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シンガポール観光実習 平成17年

外国語学部教授 岩ア公生


〈マーライオンと
フラトン・ホテル〉

今年で4回目を迎えたシンガポール観光実習は、9月4日より11日にかけてシンガポールとインドネシア領ビンタン島にて28名の学生参加のもと実施された。観光先進国シンガポールではホテル、レジャー・スポットなど観光インフラを見学体験し、同時にアジアン・ホスピタリティを学ぶことを狙いとした。
ここ1〜2年、シンガポールではホテル間の施設改修競争が激化しており、一方で香港ディズニーランド開業の対抗策として、2009年までにカジノを市内マリーナ地区とセントサ島の2ヶ所にオープンさせる予定である。市の新しいシンボルであるオペラハウスをすでに誕生させたシンガポールは、今後観光レジャーの面でもアジアにおける一大観光拠点として発展を目指そうとしている。
ビンタン島はシンガポールから高速フェリーでわずか45分の近距離にあり、インドネシアの元スハルト大統領がバリ島に次ぐ第2の観光リゾートとして、シンガポール資本の協力のもと開発した島である。

ホテル見学研修

シンガポールにはオーチャード通りとマリーナ地区を中心に、世界の高級ホテルチェーンが進出し軒を連ねている。宿泊利用したホテル・パンパシフィックはマリーナ地区にあって、現在当地で唯一の日系ホテル(東急電鉄系)である。
バックスペースを含めた館内見学のあと、ファンクション・ルームにてホテルの営業マネジャーよりホテル運営について講義を受けた。見学は他にシャングリラ、メリタス・マンダリン、コンラッド、グランド・メルキュールで実施した。

ホテルカレッジSHATEC研修


〈SHATECでのテーブル
・マナー講義〉

SHATECには大別してホテル業コース、レストラン業コース、旅行業コースがあり、学校内には各種キッチン設備、レストラン、バー、ベッドルーム、パントリー、ワインなどの貯蔵庫を備えている。
カレッジ生たちは座学と実践をとおして即戦力人材を目指している。見学とテーブル・マナー講義のあとSHATECが運営するホテルSHAVILLAでフルコース・ランチを取り、テーブル・マナーを実践した。
ここでは調理とサービスのすべてをSHATECの学生たち自身が行っている。階上では40の客室を運営しており食後に見学を実施した。

食文化体験


〈Mt.フェーバーでスチーム・
ボートをエンジョイ〉

最終日の昼を除き全食つきであり、昼と夜に毎回趣を変えてグルメ体験を実施した。
シンガポール風中国料理、インド料理、モンゴル料理、インドネシア料理を堪能した。とくに寄せ鍋風スチーム・ボートは学生たちに好評であった。シンガポールはNYで人気のフュージョン料理の本場であり、ニュートン・サーカスのホーカーズ・センター(オープンエアの屋台村)では中国料理とマレー料理が融合したプラナカン料理を楽しんだ。
最終日午後の自主研修時間には、4人のグループ単位でアフタヌーン・ティとシンガポール式ハイ・ティ(ハイ・ティはアフタヌーン・ティと比べ食事比重が大きい)をラッフルズ・ホテル、コンラッド・ホテル、フラトン・ホテル(2001年開業の6つ星ホテル)の3ヶ所で体験した。

ネイチャー・ツーリズム体験

2日目、日曜日にシンガポールの最高峰ブキティマ山にトレッキングを行った。標高170メートルしかないが、海抜0メートルに近いところから登るので一気に登頂はできない。
樹齢200年を優に越すと見られる大木が密生しており、野生の小型サルが生息している。日本の淡路島くらいの面積しかないシンガポールにとって、貴重な自然林である。
シンガポール北西にサファリパークがあり、ここには日本の動物園では見られない動物が放し飼いになっており、学生たちのほとんどが自主研修時間を利用して見学を行った。

ソーシャル・マナーの習得


〈ビンタン・ラグーンリゾート〉

出発前、参加学生に対し事前研修を2回実施し、ホテルやレストランでのマナーなど一通りのソーシャル・マナーを授講したが、現地での実践度は80点というところでまずまずの出来であった。
シンガポールの高級ホテルではレストランやロビーラウンジの利用にあたり、ドレス・コード(装いの基準)を設けている。多くの場合シティ・リゾートにふさわしい"スマート・カジュアル"という装いを求めているが、学生たちはその意味を理解できるまでになった。

参加学生の声

シンガポール観光実習に参加して
外国語学科6セメスター 篠田愛

アジアのビジネスの中心地であり、もっとも成功している観光地でもあるシンガポールで観光実習ができるということで、観光を勉強している自分に何かプラスになるのではないかと思って参加を決意した。
観光実習中はただ観光地に行くのではなく、ゼミで古本先生がいつもおっしゃっているように常に何事にも疑問をもって物事を見るように心がけた。さらには、日本の生活では得られないことを、たくさん吸収して帰ってこようと思い、多くのものに目を向けるようにした。
滞在したホテルや実習で見学して回ったいくつものホテル、観光・ホテル専門学校のSHATECを通じてさまざまなことを学んだ。
特に、ホスピタリティに満ち溢れたプロのサービスや、私たちと同年代の学生が実際にホテルで働いている姿を見ることで、たくさんの刺激をうけた。
しかし実習中は観光に関することだけでなく、人間関係について学ぶところも多かった。実習は常に団体行動であったため、リーダーシップとは何かについて考え、規律を守ることがいかに大切であるかを改めて認識できる貴重な経験もした。こうした経験を自分の将来に役立ててゆきたい。
この実習を通じて、同じ観光を専門に勉強する仲間と8日間を過ごしお互い意識を高めることができ、大学の講義を受けるだけでは得られないたくさんのものが得られたと思う。
最後にお世話になった岩崎先生、古本先生、倉林先生、京王観光の在津さんには言葉にあらわせないほど、感謝しています。

シンガポール観光研修について
外国語学科6セメスター 木村友哉

今回の研修で自分は「はっ!とする瞬間=感動」を見つけようと考えていました。五感で感じ、それが感動となることこそ経験価値になると思ったからです。
ホテルインスペクションなど様々な研修の中で自分は、その「はっ!」とする瞬間をシンガポールの特徴である多国籍文化の中に感じ、ひとつの国で多くの文化が体験できることが、シンガポールでの感動であり、価値なのではないかと、自分なりに答えを見つけることができました。
また、仲間と行動を共にすることにより、先生方をはじめ、添乗員の在津さん、ガイドのジャックさん2、3年生の学生と交流をもてるので、色々な話をしたり聞いたりでき、世界観を広げることができました。研修に携った全ての方々に感謝いたします。
自分の目で見て、肌で感じたことが価値となる、物質ではなく空間を扱うツーリズムインダストリーにおいて最も大切なことは『経験』のほかにありません。実際に教室ではなく現地で行われるシンガポール観光研修では、身の回りで起こることすべてが生の情報、経験として自分の知識となる、最高の機会となりました。

シンガポール観光実習に参加して
外国語学科4セメスター 横山寿子

このインターンシップに参加して、私は今改めて良かったと感じている。2年間の学生生活の中でこんなにも考え、こんなにも苦悩した日々はなかった。同じ夢を持った仲間と刺激し合い、シンガポールのホスピタリティ精神溢れる人々と触れ合いあっという間の1週間であった。
最も印象深かったのは、SHATEC研修である。SHATECとは、私達と同世代の若者がホテルマネージメントや観光業を勉強する学校で、そこに通っている学生全員が何らかの形で旅行業に携わろうとしている。学生の目は真剣そのもので、本気で打ち込んでいる姿が目に見えてわかった。
SHATECではいくつかのコースに分かれていて、2年間将来の為の知識を身につけ、残りの1年間実際企業で働くというシステムがとられている。生徒自ら料理のメニューを考えたり、パーティーを計画したり、マーケティングの勉強など実践的なカリキュラムが行われている。
こんなにも身のある勉強ができて少しうらやましい点もあったが、私達と同じ立場にいる学生達が頑張っている姿を見て、うかうかしていられないと考えさせられた場所でもあった。
そしてもう1つ、案内してくださったSHATECの先生が素晴らしかったのを覚えている。私達にわかりやすいようにゆっくり英語を話してくださり、笑顔も絶やすことはなかった。これぞ真のホスピタリティ精神であり、私達日本人が見習うべきことではないだろうか。
シンガポール全体に言える事だが、人々は笑顔と活気に溢れており、とても暖かい心を持っている。そして何より一人一人がしっかりとした考えを持って人と接していた。
この実習は、将来観光業に就きたい学生にはとても良い経験であった。観光が盛んなシンガポールだからこそ、ここまで充実した日々が送れたのだろう。これからの人生において一生の宝である。帰国して、日本とシンガポールを比較すると今まで感じられなかったいろいろなことが見えてきた。良いところも悪いところも知ってこそ本当の姿が見えてくるものである。シンガポールは何か惹きつけられるようなものがある国であった。

2005.10.4

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