肝胆膵外科概要・特色

診療科長からみなさまへ 診療科長からみなさまへ

診療科長/教授 阪本 良弘 診療科長/教授
阪本 良弘

難度高い手術 専門医がチームで成果

2018年4月に当院に着任しました。これまでの、国立がん研究センター中央病院や東京大学医学部肝胆膵外科での15年間の経験を含めた悪性腫瘍(がん)の外科治療の豊富な執刀経験(肝切除900件、膵切除550件)を生かし、がん治療においても根治性が高く、出血量や合併症の少ない外科手術を実践しています。低悪性度の腫瘍や胆石には積極的な腹腔鏡手術を行っています。

肝胆膵がんは他の消化器がんに比較すると根治が難しく、外科手術の難易度も高いがんといわれています。当科は日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医修練施設 A判定を得ており、肝胆膵外科に特化した5名のスタッフによる手術を行い、腫瘍内科、消化器内科、放射線科など他科との連携も良好です。

当診療科の特色

  1. 進行した肝胆膵がんに対しても、術前の化学療法の導入や二期的肝切除などを導入して、積極的な切除を行っています。
  2. 大学病院にはまだ数少ない独立した腫瘍内科(化学療法担当)、胆膵を専門とし内視鏡検査などを担当する消化器内科、診断のみならず血管内カテーテル手技(IVR)を担当する放射線科、層の厚い麻酔科、豊富な経験のある病理部、心優しい看護部やパラメディカルスタッフに恵まれており、肝胆膵外科治療を行うのに適した環境にあります。 このどれが欠けても、十分な治療は不可能です。
  3. 腹腔鏡下手術、特に腹腔鏡下胆嚢摘出術に関しては、内視鏡外科学会理事・森俊幸教授が本邦を代表する安全な手術を確立しています。

取り扱っている主な疾患

肝切除や膵切除が必要となる以下の疾患です

  • 悪性疾患(がん)
    肝臓がん(転移性肝がん、肝細胞がん、肝内胆管がん)
    胆道がん(胆管がん、胆嚢がん、十二指腸乳頭部がん)
    膵臓がん(膵癌、のう胞性膵腫瘍、膵神経内分泌腫瘍)
  • 良性疾患
    胆石症
    胆嚢炎
    胆嚢ポリープ
    肝内結石
    膵石症
  • 先天性疾患
    膵・胆管合流異常
    先天性胆道拡張症

診療体制

外来は火・水・金を主体とし、主に紹介患者を受け入れます。5名のスタッフ肝胆膵外科医が、レジデント3-4名とチームを組んで、生き生きと診療に当たっています。

フロアガイド

先進的な医療への取組みに
ついて

  1. ICG蛍光法を用いた系統的な肝切除
    肝細胞癌の治療では肝臓の区域を解剖学的に正確に切除する系統的肝切除が求められます。術前にCT画像を用いてシミュレーションを重ね、術前の計画通りに肝臓の区域を切除します。ICG蛍光法を用いて肝区域や腫瘍を蛍光発色させて手術に役立てています。
  2. 術前化学療法を用いた膵がん治療
    膵がんの治療では手術のみならず化学療法と組み合わせた集学的治療が求められます。当院では化学療法を専門とする腫瘍内科と協力して治療を進めています。当初、切除が困難と判断された膵がんに対しても化学療法を用いて積極的に切除を行っています。
  3. がん治療における日本臨床腫瘍グループ(JCOG)やAMED班研究グループ、がん専門病院との強い連携を保っています。

先進的な医療への取組み

その他

研究実施に関するお知らせ