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講師
三牧 史奈
(MIMAKI, shiina)

経歴
2011年 熊本県立大学文学部英語英米文学科卒業
2013年 熊本県立大学大学院文学研究科英語英米文学専攻博士前期課程修了
2020年 熊本県立大学大学院文学研究科英語英米文学専攻博士後期課程修了
2013年 熊本県立熊本高等学校講師
2017年 専修学校熊本外語専門学校専任講師
2020年 九州ルーテル学院大学兼任講師
2021年 杏林大学外国語学部英語学科専任講師(~現在)

先生の専門は何ですか?

第二次世界大戦が終結した1945年以降のアメリカの社会、政治、経済、文化、思想がどのように発展していき、また、これらが当時のアメリカ社会に生きる人々の心理にどのような影響を与えたのかという問題を考えながら、アメリカの文学作品を読み直すことを中心に研究を進めています。

なぜ、その専門に興味を持ったのですか?

私は1988年に生まれたのですが、物心ついた頃の1990年代の日本には、冷戦期アメリカで広く普及していた大衆文化が大量に流入してきていたように思います。私は幼い頃はディズニーアニメーションをたくさん見て育ったし、巷ではマクドナルドやKFCなどのファーストフード店で食事をすることがとても流行していました。毎週末になるとテレビではよくハリウッドの名作映画が放送されていて、いつもとても楽しみにしていたことをよく覚えています。しかし、実際は、きらびやかに作り飾られた「豊かなアメリカ」の商業的イメージからは想像できないほど複雑な問題を、アメリカ社会はその内側に数多く抱え込んでいたのです。当時のアメリカ社会に生きる人々にとっては、冷戦期はまさに波乱万丈の時期であったのではないかと私は思います。大学に入り、アメリカの文学作品を読むことによってこの真実を知り、私はとても衝撃を受けました。そして、私自身が幼少期からずっと慣れ親しんできた(と勝手に思っていた)アメリカの真の姿を知りたいと思い、アメリカ文化・文学研究に興味を持ち始めました。

先生の専門分野の「こんなところが面白い」を教えてください。

アメリカ人は、建国当初から自由、平等、民主主義の信念を深く重んじながら、歴史的に見ればかなり短期のスパンでとてつもなく広大な土地を開拓し一つの国家を確立させてきたという点で、強靭な精神を備えていた人々であると思います。西欧中心主義の伝統的社会では叶えられなかった自由、平等、民主主義が実現できる希望に満ちたあふれた国であるとして、アメリカは自国の信念の正当性を世界に対して明確に主張し続ける必要があったのです。アメリカの作家達は「アメリカ的意味や価値」とは一体どのようなものかについて常に熱心に向き合ってきたように思います。アメリカ文学作品の世界観は、この自己探求に対して絶えず注がれ続けるエネルギーで満ちているように感じます。急速に変化する社会の中でアメリカ人としての自我意識もまた変化しながら、時には修正され、時には拒絶されたりしてきました。時代とともに栄枯盛衰するアメリカの自我意識ですが、その可能性や限界にひた向きに挑み続けるアメリカ文学に対して、興味関心が尽きることはありません。

大学で専門的に学ぶことでどんな未来が?

大学での学びには、これまでの経験には無い新しさがあると言えます。それは、「今までに出会ったことのない自分自身に出会える」ということです。大学ではこれまで以上に専門的なことを勉強したり、より高度なスキルを身に付けたりできるのはもちろんですが、授業の中で自分以外の他者と相互に関わりあうことを通して、自分の独自性を発見することができます。自分らしいユニークな発想や、自分だけが気付けた問題点や、自分にしかできないインパクトのある伝え方などを発見することができる、このように、今までずっと気がつくことのなかった自分の個性にハッとする瞬間が大学にはたくさんあります。クラスメイトや先生方とのインタラクションを通じて、大学においては、様々な自分の姿を探求することに意識を向けていってほしいと感じます。そして、皆さんのオリジナリティをより多くの人々、世界中の人々に発信していけるようになってほしいと思います。もしかしたら、皆さんがふと考え付いたことが、世界で最も新しいアイデアとして誰よりも高く評価されるようになるかもしれません。そして、皆さんがもたらした世紀の大発見は、これからの未来を大きく変えるかもしれません。

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