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修了生のメッセージ

南川真理子さん 国際医療協力専攻 2007年3月修了

JICAの感染症対策アドバイザとしてバングラデシュへ

Lab Workshop

Visiting Female Volunteer

私の大学院入学は社会人となって20年以上も経ってからでした。開発途上国の医療協力に関わるようになって、現場で必要とされていることは保健医療分野に関 する広い知識や専門技術だけではなく、必要とされる活動の立案計画、活動が円滑に進められるような管理運営、それを評価・分析し次の活動へ発展させること などの行動であることを認識しました。大学院ではそれまで関わってきた途上国の結核対策、特に検査分野に関しての研究を進めるとともに、様々な国の保健医 療の仕組みをより一層理解したり客観的な分析を行うために、医療経済学や国際疫学などを学びました。

LabTraining

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2007 年3月に大学院を修了し、現在は財団法人結核予防会に所属しながら、JICA(国際協力機構)の感染症対策アドバイザ(専門家)としてバングラデシュの首 都ダッカへ出張中です。今回の任務は結核対策を中心としながらも、寄生虫対策や予防接種事業等の感染症対策に広く関わる活動です。ここで簡単に現在の活動 を紹介します。今回の仕事は、途上国における結核対策にとっては非常に重要な柱の一つである喀痰塗抹検査の精度保証と向上を目的とした精度管理体制の強化 と、現在当国において感染症対策分野で活動しているJOCV(青年海外協力隊)の活動を中心としたJICAの感染症対策分野への支援の強化が主な任務と なっています。バングラデシュは結核患者の国別総数で比較すると世界第5位で、公衆衛生上も大きな問題として認識されており、政府も真剣にその対策に取り 組んでいます。着任後大まかな情報収集後に、まず実施したのはダッカ市内における喀痰塗抹検査に関する現状調査でした。バングラデシュの結核対策の大きな 特徴は対策の指針は政府が示し、そのモニタリングも政府が中心となって実施していますが、現場レベルにおける結核診断・治療等の医療サービス提供には多く のNGO組織が政府の医療施設・要員を補助する形や、それぞれが従来行ってきた医療活動に結核対策をプラスする形で活発に参加している点です。そのような 中でNGOと政府が連携しながら対策を進めることで、政府機関だけでは、実施が難しい細やかなサービスが提供されており、患者発見率やその治療成績は WHO(世界保健機構)の目標値に達しています。現状調査を行うことは、私自身も多くのことを学ぶ機会となり、この国ならではの問題を発見し、全体の結果 から強化が必要と思われる点が明確になり、今後はそれらに対する活動を優先した活動計画を策定しました。一方、当国における結核対策以外の感染症対策分野 ではフィラリア対策と拡大予防接種計画(EPI: Expanded Programme on Immunization)にJOCVが派遣されており、現場に根ざしたその活動は高く評価されています。今後は更に関係機関からの情報収集を行い、具体 的な支援策を検討していく予定です。

Visiting Female Volunteer

Visiting Female Volunteer

大 学院での2年間は、今まで現場での経験から学んだものを整理し、振り返ると同時に、論文をまとめることにより体系的に物事を考える良い機会となりました。 様々な経験を有する先生方やクラスメートとの交流を通じても、授業だけでは学べない多くのことを学ぶ機会ともなりました。また今は、論文の調査で訪れたタ イ国の結核レファレンス検査室の室長とバングラデシュで一緒に仕事をする偶然(必然?)にも恵まれています。

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