杏林大学病院での初期臨床研修をお考えの医学生の方は
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当院の麻酔科研修の特徴
当院では平成15年の新しい研修制度の開始以来、2か月を必修としています。この間に、約100例の麻酔を経験し、気管挿管はほぼ確実にできるようになります。毎日ミニレクチャーも行われ、呼吸・循環・体液管理などについて基礎から最先端までの知識を身につけることができます。選択研修でさらに高度の麻酔、ペインクリニックおよび集中治療についても研修できるため、人気のある研修科目のひとつです。
麻酔科2か月と救急部門4か月の研修により、研修修了時には、どのような患者に対しても適切な初期対応ができる医師に育っていきます。豊富な患者数・手術件数が充実した研修を支えています。
初期研修医の1日の流れ
■7:30〜 麻酔準備
自分が担当する症例の準備(麻酔器リークチェック等)を勉強会、カンファレンスが始まる前に済ませておきます。準備の仕方などは指導医が丁寧に教えていきます。
■[月曜日]7:30〜8:00 勉強会
毎週月曜日は30分間勉強会を行います。内容は以下のように多岐にわたり、週ごとに変えています。M&Mでは皆で活発な議論を交えながらより良い麻酔管理ができるよう検討しています。気道確保シミュレーション、輪状甲状間膜切開シミュレーションなどの緊急時の対応もできるようトレーニングを行います。
- M&M(mortality & morbidity)カンファレンス
- 小児気道確保シミュレーション
- 輪状甲状膜切開トレーニング
- 英語論文 抄読会
■[火曜〜金曜]7:45〜8:00 クルズス(ミニレクチャー)
当麻酔科研修プログラムに沿って指導医達が毎日内容を変えて行います。基礎的な内容では静脈路確保、輸液などから麻酔管理について幅広く行います。
また、末梢神経ブロックなどは実際にハンズオン形式で勉強しています。
■8:00〜8:30 カンファレンス
前日に指導医と打ち合わせをした自分の症例をプレゼンテーションし、症例のリスク、麻酔方法を検討します。
■8:30〜 麻酔導入開始
指導医と共に麻酔を行います。気道確保、ライン確保、脊髄くも膜下麻酔なども積極的に行えるように丁寧に指導していきます。麻酔管理中も常に上級医に相談できるような体制を整えていますので安全に管理・学習でします。
■11:00〜 昼食交代
麻酔科では長い症例でも必ず昼食休憩をとるように決めています。しっかり休んで、食事をとり午後に備えます。
■15:00〜 術前診察
症例の合間や交代を使って、翌日の担当症例の術前診察に向かいます。患者さんへの挨拶、診察を行います。リスク評価など不安な点もあるとは思いますが、当院では術前外来を採用しておりますので、事前にリスク評価や同意書取得は済んでいますので安心です。診察後は指導医と共に麻酔計画を立てて準備終了です。診察後は担当症例に戻りますが、長時間手術の場合には当直への引き継ぎを行います。
■18:00頃 日常業務終了
担当症例によって終了時間は異なりますが、18時頃には業務終了になります。オンオフをしっかりすることで解散後の大事な時間を有用に使えるようにしています。
当院では各研修医にマンツーマン体制で指導医がいますので、症例の振り返りや時には悩み相談なども行い、充実した研修を送れる体制を整えています。
1年目 必修2か月 研修目標
一般目標
手術室における麻酔管理を通して呼吸、循環、輸液などの全身管理および救急蘇生のための基本的知識および手技を修得することを研修目的としています。また、入院患者に対して麻酔科が実施している疼痛管理を学び、臨床医として不可欠な痛みの治療を学びます。
行動目標
以下の項目を行動目標とします。
- パルスオキシメータにより低酸素症を発見できる
- 低酸素症の原因を診断できる
- 舌根沈下の有無を判断できる
- 下顎挙上による気道確保ができる
- マスクによる用手陽圧換気ができる
- 気管挿管ができる
- 気管チューブ固定の深さおよびカフ圧を管理できる
- ベンチレータの設定(一回換気量・呼吸回数)ができる
- 吸入酸素濃度・PEEPの設定ができる
- オピオイドの作用および副作用を理解する
- NSAIDやオピオイドなどの鎮痛薬を適切に使用できる
- 観血的動脈圧測定ができる
- 末梢静脈路の確保ができる
- 吸入麻酔薬の合併症を理解する
- 筋弛緩薬の作用を理解する
- 静脈麻酔を理解する
- 脊椎麻酔の合併症を理解する
- 局所麻酔薬の作用を理解する
- 術前診察においては、手術患者が安心して手術を受ける事ができるよう患者に対し麻酔に関する 十分な説明を心がける
- 手術中は手術が円滑に進行できるように術者・看護師と十分なコミュニケーションを図る
経験目標
- 気管挿管:40例
- 観血的動脈圧測定:10例
- 脊髄くも膜下麻酔(脊椎麻酔):10例
2年目 選択研修 研修目標
一般目標
本プログラムは、研修医が希望する研修項目について、オーダーメイドで作成しています。例えば、大量出血をきたす症例の麻酔管理、小児麻酔、心臓麻酔について理解を深めたり、集中治療管理、緩和医療などを中心に研修することができます。
行動目標
研修期間:1~2か月(例えば)
- 分離肺換気の麻酔管理ができる
- 全静脈麻酔の管理ができる
- 中心静脈カテーテルの挿入ができる
- ハイリスク患者の麻酔管理ができる
研修期間:3~4か月(例えば)麻酔科標榜医を取得することを視野に入れた研修を行う。
- 硬膜外麻酔ができる
- 小児麻酔の基本技術を身につける
- 熱傷患者の麻酔管理ができる
- オピオイドによる疼痛管理ができる
経験目標 (研修医自身が指導者と相談し設定可能)
研修期間:1~2か月(例えば)
- 分離肺換気:5例
- 全静脈麻酔:5例
- 中心静脈カテーテルの挿入:5例
- ハイリスク患者の麻酔管理:5例
研修期間:3~4か月(例えば)
- 硬膜外麻酔:5例
- 小児麻酔:5例
- 熱傷患者:5例
- オピオイドによる疼痛管理:5例
研修評価
研修医としての研修評価項目について以下の3段階で自己評価するとともに指導医より評価をします。
A: 到達目標に達した B: 到達目標に近い C: 到達目標に遠い
詳細は麻酔科研修プログラムを参照してください
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