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トロントより その4

2011年7月13日 19:35

 

 おはようございます。北島です。

トロントに来て5日目になります。今日が学術大会の最終日です。

時差ぼけが解消しつつあるのですが、明日帰国しなくてはならないので少し残念です。

 

 今回の学術大会では、3日間でだいたい3000の研究発表が行われます。医療経済学は、人々の健康について経済学的視点から分析するのですが、人々の健康は様々な要因に影響をされますので、その研究対象もかなり多岐にわたります。また、その時代や学術大会が開催される地域によって、取り上げられるテーマも異なります。医療費、医療保険制度、医療提供者の行動、人材育成、経済評価など、定番といえるテーマに関する研究発表は多いのですが、今回は、要介護高齢者のケアシステム、家族が提供するケアに関するセッションが増えたと思いました。また、糖尿病、高血圧、脳血管疾患、がん、肥満など、いわゆる生活習慣病の対策に関する発表の数も以前に比べて多い様に感じました。

 

 日本の医療制度に関するセッションがあったので参加してみました。日本人の健康水準は世界でトップレベルだが、医療費は世界水準からするとそれほど高いわけではない、なぜか?また、日本の経験から他の国は何を学べるのか?といったことがテーマでした。国民皆保険体制、結核を中心とした感染症対策、脳卒中対策などが戦後の日本人の平均寿命の延伸に大きく貢献したことが、データで示されていました。日本人の成人男性の喫煙率は40%程度と、先進国の中では高い方なので、喫煙率を下げることができれば、健康水準はさらに上がる可能性があるということでした。

 

 たばこと言えば、トロントに来て驚いたのは、パブ(日本でいう居酒屋でしょうか)も禁煙になっていることでした。たばこを吸わない者にとっては、たばこの煙を気にせずに食事をし、お酒を飲むことができるはとてもありがたいことです。日本では神奈川県が頑張っているようですが、波及していって欲しいものです。

 

 写真は、学術大会の会場があるシェラトンホテルの地下にあるベーグル屋さんです。アジア系の老夫婦(だと思います)が、やっているお店で、とても笑顔が素敵なご主人がサンドイッチを作ってくれます。私がハワイ大学の公衆衛生大学院にいるときにお世話になった日系二世の先生に雰囲気が似ていて、懐かしく思い、朝ご飯はここで食べています。

 

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