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修了生のメッセージ

孫偉さん 博士後期課程 2007年9月修了

日中対照のテンスとアスペクトの研究

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孫偉さん

私は2007年9月に博士後期課程を修了した中国の留学生で 孫 偉 と申します。

1992年の9月に来日してから数えますと、すでに15年も経ちました。この15年間の在日生活を回顧しますと、感無量の一言に尽きます。

私 は当初、日本語学校で日本語を学び、専門学校で旅行関係の専門知識を学んで、中国に帰る予定でした。しかし、勉強すればするほど、自分の日本に対する理 解、それから日本語の能力が不足していることを痛感しました。そのため、日本語と日本語教育などの研究が盛んになっている杏林大学に入学し、さらに勉強を 続けようと決意しました。

学部から博士後期課程を修了するまでに、金田一秀穂先生をはじめとする日本語教育学や国際文化交流の諸先生、特に修士課程からお世話になっている恩師、今泉喜一先生にご指導をいただきながら、私は日本語の奥深さと面白さを知り、言語の研究方法も身につけてきました。

私 は修士課程から、日中両言語の対照研究を通じて、中国語におけるテンスとアスペクトの体系を明らかにしようと思っていました。これまで7年余りの研究、と くに「構造研究法」(今泉先生の著書を参照)に出会ってから、より明晰に日中両国語の文法構造を把握できるようになりました。そして博士論文で最終的に、 中国語のテンスとアスペクト体系は「語法表現(動態助詞)を基本とし、語彙表現(時間名詞と時間副詞)が語法表現を補完する」構造をなしている、と結論を 下すところまで研究を前進させました。また、日本語と中国語との表現関係についても、時間表現における両言語の「ズレ」という問題を解明できました。

同時に、日常生活においても、日本人との多様な触れ合いから、私は言葉だけでなく、言葉を通じて両国民がどのように文化交流を拡大すべきかを検討し、民間の範囲ではありながらも理解を深めたような気がしています。

日本への留学は、私の人生における最も貴重な経験であり、この留学において計り知れないほど様々な知識をいただきました。

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