准教授
倉林 秀男
(KURABAYASHI, Hideo)

経歴
1999年 杏林大学外国語学部英米語学科卒業
2001年 獨協大学大学院外国語学研究科英語学専攻博士前期課程修了(修士:英語文化研究)
2003年 The University of Newcastle, Australia 修士課程修了(応用言語学専攻:Master of Applied Linguistics)
2005年 獨協大学大学院外国語学研究科英語学専攻博士後期課程単位取得退学(2018.03 博士(英語学))
秋草学園高等学校、西武学園文理高等学校、川口市立芝東中学校、足立学園中学・高等学校非常勤講師を経て
2005年4月 杏林大学外国語学部専任講師
2009年4月 杏林大学外国語学部准教授(現在)

先生の専門は何ですか?

私の専門は<ことば>にかかわること全般です。一般的には言語学の分野ですが、特に英語で書かれた小説の<ことば>やヒットソングの<歌詞>がどのような意味を持っているのか、どんなメッセージを伝えているのかなどを考えたりしています。最近は言語学の観点からアイドルグループの歌詞を分析し、テレビでも取り上げてもらいました。

また、日本と海外の駅や飛行場の案内掲示を比較する論文を書いたりしています。なぜ、日本の駅では日本語以外に英語や中国語、韓国語が書かれているのでしょうか?観光客のためにでしょうか?海外で観光客の多い都市では多言語では表記されていません。どうしてなのでしょか?こうした日本と海外の事例を比較して考えることで、いろんなことが見えてきます。その国の人たちの考え方も知ることができるかもしれないと思いながら研究をしています。

アイドルグループの歌詞も飛行場の案内掲示も全て<ことば>に関係したことで、この<ことば>の使われ方、使い方にとても興味があり、<ことば>の研究をしています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

小説を読んでいて面白いと感じたり、気分が落ち込んだときに好きな歌手の曲を聴いて励まされたりすることがあります。自分の発言で相手を傷つけたり、笑顔にさせたりすることができます。それから「オレオレ詐欺」に引っかかってしまう人もいます。これら全て<ことば>が人の心に働きかけているのです。私たちは<ことば>に感動し、<ことば>に傷つき、<ことば>でだまされるのです。小説は文字しか書かれていないのに、心が動かされます。そこで、「どうして、私は小説を読むと面白いと感じるんだろう」、「そうだ、きっと言葉について勉強すれば何かわかるのでは」と大学3年生の時に思ったのがきっかけとなり、言語学の勉強を深めることが始まりました。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

英語の授業では、単語や構文をやみくもに暗記することや4択問題をどれだけ早く、正確に解けるようになる、ということは教えません。「こういう状況ならどんな表現がふさわしいのか」、「相手に自分の意図を正確に伝えるにはどんな表現を使えばいいのか」というところから始め、適切な英語表現について考えてもらいます。これは私が実際に英語を使いながら学んできた方法でもありますし、私の専門の言語学的な観点からも有効な手段だと考えています。自分で考えて実際に使った表現は記憶に長く定着しますし、無理矢理覚えた単語は一瞬にして忘れてしまいます。わたしはむしろ前者の方が大変だけれど結果として効率のよい学習法だと思っています。

また、言語学に関する授業では、AKBやジャニーズの方々の歌詞、サンドウィッチマンのコントなどを例に出しながら<ことば>について深く、真面目に考えることが、かなり面白いことだということを伝えています。

他にもいくつか授業を担当していますが、作家の井上ひさし氏の言葉が私の全ての授業のもとになっています。

「むずかしいことを やさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」ということを念頭に授業を進めています。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

私自身、杏林大学外国語学部の卒業生として少しでも皆さんの力になりたいと思い、試行錯誤をしながら授業をしています。私が考える「学ぶ」とは、答えのない問題に果敢に挑戦することができるような思考力を身につけることだと思っています。大学で学ぶことは就職するための勉強や資格や検定試験のための勉強ではありません。もちろん、そういう勉強も短期的な視点からみれば必要かもしれません。ですが、この先長い自分の人生を幸せで豊にするには「教養」が必要であり、考える力も必要となります。こうして身につけた教養や考える力、物事を疑ったり正確に判断する力は一生役に立つはずです。

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