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シンガポール観光実習 (平成16年)

外国語の実力を発揮できる旅行業務を学ぶため、国際観光関連科目の一環に「インターンシップ観光実習」があります。今年は国内ではJALスカイ東京、帝国ホテル、JR東日本などで、国外ではシンガポールでインターンシップを体験しました。参加した学生の声を紹介します。

佐藤 郁(杏林大学外国語学部3年)

「帝国ホテルインターンシップに参加して」

8月下旬、私の挑戦が始まりました。企業実習を通してホスピタリティを学びたい、就業意識を高めたい、そんなごく普通の考えがありました。
実習先の帝国ホテルに関して、あらかじめ大学の講義で勉強していましたが、実際にホテル現場を訪問できたことは何よりの理解につながったと感じています。

帝国ホテルを紹介する雑誌に「温故知新」という言葉がありました。それは故きを訪ね新しきを知るということ。
私は就職活動にあたり、なぜその企業の歴史や理念を知っておかなければならないのかということに疑問を抱いていました。
歴史を知って何の意味があるのだろうと思っていたのですが、今回の研修でいろいろな方のお話を聞き、その意味が理解できたように思います。
会社を知るということはその会社の歴史を知るということであり、その歴史を知ることでそこにある理念やビジョンを知ることができるのだということが分かりました。
帝国ホテルの社員一人ひとりが会社の歴史認識を共有し、経営理念を理解しているからこそ、「さすが帝国ホテル運動」の行動方針をしっかり実践することができるのだということも理解しました。
だからこそ、私たち学生にとって、就職先企業の理念と歴史に共感することができるかどうかがとても大切であり、就職活動にあたっては相手企業の歴史と経営理念についてしっかり把握すべきであるということに気づくことができました。
一週間という期間は事前予想を超えて内容の濃いものでした。帝国ホテル側のご好意で、私たちは多くの方からお話を聞くことができ、また帝国ホテルという会社を自分の肌で感じ、この目に焼きつけることができました。
ホスピタリティという言葉の意味は、「親切なおもてなし」。昔も今も常に変らぬ「親切な心のおもてなし」で人に接する帝国ホテル社員の皆さんを通して、そのことを強く実感することができました。

また、この期間は実習先へ約2時間かけて通ったため、朝の通勤ラッシュを味わうなど印象深い体験となりました。
思いのほか体力を要するもので、貧血を起こしてしまったこともあり、責任をもって行動することの大切さを味わいました。
「働く」とは社会に出ることであり、私たちは自立するために社会に出るのだと考えます。そして社員の方々を通して、誇りと自信をもって働くことの大切さも知りました。
これからどんな形であれ、自分の納得できるカタチになるよう努めていきたいと思います。言葉ではすべてをうまく伝えきれないのですが、今回、このような実習に参加できたことをとても嬉しく思います。
そして、このような機会を提供していただいた帝国ホテルの方々とお世話になった先生方に心より感謝いたします。

出山 未佳(杏林大学外国語学部3年)

「シンガポールの観光実習で学んだこと」

昨年12月に友人と訪れてからシンガポールの魅力にとらわれてしまっていたのだが、2回目となる今回の旅は、前回とは異なった目的意識を持って充実した時間を過ごすことができるだろうと思い参加しました。
異なった目的意識とは、前回はシンガポールを、観光客として体験し満喫することでしたが、今回はツーリズムを学ぶ学生として、この国の観光産業を外面だけではなく内面にも重点を置いて学ぼうというものでした。これは旅行では経験できない、良い機会だと思った。

シンガポールは島の隅々を観光として楽しめる、観光産業で成り立っている国である。ホテルやレストラン、乗り物、レジャーが充実していて大変賑やかであるが、それぞれの概要を実際に体験したり、話を聞いたりして学ぶことができた。

ホテルインスペクションでは5つのホテルを訪問したが、中でも印象に残っているのは私が事前調査を行ったSHANGURI‐LAであった。
地上の楽園と言われるに相応しい景色や空間が広がっていて見ているだけで満足できたし、日本人客が安心して宿泊できるような心配りや、部屋も他のホテルにはない工夫が多くあるなど、客を引きつける魅力が充分にあると思った。私もいつか泊まってみたい。

Pan Pacificでは、ハウスキーピングの仕組みや宴会場の裏など普段見ることのできないホテルの裏側を見ることができた。
そこには表の華やかなイメージとは正反対の緊張感が漂う雰囲気があった。誕生日は休暇がとれる・歯科医院の費用を負担してくれるなど従業員に対する保障は従業員満足となりそれが顧客満足へと繋がるというこの仕組みも、ホテルとしてうまく機能していく上で必要なことだろうと思った。

SHATECの見学では、同世代の人たちがホテル業やツーリズムについて学ぶ姿がとても刺激になった。
昼食は彼らが料理してくれたものを頂き、彼らのサービスを受けたのだが、体調が悪かった私の為に料理を一部変えて提供してくれたことにとても感動した。ここは他にある立派なレストランと何一つ変わらないところであった。

DFS GALLERIA では、コンセプトやビジネス戦略、今後のチャレンジなどを丁寧に教えてくださった。
ただ買い物をして終わるのではなく、そこにいる間にも「見る」「食べる」「遊ぶ」「買う」という観光の要素を取り入れた一つの観光スポットであるということを教えられた。

今回の実習の中で、家庭訪問ができたことも良かった。観光とは直接関係はないが、この国の生活や文化を見ることができる良い経験であった。

訪問先のスーロンさん宅では家族、子供の教育、仕事のことなど家庭訪問でなければ聞けないようなことを丁寧に話してくださり、さらには私たちのために丹精込めて手料理を作ってくださった。この国は観光もすばらしいが人も優しく親切で明るいという良いイメージを得られたことがとても嬉しかった。

実習中は一日添乗員補佐をやらせていただいた。添乗員の仕事は時間を気にしたり、参加者の安全を常に頭に入れながら行動するため、緊張感を持って仕事をすることの大変さを知った。

鳥尾先生は今回の実習で時空価値について何度も言われていたが、最初は時空価値など気にせずに過ごしていた。けれど、3日目の朝に何気なく部屋の窓から見えるシンガポールの景色を見たとき、そのすばらしさに驚き、それだけでも充分に良い時間を過ごせたような気がした。何気ないこの瞬間こそ旅の醍醐味なのであろう。

シンガポールは領土が狭く簡単に島内を行き来でき、また多くの人種がうまく共存している。移動時間を取らずに島全体を観光し、いろんな文化や言葉、生活に出会えることはこの国のすばらしいところだろう。
これらのことを生かして観光立国として成功を収め、さらにホテル業やツーリズムの発展にもつながり現在に至ったのではないだろうか。

今回この実習に参加して、観光を発展させるためには観光資源となるものを作っていくのも大切だが、その国や土地をうまく生かしていくことのほうが成功に繋がるのではないかと思った。
私は日本のインバウンド・ツーリズムについて研究しているが、今回学んだことをきっかけにさらなる進歩を得られるように頑張っていこうと思う。
今回大変お世話になった先生方、京王観光の方に心から感謝します。( 2004.10.29)

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