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大学ホーム国際協力研究科受験生の方へ修了生のメッセージ大和田泰隆さん 国際文化交流専攻2004年修了

修了生のメッセージ

大石有香さん 国際文化交流専攻2005年9月修了

杏林大学大学院で学んだこと

 日本語教師を志したのは高校生の頃でした。その後大学で日本語教育主専攻課程を修了し、国内と海外とであわせて4年間ほど日本語教師を務めました。日本語教師になり1年目は教案作成や授業をこなすことで毎日が精一杯でしたが、数年経つと少しずつ自分の授業を振り返る余裕ができ、普段の授業において、また学習者からの質問に対するとき、自分には理論の分野が足りないことを次第に感じるようになりました。特に感情形容詞の用法については学習者に説明のつかないことがたびたびありましたので、感情形容詞の用法について研究してみたいと思い、杏林大学大学院 国際協力研究科 国際文化交流専攻で学びました。

 杏林大学大学院では、自分の研究対象について深く掘り下げることができました。それは普段から、また論文執筆に行き詰まったときも、研究科の先生方にご意見を仰ぐことができたこと、そして、国内にとどまらず海外での教師経験もある仲間達と所属ゼミを越えて意見を交わすことができたからです。

 また、杏林大学大学院の特徴としては、自分の専攻以外の授業も履修できることがあります。私は大学院修了後はまた海外に渡航する予定がありましたので、自分の所属外の国際医療協力専攻の授業で海外の地域別にどのような疾病や感染症があるのか、それらから身を守るための予防策などを学びましたが、それは大学院修了後、思いがけず役立つこととなりました。ある時、来日して間もない熱帯地域出身の知り合いの外国人が高熱を出し、自宅近所の病院で治療を受けましたが、一向に病状が良くなりません。その時授業で感染症について学んだことを思い出し、その方の症状から、もしや熱帯地域特有の感染症ではないかとの考えが浮かびました。そこで授業で使った先生お手製の教科書を引っ張り出し、熱帯地域特有の感染症を治療できる医療機関を確認し、その機関で診察してもらったところ、やはりその方は感染症にかかっており、無事適切な治療を受けることができたという出来事がありました。病状がよくならないことでは慌てましたが、授業で学んでいたことが適切な治療を受けられたことにつながり、先生には感謝しております。学んだことが想定外のところで役立ったわけですが、日本語教育に関わっていれば誰でも直面する可能性がある出来事でした。

 現在、日本語教師という職業は待遇が低いにも関わらず、離職率が極めて低い職業です。それだけやりがいのある仕事です。そして国内では政策として留学生受入れ30万人計画が打出され、また少子高齢化という状況から外国人受入れも進められ、海外だけでなく国内でもますます日本語教師の需要が高まっています。これからも日本語教師を続けていこうとお考えの方には、杏林大学大学院で日本語教師の腕にますます磨きをかけていただき、今後ますますプロフェッショナルの日本語教師が増えればと思います。

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