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教授
千野 万里子
(CHINO, Mariko)

経歴

共立女子大学国際文化学部卒業
共立女子大学大学院比較文化研究科修士課程修了
千葉商科大学・津田塾会(警視庁委託北京語研修)非常勤講師

2003年10月 杏林大学外国語学部助手
2005年10月 杏林大学外国語学部専任講師
2011年 4月 杏林大学外国語学部准教授
2016年 3月 杏林大学大学院国際協力研究科 博士(学術)

先生の専門は何ですか?

中国語の語彙や文法について,特に,清代に書かれた文学作品『紅楼夢』『儒林外史』を資料として研究を続けています。『紅楼夢』と『儒林外史』はそれぞれ18世紀中ごろの北京一帯の中国語,南京一帯の中国語で書かれたとされていて,両作品には当時の南北の中国語が写し取られています。これらを調査・比較することで,南北中国語の違いを知ることができ,さらにこれらを現代中国語と比較することで現代中国語(共通語)がどのように発展してきたのか,現代中国語とはどのようなことばであるのかについても理解することができます。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

大学卒業後に中国の南京に留学しました。南京で話されている方言は共通語の基礎となっている北方方言に属してはいますが,発音はもちろんのこと,語彙にも違いが見られ,ことばの地域間に見られる相違に興味を持つようになりました。帰国後,大学院へ進学しましたが,留学時代の疑問がそのまま研究テーマとなり,現在では現代中国語と清代の作品『紅楼夢』『儒林外史』で用いられている言語を比較しながら,中国語の時代ごとの変化や地域間における違いについて考えています。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

中国語に限らず外国語を勉強していると,文法的には合っていても「そのようには言わない」といったことがよくあります。「そうは言わない」理由について,現代語の視点から説明を試みた文法書や参考書もありますが,中国語を歴史的に見ることで簡単に解決するものも実はたくさんあります。普段,自分で中国語を勉強したり,授業の準備をする中で疑問に思っていたことが,研究を続ける中でなんとなく解決してしまうということもあって,少し古い時代のことばを研究する面白味といえます。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

中国語の授業を多く担当していますが,授業では発音や文法をしっかり教えるだけではなく,中国語の歴史や中国語と同じように漢字を用いる日本語との関係といった内容についても時間が許す限り話をするようにしています。中国語の習得とは直接関係がないように見えますが,中国語が現在の姿になるまでの過程をたどっていくことで,中国語への理解がより深まります。授業を受ける中で,一つの事象だけではなく,その周辺の要素にも目を向けて多方面から総合的に物事をとらえていく力が養われることを期待しています。

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