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文明論から見た西欧(講演概要)

2014年10月30日開催:杏林大学公開講演会

杏林大学外国語学部
客員教授 上野 景文




    ○講演概要

     日本の近代化に決定的影響を与えた「西欧の文明」、その真髄についての我が国における認識は、遺憾ながら、とても低い。それは、ひとつには、「西洋文明」と言うと、我が国では、まず米国を思い描くからであろう。そこで、国内ではあまり語られることのない視点から、「西欧文明」に迫ってみよう。


     「西欧の文明」と言っても、過去と現在、未来とでは大きく異なる。そこで、西欧の全体像を掴むためには、@伝統的西欧、A現代の西欧、B未来の西欧の3相に分けて、夫々につき文明的特質を考究する必要がある(ただ、今回の講演では、時間的制約からAへの説明のみ行った)。

     そこで、現代の西欧であるが、先ず、「日本(人)が受賞・選定の対象となるか」を巡り、毎年マスコミが「過熱報道」を繰り返し、多くの国民がドキドキハラハラさせられるノーベル賞、オリンピック、世界遺産、ミシェランなどに代表される「世界的スーパーブランド認定装置」につき考えてみよう。これらは何故か全て西欧に出自がある(米国産は稀)。西欧が、「自分達の標準」を「世界標準」とすることに強いこだわりを示すことはつとに知られているが、実は、ノーベル賞やオリンピックなどは、西欧が創り上げた「世界標準」システムの典型的成功事例なのだ。

     我が国では、これらの事例をバラバラに論じることはあっても、トータルに論じる人はいない。しかし、全体像に迫らずして、文明は語れない。ここからが肝腎なところだ。目を見開いてほしい。物理学の「聖人」、棒高跳びの「聖人」、さらには、文化的、歴史的「聖地」を「認定」するという諸々の営み、どこかで見たことはないか?そう、2000年近くにわたり宗教上の「聖人」を「認定」して来たローマ法王の営みにそっくりではないか。

     もうお気づきであろう、ノーベル賞などの西欧の得意技の根っこにある発想は、バチカン型発想に他ならない。世界標準志向の強い西欧をトータルに把握するためには、ローマ法王と言う「補助線」が有効なのだ。今回の講演では、その「補助線」を示しつつ、我が国では認識が過度に低い西欧の「文明力」、「今日なお侮りがたき西欧」に迫った。

     


    2014年10月30日 杏林大学公開講演会『文明論から見た西欧
    杏林大学外国語学部
    客員教授 上野 景文



    杏林大学 広報・企画調査室




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