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在学生の活動

三鷹市北野ハピネスセンター見学の報告

国際医療協力専攻 久富美輔子(理学療法士)

園長の佐伯さん、熊井先生と

私は理学療法士として都内の発達障害センターで勤務しており、その経験から障害児の早期療育と療育終了後のリハビリサポートシステムに興味を持ちました。そこで今回、三鷹市における障害児の早期発見システムにおいて、療育施設として中心的な機能を果たしている北野ハピネスセンターを見学させていただきました。

ハピネスセンター(以下HS)は、27年の歴史を持ち、市内の医療機関や保健センターなど様々な機関から年間400件ほど障害児の相談があり、0歳から成人における障害児・者の療育を行なっています。施設では療育相談のほか、心理療法・言語療法・理学療法・作業療法・児童デイサービスがあり、子どもに必要な療育が提供されています。施設スタッフは館長・副館長の他、常勤スタッフとしてケースワーカー、相談員、看護師、保健師、栄養士、指導員、事務員など計41名、その他非常職スタッフとして臨床心理士、言語療法士、理学療法士、作業療法士が計14名、他に嘱託医、小児神経相談医が勤務しています。

園長の佐伯さんによると、障害の発見は1歳半健診や3歳健診などの健診と、幼稚園に入り集団生活の中で発見され相談に繋がることがほとんどとのことでした。また、障害児の相談件数はここ数年で増え、療育のニーズも高まっているとのことでした。

HS内には各訓練室の外に庭や体育館があり、個別訓練や集団での訓練など、子どもの必要に応じた訓練を提供できるようになっていました。

三鷹市では、障害児における問題を子どもだけの問題ではなく家族や環境の問題と考え、子ども家庭支援ネットワークを充実させているそうです。障害児の早期発見だけでなく、虐待防止や子育て支援など、子どもに関わる大人へのサポートも充実しており、それが当たり前に行なえているのが三鷹市です、と佐伯さんはおっしゃっていました。

今回ハピネスセンターを見学し、障害児療育に歴史のある三鷹市においても、ここ数年ニーズは高まってきていることが分かりました。また、そのニーズに応えるために早期発見から療育への紹介をスムーズに行ない、その後の教育や生活全てにおいて家庭支援センターや保健所、児童相談所、幼稚園、保育園、大学病院などが関わり、センターだけではなく地域が一体となって障害児・者をサポートしていることが分かりました。

また、リハビリのニーズに応える為に今後はHS内に継続的にリハビリが出来るような場を計画していますと、佐伯さんはおっしゃっていました。さらに今後の課題として、障害児は虐待を受けるリスクが高いため、虐待を受けた子どもに対するセラピーが出来るようなシステムを作りたいともおっしゃっていました。今尚問題になっている虐待にも目を向け、センターそのもののシステムをさらに改善しようとする話も聞くことができ、短時間ではありましたがとても有意義な見学でした。

写真)心理療法・言語療法・理学療法・作業療法など子どもに個別の訓練が出来るような環境が整っていました。


HS内訓練室:作業療法室


HS内訓練室:理学療法室

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