にただれ、眼の病変などを起こすことがあります。また、肝臓や腎臓、血液などにも障害をもたらして全身的に症状が出現する場合もあります。
     薬疹の代表的な臨床型には、播種状紅斑丘疹型薬疹、固定薬疹、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群などがあります。特に、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群は広範囲に及ぶ紅斑や高熱、内臓諸器官の障害を伴い、生命に関わることがあるため重症薬疹として認識されています。これらの薬疹の臨床型によって、薬剤服用から症状が出現するまでの時間は異なり、数十分から数週間と幅があります。
     治療は原因となった薬を中止することが基本ですが、全身症状を伴わない軽症の薬疹ではそれだけで軽快する場合もあります。しかし、重症薬疹では副腎皮質ステロイドの内服が必要となることが多く、入院して治療することもあります。さらに、ステロイドパルス療法や血漿交換療法などを施行することがあり、この場合には長期の入院を要します。
     薬疹を疑った際には、まず、主治医に相談して皮膚科受診を検討するようにして下さい。皮膚科を受診する時には、内服している(内服していた)薬の名前と発熱や皮疹などの症状が出現した日を整理しておくことが大切です。薬疹の診断は皮疹や検査だけでなく、症状の出現と内服開始からの経過が重要となりますので、「お薬手帳」を必ずご持参ください。
     正しく医薬品を服用したにも関わらず、健康被害を受けられた方を救済するために、公的な制度があります。この制度では病院で処方された医薬品だけでなく、薬局で購入した医薬品も対象となります。ただし、医薬品によっては対象とならない場合もありますので、詳細については、下記のホームページなどを参考にして下さい。


    医薬品副作用救済制度相談窓口 0120-149-931(祝祭日除く) http://www.pmda.go.jp




    杏林大学 広報・企画調査室




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