1. 杏林大学トップ
  2. 留学・国際交流
  3. 海外研修について
  4. オックスフォード英語研修引率記 平成18年

オックスフォード英語研修引率記 平成18年

外国語学部教授 稲垣 大輔

平成18年度オックスフォード英語研修が8月20日から9月12日に行われ、外国語学部生25人、総合政策学部生1人のあわせて26人が参加しました。本年度は昨年度までと異なり、事前研修として、オックスフォードと八王子キャンパスをインターネット回線でつなぎ、現地研修実施団体CIE(College of International Education Oxford)のジョン・ハドソン氏によって、高木眞佐子助教授、岩本和良講師、倉林秀男講師のアシスタントのもと、各90分合計4回にわたる遠隔授業が行われました。

8月20日午前10時30分、成田空港集合。UTS国際教育センターからの添乗員は、研修生の先輩である外国語学部4期生の永原聡氏。頼もしい限りです。ロンドンヒースロー空港へ無事到着。テロ未遂事件直後とあって厳戒態勢が布かれているかと思いきや、空港内は至って平穏。ほっと胸を撫で下ろしました。楠家重敏教授とCIEのスタッフに出迎えていただき、バスでオックスフォード大学内のLady Margaret Hallへ。長旅と時差から疲れを見せていた研修生達も、遠隔授業で顔見知りのハドソン先生に会うと、笑顔がこぼれました。その後、各ホストファミリーへ。

翌朝、オックスフォードでの研修生活の開始。ホストファミリーに付き添われて、あるいは独りでバスに乗り、中心地City Centerへ。楠家教授、永原氏と私が周辺のバス停に分かれ案内しましたが、異国の地での新生活初日とあって、学生達の表情は緊張からこわばっていました。CIEから研修場所のWadham Collegeへ皆で移動。City Centerから徒歩10分ぐらいのところです。オックスフォード大学の各カレッジは町の中に散在しますが、一旦カレッジの中に入ってしまうと、街の喧騒からは隔離され、否が応でも勉強する気になります。

初日は、翌日からのGeneral English Lessonsのためのプレースメントテストと、午後のPrivate Lessonsのチューターと面会。学生2名に1人のチューターが付き、きめ細かな指導が行われます。午後は、バス停、銀行、集合場所等、オックスフォードで生活を行うための主要箇所を案内するツアー。さながら、若い団体観光客が街中を練り歩く様相は、大学町オックスフォードでは日常風景の趣でしょうか。

ほぼ3週間に及ぶ研修の日程は、土日を除き毎日、9:15〜10:30 General English Lessons, 11:00〜11:50 Themed Conversation, 11:50〜12:30 Project Work, 14:00〜16:15 Private Lessons。General English LessonsとPrivate Lessonsでは英語によるコミュニケーション能力が養われます。Themed Conversationのテーマは、イギリスの歴史・政治・宗教・教育制度・マスコミ・家庭生活・住宅事情から、実践的な履歴書の書き方・就職面接・ビジネスにおける電話のかけ方まで、多岐に亘っています。Project Workでは、6グループに分かれ、各グループでテーマを決めて調査・研究をしました。

週末や週中の午後には、様々なアクティビティが行われました。中世の趣が残るWarwick Castle、シェークスピアの生誕地であるStratford upon Avon、レガッタで有名なHenley on Themes、チャーチル故首相の生まれ育ったBlenheim Palaceなどを訪れ、研修の合間にイングランドの名所旧跡を楽しみ、きっと学生達の思い出のアルバムは厚みをましたはずです。
オックスフォード大学内の名所も散策しました。Christ Church College、Natural History Museum、Pitt Rivers Museum。中でもBodleian Libraryのツアーの前には、外国語学部の卒業生で、世界屈指の図書館の観光部門で今年の2月から働きはじめたMio Murphy(旧姓、嶋崎深緒)さんに励ましのことばをいただき、学生達は世界で活躍する先輩に羨望の眼を注ぎながら、自分もいつかはという期待から質問を浴びせていました。

最終週には、杏林大学の研修生がホストとなって、感謝パーティーを開きました。CIEのスタッフやホストファミリー総勢40名を招待しました。会場近くの教会のキッチンを借りて、生姜焼き、肉じゃが、焼きうどん、おにぎり、味噌汁などの日本食作りに精を出し、研修中の感謝の気持ちを表しました。会場を「和」をキーワードにした書で飾ったり、研修生を代表して3名が「日本での大学生生活」「オックスフォードの印象」「ホストファミリーでの体験」について英語で立派にスピーチし、涙を浮かべながらの抱擁の一場面もありました。僅かながらでも、英国民が日本人という民族に対して抱く印象を好ましいものにする一助を果たせたのではないかと思います。

オックスフォード最終日の9月8日には、レセプションを受けたのと同じLady Margaret Hallで、Project Workのプレゼンテーションと修了証の授与が行われました。6つの各班が自分達で決めて調査・研究を行ったテーマについて、模造紙にまとめた資料を見せながら、CIEのティーチングスタッフの前で発表しました。たどたどしい英語もありましたが、発表内容は創意工夫がなされており、よく短期間で調べ上げたと好評を博しました。修了証はCIEの校長から研修生一人一人に質問をしながら手渡され、短期間ながらも研修の成果をかみ締めることが出来たのではと察します。

ロンドン大学Imperial Collegeの寮で2泊して、最後のロンドン観光を楽しんだ後、9月11日、ヒースロー空港を発ち、翌12日、成田に無事到着しました。空港内のテレビスクリーンには9.11の5周年記念番組が映し出され、機内への持込規制や靴まで脱がされる身体チェックがありましたが、イギリス最後の買物と食事を楽しむ学生達を目にしたとき、途中体調も崩さず全員皆勤で授業に参加し、大した事故も起こさず研修を終えてひと回り逞しくなった学生達に、大きな拍手を送りたいと心密かに感じていました。

2006.10.11

杏林大学について

入試ガイド

就職・キャリア

留学・国際交流

キャンパスライフ・施設

キャンパス案内

各センター・施設

研究・社会活動

PAGE TOP