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  4. 平成19年度 事業報告書

平成19年度 事業報告書

1.法人の概要

(1) 学校法人の沿革

三鷹キャンパスの地に、昭和41年に臨床検査技師を養成する杏林学園短期大学を設立したのに始まる。昭和45年に医療における人間性の回復を唱えて、良き臨床医育成を理念とする杏林大学医学部を創設、同時に医学部付属病院を開院した。その後、昭和54年、八王子キャンパスに保健学部を設立し、さらに同キャンパスに昭和59年社会科学部(現在の総合政策学部)を、昭和63年外国語学部を開設するまでに発展した。その間、医学研究科、保健学研究科、国際協力研究科を相次いで併設し、現在、3研究科・4学部・1専門学校を有している。

昭和41年 学校法人杏林学園寄附行為設置認可、杏林学園短期大学設置認可
昭和41年4月 杏林学園短期大学開設
昭和45年4月 杏林大学医学部(医学科)開設
昭和45年8月 杏林大学医学部付属病院開院
昭和47年4月 杏林大学付属高等看護学校開設
昭和51年4月

杏林大学大学院医学研究科博士課程(生理系専攻、病理系専攻、社会医学系専攻、内科系専攻、外科系専攻)開設

昭和52年9月 杏林大学付属高等看護学校を杏林大学付属看護専門学校に名称変更
昭和54年4月 杏林大学保健学部(臨床検査技術学科、保健学科)開設
昭和54年6月 杏林大学付属看護専門学校を杏林大学医学部付属看護専門学校に名称変更
昭和54年10月 杏林大学医学部付属病院救命救急センター設置
昭和57年2月 杏林短期大学廃止認可
昭和59年4月 杏林大学社会科学部(社会科学科)開設

杏林大学大学院保健学研究科博士前期課程(保健学専攻)開設

昭和61年4月 杏林大学大学院保健学研究科博士後期課程(保健学専攻)開設
昭和63年4月 杏林大学外国語学部(英米語学科、中国語学科、日本語学科)開設、杏林大学別科日本語研修課程開設
平成5年4月 杏林大学大学院国際協力研究科博士前期課程(国際開発専攻、国際文化交流専攻)開設
平成6年4月 杏林大学保健学部(看護学科)開設
平成7年4月 杏林大学大学院国際協力研究科博士後期課程(開発問題専攻)開設
平成13年4月 杏林大学外国語学部(外国語学科)開設
平成14年4月 杏林大学社会科学部社会科学科を総合政策学部総合政策学科に名称変更
杏林大学国際交流センター設置
杏林大学別科日本語研修課程を杏林大学国際交流センター付属別科日本語研修課程へ組織変更
平成16年4月 杏林大学大学院国際協力研究科博士前期課程(国際医療協力専攻)開設
平成17年4月 杏林大学外国語学部中国語学科廃止
平成18年4月 杏林大学外国語学部英米語学科・日本語学科廃止
杏林大学保健学部(臨床工学科)、杏林大学総合政策学部(企業経営学科)、杏林大学外国語学部(英語学科・東アジア言語学科・応用コミュニケーション学科)開設
平成19年4月 杏林大学保健学部保健学科を健康福祉学科に名称変更、杏林大学保健学部(救急救命学科)開設
平成20年3月 杏林大学国際交流センター付属別科日本語研修課程廃止

(2) 設置する学校・学部・学科等

学校名 研究科 課程
杏林大学大学院 医学研究科 博士
保健学研究科 修士(前期)、博士(後期)
国際協力研究科 修士(前期)、博士(後期)
学校名 学部 学科
杏林大学 医学部 医学科
保健学部

臨床検査技術学科、保健学科、
看護学科、※2臨床工学科、※3救急救命学科、※3健康福祉学科

総合政策学部
※1 社会科学部
総合政策学科、※2 企業経営学科
社会科学科
外国語学部 外国語学科、※2 英語学科、※2 東アジア言語学科、※2 応用コミュニケーション学科
※4別科日本語研修課程
  • ※1平成14年度より名称変更(社会科⇒総合政策)
  • ※2平成18年度学科改組(臨床工、企業経営、外国語⇒英語・東アジア言語・応用コミュニケーション)
  • ※3平成19年度学科改組(救急救命)、名称変更(保健⇒健康福祉)
  • ※4平成20年3月廃止
学校名 課程
杏林大学医学部付属看護専門学校 看護専門課程

(3) 当該学校・学部・学科等の入学定員、学生数の状況

平成19年5月1日現在

学校名 研 究 科 課   程 入学定員 学生数(内留学生)
[1]杏林大学大学院 医学研究科 博士課程 34 66(7)
 保健学研究科 修士課程 7 12(0)
博士課程 4 4(0)
 国際協力研究科 修士課程 80 101(67)
博士課程 12 24(9)
学 校 名 学   部 学   科 入学定員 学生数(内留学生)
[2]杏林大学 医学部 医学科 90 558(0)
 保健学部  臨床検査技術学科 80 343(0)
保健学科 - 233(0)
健康福祉学科 40 48(0)
看護学科 80 369(1)
臨床工学科 40 98(0)
救急救命学科 40 49(0)
 総合政策学部 総合政策学科 180 1,234(85)
企業経営学科 120 211(24)
社会科学部 社会科学科 - 3(0)
 外国語学部 外国語学科 - 785(161)
英語学科 110 230(1)
東アジア言語学科 70 85(16)
応用コミュニケーション学科 110 229(15)
 別科日本語研修課程 80 6(6)
学  校  名 課  程 入学定員 学生数(内留学生)
[3]杏林大学医学部付属看護専門学校 看護専門課程 100 308(0)
入学定員・学生数合計【[1]+[2]+[3]】 1,277 4,997(392)
  • 注1保健学部保健学科、臨床検査技術学科、看護学科では2年次及び3年次に編入学定員を設定
    (保健学科及び臨床検査技術学科はそれぞれ2年次6名、3年次4名、看護学科は2年次2名、3年次8名)
  • 注2総合政策学部及び外国語学部はそれぞれ3年次に編入学定員を設定
    (総合政策学科10名、企業経営学科5名、英語学科5名、東アジア言語学科13名、応用コミュニケーション学科5名)

(4) 役員・教職員の概要

[1] 役員

平成20年3月31日現在

役職 氏名 現職
理事長 松田 博青 学園長
理事 長澤 俊彦 大学長
理事 跡見 裕 大学医学部長
理事 大瀧 純一 大学保健学部長
理事 笈川 博一 大学社会科学部・総合政策学部長
理事 鳥 尾  克 ニ 大学外国語学部長
理事 東原 英二 大学教授(病院長)
理事 丘島 晴雄 大学教授(保健学部教務部長)
理事 馬田 啓一 大学教授(社会科学部・総合政策学部教務部長)
理事 赤井 孝雄 大学教授(外国語学部教務部長)
理事 井戸 和男 天理大学教授・(財)学生サポートセンター常務理事
理事 小塩 節 フェリス女学院理事長・中央大学名誉教授
理事 鈴木 武夫 鶴岡学園理事長・北海道文教大学学長
理事 辻岡 昭 慶應義塾大学名誉教授
理事 松田 剛明 大学講師(医学部)

平成20年3月31日現在

役職 氏名 現職
監事 戸田 修三 元日本私立学校振興・共済事業団理事長
監事 則定 衛  弁護士・元東京高等検察庁検事長・元法務事務次官

[2] 教職員

※ 教 員 総 数 本務教員  572名  兼務教員 412名
※ 職 員 総 数 本務職員 1,785名  兼務職員 237名

平成19年5月1日現在

区  分 法人本部 杏 林 大 学 医 学 部
付属病院
看護専門学校
医学部 保健学部 総合政策学部 外国語学部
教 員 本務 - 368 114 32 42 - 16
兼務 - 231 26 47 88 - 20
職 員 本務 61 67 59 1,594 4
兼務 9 4 9 215 0
合計人数 70 670 417 1,809 40
  • 注1法人本部の本務職員には外部への出向者23名、兼務職員には外部への出向者1名を含む。
  • 注2医学部の兼務職員には外部からの出向受入者1名を含む。
  • 注3付属病院の兼務職員には医員、レジデント145名を含む。
  • 注4八王子キャンパス(保健・総合・外国語)の職員は合同事務体制のため合算とした。
  • 注5総合政策学部の兼務教員には大学院国際協力研究科の17名(客員教授、非常勤講師)を含む。

2.事業の概要

−学園の課題−
平成19年度において杏林学園が取り組まなければならない課題の第1は、ここ数年にわたって続いていた帰属収支差額での支出超過(赤字)を解消して財政の健全性を取り戻すことであり、第2は少子化の波を受けてここ数年続いていた大学の入学志願者の減少傾向に歯止めを掛けることであった。さらに第3の課題としては社会の要求に応えられる教育を構築するための大学改革の推進があげられた。
このうち財政健全化の取り組みでは、特に学園財政の2/3近くを占める付属病院は,各診療科に原価計算方式を導入して収入の増加を図ったほか経費の削減に精力的に取り組み、また大学部門でも事務局が中心になって経費の削減に取り組んだ。この結果18年度に引き続いて収支が大きく改善され、7年ぶりに黒字化を達成した。
一方大学の入学志願者の増加を図る取り組みは、当初の事業計画には盛り込まれていなかったが、年度のはじめに急遽重点事項として取り組みを始めたものである。取り組みでは、これまでは入学センターが中心になってすすめてきた志願者募集業務を、各学部、大学事務局が一体となって取り組む体制を整え、新聞や交通機関における広告、オープンキャンパス、高校訪問等の活動を強化し推進した。
この結果、平成19年度における志願者は前年度比10%の増加を達成し、ここ数年続いていた減少傾向に歯止めをかけたにとどまらず、志願者増をもたらすことができた。
また大学改革では、教員のFDを推進するために教員の評価制度を導入したのをはじめ、学生サイドにたった授業時間割を編成するために教員の登校日数増を図った。さらに夏休みの期間短縮も実現した。このほか 平成17年12月の「中長期計画」で提言された「IT環境の整備」や八王子キャンパスのアメニティの向上など学生の学習環境の改善に力を注いだ。
このように平成19年度の重点課題として取り組んできた事項はいずれもかなりの前進を見たが、中でも財政の黒字化と志願者増を達成したことは大きな成果であった。
もちろん財政の健全化と大学志願者増は、この1年限りの現象に終わらせること無く今後さらに定着させる努力を続けなければならないが、これらの成果は学園職員の士気を高め、今後への展望を大きく切り開いていく意欲を高めるきっかけとなったといえる。

1)重点事業

(1)IT環境の整備(継続)

<1>事務部門IT化の更なる推進・改善

平成18年度から取り組んでいる新履修登録システム、教務・学生関係システム(GAKUENシステム)は、平成19年度には八王子キャンパスの全学生を対象に導入することができた。これにより、八王子キャンパス在校生全員がウェブ上での履修登録が可能になり、履修登録だけでなく、連動する就職支援システムや、授業支援システム、学生生活支援システム等、入学時から卒業・就職まで一貫した学生データの管理を行なうことが可能となり、個々の学生に見合ったキメ細かな指導が出来るようになった。三鷹キャンパスの医学部への導入や、本システムと連携した入試システムの導入は、平成20年度に予定している。

<2>ITリテラシー教育及び授業のIT利用促進

八王子で導入したCRVシステム(杏林で開発した携帯電話を授業に利用したシステム)は、試行期間が終了し本格導入され、授業中に実施するリアル・タイムでのアンケート、学習効果を見る小テスト、簡便な出席管理などに利用されている。
また、三鷹キャンパスの医学部には、本格的なコンピューター・ルームを設置し、一学年全員が同時に利用することが可能になり、コンピューターを使う全国共通評価試験などに活用された。

<3>キャンパス内無線LANシステムの拡大

キャンパス内無線LAN使用可能施設を、E棟校舎に加え平成19年度は図書館、ガーデン丘(第3食堂)に拡充した。あわせて、大学のメールシステムを、マイクロソフトのウェブメール Windows Liveへの移行を開始した。これにより学生や職員はインターネット環境があれば何処からでもアクセスすることが可能になった。また大量のスパムメールを受けてシステムがダウンするなどの不具合もなくなる。平成20年度中には全面移行の予定。

<4>図書館におけるオンラインサービスの強化と推進

平成19年度は、昨年度導入した学術情報データベースシステムについて、契約していなくても利用できる電子ジャーナルへのナビゲーションを充実させる等、電子ジャーナルナビゲーションを強化した。また、リテラシー教育としての講習会も開催し、オンラインサービスの推進を図った。

(2)主な施設設備の整備

<1>新外科病棟完成

平成19年7月に竣工、8月から運用が開始された。これにより中央手術室との連絡がスムーズに行えるようになったほか大きな手術後には1階のICUで専門スタッフが術後管理を集中的に行えるようになった。

<2>既設病棟の施設設備の改修・整備の実施

第二病棟の非常用発電機増設及び救命救急センターの無停電装置更新・非常用発電機設備については、機器の耐用等を再検討しながら実施することとし、まず第二病棟の非常用発電機の更新を優先し、平成20年度の実施に向け補助金申請も行なう予定です。救命救急センターの無停電装置更新・非常用発電機整備についてはその後に対応を予定。

<3>校舎改修・整備実施

三鷹キャンパス講義棟地下にある吸収式冷凍機(第2病棟、第3病棟、大学施設、本部棟の空調用)の更新は、エネルギー効率のよいターボ冷却機への切り替えも含めて検討中。八王子キャンパスG棟空調機新設及び各棟省エネ対策工事実施については、現在のところ機器の稼働状況を見ながら順次実施することにし、平成19年度は実施を見送った。

(3)八王子キャンパスのアメニティ向上(継続)

平成18年度に引き続き「アメニティ検討委員会」を中心にして八王子キャンパスのアメニティ向上に取り組んだ。平成19年度は、「H棟跡地整備部会」を追加して10部会から提出されたプランを協議し、(1)図書館の整備、(2)八王子宿泊施設の改修、(3)体育館ロッカー・シャワールームの改修、(4)学生の憩いの広場の整備、(5)学生アルバイトの新規雇用創出、(6)多摩バス拝島方面雨間経由ルートの新設、および平成20年4月からの八王子方面について創価大経由の廃止とバス料金の引き下げを実現した。平成20年度が3年計画の最終年度となる。

2)各部門の事業

《大 学》
大学部門における平成19年度の課題は、学園の課題で触れたようにここ数年続いている入学志願者の減少傾向に歯止めをかけ増加を達成することであり、教育・学習環境の改善を進め教育の充実を図ることであったが、それだけにとどまらず社会からの要請に応えるために保健学部における救急救命学科の開設、看護学科の三鷹キャンパスへの移転と大学院保健学研究科の看護学専攻設置を決定して準備にはいるなど、時代の要請に合わせるための教育組織改変についても力を注ぎ実行した。
また平成19年度は、特に真の教育力を高めるための準備に取り掛かった杏林教育の改革元年と位置づけられるといっても過言ではない年度でもあった。
取り組んだ内容は、他大学の高等教育専門家を招いてのFD、SD講演会の開催はもとより、専任教員の他大学への兼職の制限(八王子キャンパス)、週4日以上の出校日制設定(文系学部)の決定などで、これらの改革を通じて本学の学生を大事に教育していくという教職員の意識を従前にも増して強めることになった。

A.医学部

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)長期的視野に立って教養講座と基礎医学講座の改善・充実をはかる目的で、「生命科学・基礎医学講座検討委員会」を設置した。今年度は本学における教職員の実情ならびに他大学(医科系)のスタッフ数の調査、学内でのアンケート調査などを行ったが、来年度も検討を継続していくこととなった。

(2)授業内容・方法の改善のため、原則として学内講師以上を対象に学生による授業評価(全8項目、5段階評価)を平成17年度から実施している。この結果に基づき、今年度も引き続き「Teacher of the year 2007」の表彰を行った。また、評価結果は教室主任より各教員へフィードバックされ、次年度に向けた改善に資することとした。調査用紙回収率の低下がみられるため、来年度は学生からの回収方法を検討する。

(3)今年度は、客観的臨床能力試験(OSCE)に関して、「救急」の課題を追加し7課題とした。全ての課題で医療系大学間共用試験実施評価機構が認定する医学系OSCE評価者がいる状態となった。学内ではOSCEワークショップを実施した。また、プレチュートリアルのチューター養成ワークショップ、東京女子医科大学の教員及び学生を招いてチュートリアルのチューター養成ワークショップを開催するなど、チュートリアル教育の充実を図った。

(4)平成16年度に開始されたカリキュラム改定計画に基づき、第4学年に統合カリキュラムを導入した。今年度で、第3学年から2年間かけて行われる統合カリキュラムによる教育体制が確立した。平成21年度はM6の臨床総合演習を系統講義様式の授業に変更することで、統合カリキュラムの成果をさらに定着させる方向での教育が行われる予定である。 また、英語力を充実する目的で第3学年、第4学年における医学英語を必修とし、英文論文の読解力を高めるなどを目的とした教育体制を整備した。

(5)教授要目に教育目標、到達目標を掲載した。各科目はこの教育目標に基いたカリキュラムを組むこととなり、医学部としての教育の方向性が明確となった。また、学生は教授要目を参照することにより、計画的な学習が可能となった。

B.保健学部

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)この数年保健学部受験生が減少し、偏差値においても低下傾向にあり、平成19年度の一般入試においては、受験生3,000名を割る結果となった。そのため平成20年度入試においては、低下傾向に歯止めをかけることを最優先課題とし、入試科目と入試日程を見直すことにした。入試科目は受験生がわかりやすいように範囲を明確にし、入試日程は保健学部各学科間の掛け持ち受験生を考慮し、同一学科2回受験可能なように各学科2日の日程で行うこととし、実施した。その結果、平成20年2月の一般入試では受験生3,000名を越え、減少傾向に歯止めがかかったと考えられた。また、受験生の多様化に伴い、高校で履修済みの数学、物理、化学、生物の科目を不得意とする学生も見受けられるため、1年生前期に数学、物理、化学、生物の補習授業を行った。これは新入生に非常に好評で、基礎固めに十分役に立った。

(2)健康福祉学 科においては、養護教員志望の学生がほとんどであるが、学科の基盤強化を考える上で、新たに取得可能な資格を考慮することは重要である。さまざまな資格を検討したが、現状で取得可能な資格は絞りきれず、次年度も継続して検討することにした。

(3)ゆとり教育を受けた学生が新入生として入学してくると共に、さまざまな悩みを持つ学生も多くなっている。心理上の悩みは心理相談室で行っているが、学生生活、履修などについての悩みは、クラス担任が行っている。クラス担任は学科により多少異なるが、学生50名に1名の割合で担当してもらっていたが、担任の面接も多くなったため、学生25名に1名の担任を配置し、よりきめ細かな対応をする事にし、実施した。

(4)八王子キャンパスのある八王子市とは、市民と大学との連携を深めるため、「いちょう塾」を始め、さまざまな活動が行われている。その中にあって、地元の霞小学校、霞中学校に対する学生ボランティア活動を実施したが、学校からの評価も高く、次年度以降も継続していきたい。

(5)保健学部の研究においては、さまざまな大学との共同研究も行われた。平成19年度の実績および状況を踏まえ、平成20年度に向けて12件の共同研究を申請予定である。

(6)国家試験は合格率100%を目指しているが、ともすると途中で挫折する学生も見受けられるそれらの学生が出ないよう、看護学科では平成19年度に一つの試みとして、助教の先生を中心に学生を小グループに分け、学生一人一人の進み具合を把握し、悩みを聞きながら行う方策を実施した。学生には概ね好感を持って受け入れられたが、看護師国家試験において1名の不合格者を出してしまった。次年度はこの試みを徹底し、学生一人一人が余裕を持って試験に臨めるよう、早めに準備に取りかかりたい。また、他の学科の国家試験対策もこのような方策を検討したい。

C.総合政策学部

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)一年次教育の充実
一年次教育は平成18年度より開始したが、「社会のしくみ」「近現代史論」は履修者数が多く、静謐な授業環境の維持や欠席者管理等の面で、講義担当者の能力を上回る問題があり、また「計算力演習」は、SPI(能力適正検査)対策として実施しているものの、就職への関心がまだ薄い学生には、その必要性が必ずしも十分に受け止められていないような例も存在した。一方、「読解力演習」「文章力演習」は、全教員による1クラス10人前後の少人数教育を実施し、文章の理解・作成能力の向上と学生の生活指導を行っているが、クラス毎の教育内容・シベルの不統一性などの面で、成績評価基準にばらつきがあり、その対策を実施する必要が存在するため、教育上の重点計画として初年時教育の改善と推進を図ることとした。
「社会のしくみ」「近現代史論」は、あらかじめ推薦入試合格者を対象とした入学前の集中授業にも取り入れることにより、入学前教育の強化とともに入学後の履修者の分散効果を狙い、ほぼ所期の効果を得た。「計算力演習」については、入学時から所謂「出口」を意識した情報提供を積極的に実施することで、就職への関心を喚起しうるが、この点はキャリアサポートセンターの努力によるところが少なくなかったが、1人の教員が全てのクラスを担当している現状の改善も必要と思われる。一方、「読解力演習」「文章力演習」については、学部独自に作成した統一教材の使用を開始し、統一評価基準も制定して全クラスにおいて実施した。ただし、こうした文章能力の指導とクラス指導機能の混在は、逆に教育効果を減少させる側面もあるため、今後この両機能の分離をはかることも考えたい。

(2)公務員試験準備、資格試験科目の充実
警察官などの公務員試験対策を念頭に置いた指導を強化し、平成19年度は警視庁警察官採用試験の合格者3名を出した。また、昨年度より開始した日商簿記試験の本校開催は、受験者数、合格者数とも増加傾向がみられ、今後一層推進する予定であるが、こうした資格試験への対応をさらに拡大していくためにも、対象とする資格ならびに資格試験の再検討を実施する必要がある。

(3)ゼミ指導の推進
従来、ゼミは3年次より開始していたが、在学期間全体を通じたゼミ指導をめざし、2年生から始めることとした。入ゼミ率は多少向上したが、少数ではあるがいまだゼミに入らない学生が存在しており、その対策として、非ゼミ生対象のゼミ担当教員による特別指導を実施することとし、実質的には全ての学生がゼミ担当教員の指導下に入った。

(4)入試プロジェクト
野口プロジェクトに即して学部の態勢を整えた。平成19年度に認められた学部運営費はその大部分をPRに使用し、学部独自の車内広告を初めて行ったが、入学センターのPR手段との相乗効果が出たものと思われ、特にセンター試験での応募者増加が見られた。教員の積極的な入試広報活動参加は、結果として、昨年比10%の受験者数増加に結びついたと評価しうる。

初年時教育の強化は、上級学年における教育の効果的浸透に利するのみならず、中途退学者減少も期待しうるものであり、今後一層推進する必要があるが、その内容に応じて、国語科の高校退職教員等の導入を検討するなど、斬新かつ効果的な計画を実施していくことにより、専任教員の能力を直接学生指導等に集中させ、より的確な教育が行えるよう、2年後の完成年度以後を意識したカリキュラム改正の準備に着手することが、今後の課題である。

D.外国語学部

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)入試プロジェクト
学園入試プロジェクトを重点事業計画として位置づけ、その円滑かつ効果的実施に学部として取り組み、あわせて、平成17年度より強化中の入試広報活動の一環として、学部パンフレットとHPの改善、高校生新聞への出稿継続等により、入試プロジェクトの相乗効果を高めることの計画に基づき取り組んできた。
学園入試広報プロジェクトへの学部としての積極的取り組みと、学部独自の広報活動が相俟って志願者増という一定の成果を得られたと考えるが、平成19年度だけでなく、次年度も引き続き取り組む重点事業である。

(2)教員評価制度の導入
教員評価制度の導入に伴い、学科・コース・委員会運営の目標管理と事業計画化を本格実施に移す。これにより学科・コースの不断の教育改革に資すことを目指した。
この結果、事業計画の立案、期中見直し、事業報告のプロセスを通して学科・コース・委員会の取り組むべき課題が明確となり、それが各部署での活動の活性化につながったと考える。一方で、学科・コース・委員会の事業計画化だけでは、教員の活動の全てを把握することは困難であり、特に教員個人の活動を把握するシステムを構築し評価に結びつける必要がある。これは次年度取り組むべき課題と考える。

(3)カリキュラムの見直
昨年度に引き続き、設定された各コースの教育目標の実現に向けて授業科目の教育内容と体系化(シラバスとカリキュラム)の整備を更に徹底し、各教員の教育技術向上を目指した研究会等により学部全体のFD推進に努めることとし、この計画に基づきカリキュラムの見直しを行い、一部改正した新カリキュラムを平成20年度より導入することになった。FD活動についても、学部内研究会「Academia」を学期中月一回開催し、研究発表と教育力向上の場とした。

(4)基盤教育の充実
PEP(英語)、CIC(中国語)、キャリア指導、ホスピタリティ教育を一層充実し、インターンシップ研修とともに基盤教育の定着を図る。あわせて、一年次教育の強化に本格的に取り組む計画に対し、外国語運用能力のさらなる充実のため、「英語演習」などの新規科目を平成20年度より設置することとなった。また、就業意識の涵養と初年次教育の両方を目指した「キャリア指導」については、その教育目標をより明確にするため、初年次教育に特化した「基礎演習」を新たに導入することで基盤教育の充実を図ることとした。

(5)社会との連携
留学、インターンシップ、地域貢献制度を充実させると同時に、教員の研究業績の社会的発信促進によって社会との連携を着実に行ってきた。
海外留学・研修については、特に英語圏における研修先をアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドに拡大し充実を図った。地域貢献については、学園の企画する公開講座、地域交流フォーラム等への参加、八王子市などの企画するフォーラムやイベントへの参加、さらに小学校での英語教育の実施などのボランティア活動、シンポジウム・学会の開催などを通して社会との連携を進めてきた。しかしながら、インターンシップについては、当初の目標が十分達成できたとは言い難い。特に、研修先の開拓、サポート体制の整備などについては平成20年度も引き続き取り組むべき課題である。

(6)その他 別科日本語研修課程の廃止にともない、それに代わるものとして学部に「高度日本語研修プログラム」を設置し、委託留学生を受け入れた。 学部創設20周年事業として、記念論文集と記念誌の発行、記念シンポジウム開催などを行った。

E.医学研究科

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)研究計画書ならびに研究進捗状況報告書の提出および単位認定を合わせ大学院として学生の学習進行情況の把握などが可能な体制が整備された。また、研究報告会を開催し、論文提出予定者への助言・指導を行うなど、学位申請論文の質の向上を図るための活動を開始した。カリキュラムの検討を重ね、平成20年度から、専攻共通科目である基礎臨床共通講義の充実化を実施に移すこととなった。

(2)従来合冊となっていた大学院募集要項と大学院要項をそれぞれ独立したものとした。大学院要項には「学生便覧」および「シラバス」が含まれている。なお、シラバスは平成18年度版を基に内容の充実を図った。

(3)平成20年1月19日(土)に学長、研究科長他40名の教員の参加を得て医学研究科としては初のFDを実施した。大学院教育の問題点を明らかにし対策案等について活発に意見交換することができた。平成20年度も引続きFDの実施を計画している。

(4)「共同研究施設の在り方検討委員会」を設置した。平成20年度にも検討を継続し、大学院教育環境の改善の一環として、院生の研究環境の整備に関して具体案の提示を行いたい。

F.保健学研究科

医療・看護・保健・福祉の分野における近年の急速な学問の高度化、および大学院教育に対する社会の多彩な要求に応えられる研究科とするため、前年度から再編も視野にいれた保健学研究科のあり方を検討してきた。その上で、平成19年度事業計画を設定した。

【【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)看護学専攻設置
医学の急速な進歩に伴う看護技術の高度化、多様化、在宅養護者の増加など近年の複雑な看護ニーズに的確に応えていくには、看護分野における実践能力や総合的な調整能力を有する人材の養成が急務である。また医療事故が多発する昨今、医療安全管理の在り方について十分な教育を受けた看護実践者の養成が強く求められている状況にある。
このような社会の強い要請に応えるため、保健学研究科博士前期課程では、保健学専攻から看護学領域を「看護学専攻」として独立させ、社会的にもその養成が急務と考えられる「がん看護」に関する専門看護師の養成、医療安全管理に関する現場での指導者養成、急速な高齢化社会において地域での総合的な調整能力を有する看護師の養成をめざすことを目的とし、平成20年度から募集を開始するという設置計画を作成した。
これら設置の趣旨を達成するため、看護学専攻を「看護ケアマネジメント分野」と「地域保健看護分野」の2つの専門分野に分け、具体的な教育目標のうち、「がん看護」の専門看護師の養成及び医療安全管理の専門家の養成は「看護ケアマネジメント分野」が、地域・高齢者看護に関する専門家の養成は「地域保健看護分野」がそれぞれ受け持つ体制を整備した。
この計画は3月の理事会・評議員会で承認され、4月に文科省に届出をし、6月に受理が確定した。直ちにホームページやオープンキャンパスなどを通じ学生募集に向けた広報活動を開始し、履修規程の改正も行った。その結果、平成20年4月入学の第1期生は5名確保することができた。

(2)保健学専攻の再編
保健学専攻についても、昨今の社会のニーズに応えることのできる専攻のあり方を検討してきた。その結果、保健学部の学士課程の教育をさらに継続して発展させることのできる教育体制を 確立することが、後述する大学院における高度専門職業人の養成という目的を達成するために効果的であること、そのためには専門分野の名称も学士課程との一貫性を図ったものとするのがよいということになった。
そこで看護を除いた4学科(臨床検査技術学科、健康福祉学科、臨床工学科、及び救急救命学科)を基礎とした4分野、すなわち臨床検査・生命科学分野、保健・福祉科学分野、臨床工学分野および救急救命学分野に再編することになった。
さらに、教育課程の改革として各分野の授業科目の大幅な見直しをし、特に博士前期課程においては授業科目を、高度専門職業人養成を強く意識した4群に分類した。すなわち(1)基幹科目:この分野の一般的な知識の整理、知識の更新を目的としたもの。(2)高度専門職業人養成科目:高度専門職業人教育として新たに設ける科目であり、最新の技術や実験方法の修得を目的としたもの。(3)ジャーナルクラブ:それぞれの領域における最先端の研究を積極的に学び、国際社会のニーズに応えることのできる高度専門職業人や研究者の育成を図るため、英文雑誌を中心とした国際的な一流雑誌を読破する演習科目。(4)演習科目:上記(1)(2)で得た知識を演習でより確かなものとするためのものである。
この専門分野および授業科目の再編計画は3月の理事会・評議員会で承認され、直ちにホームページやオープンキャンパスなどを通じ学生募集に向けた広報活動を開始し、また必要な履修規程の改定も行った。その結果、博士前期課程保健学専攻の平成20年4月入学生は前期課程が9名、後期課程が3名と、近年にない多くの学生を確保することができた。

(3)教育目標の設定
保健学研究科では、従来から求められる人材養成機能として、博士前期課程では高度専門職業人の養成、後期課程では創造性豊かな研究者の養成および教育と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成を目標としてきたが、学則等に明記されていなかった。
今回、杏林大学大学院学則を改正し、第4条の2の3項に「保健学研究科は保健、医療、看護及び福祉の専門分野において、広い視野と豊かな学識を有し、専門性の高い業務を遂行する人材、並びに研究能力を有する人材を養成することを目的とする。」とはっきり謳うと共に、大学院の説明会でも学生や教員に周知させてきた。さらに、大学院要綱やホームページにおいて各専攻および各専門分野の目指す教育方針を公開し、上記のごとく高度専門職業人養成科目の設定など授業科目にも反映させることができ、教員及び学生に教育目標を周知徹底することができたと考えている。
平成19年度に予定された事業計画は、おおむね達成することができ、多くの学生を集めることができた。今後残された課題としては、実施された授業科目等の内容が、教育目標に見合ったものであったかを確認する方策を検討し、それを実施していく。

G.国際協力研究科

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)国際協力研究科内に新たに広報委員会を立ち上げ、入試広報体制を強化した。特に、大学院関係の雑誌媒体、インターネットによる大学院の募集宣伝・告知、ホームページの充実等を中心に行ってきた。このことにより、多少ではあるが、志願者の増加につながった。今後も更に広報委員会活動を充実させ、入学者確保を行っていく。

(2)定年退職者を中心に生涯学習の場としての大学院教育について大学院国際協力研究科として、積極的に情報を発信することにより、いわゆる団塊の世代における受験生の掘り起しを行うこ とについては、次のような取り組みを行った。
特に有意義なものとしては、古森義久客員教授、田久保忠衛客員教授によるオープンセミナー(公開講義)や在日ベトナム大使館公使 グエン・ミン・ハ氏の講演やシンポジウムを実施した。 このようなオープンセミナーやシンポジウムを開催したことにより、多くの外部参加者を得た。 このことが団塊の世代における受験生の掘り起しにつながると考えている。従って、平成20年 度も、このようなオープンセミナーを継続したい。また、また新たに、大学院の担当教授にお願 いして、新規にオープンセミナーやシンポジュウムを開拓したい。

(3)日中通訳者・翻訳者の養成を主眼とした「日中同時通訳特論」関連科目の開設等を国際文化交流専攻「通訳・翻訳研究」を平成20年度から拡充するために新たに日中通訳、翻訳に関する科目の設置を行った。今後更に、高度専門職業人としての出口の見える大学院教育の拡充を図っていく。

H.図書館

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)学術情報データベースシステムの利用環境の向上
本学図書館で提供管理する学術情報やアクセス環境を通して学生が情報を充分に活用する能力を身に付けられるよう計画を立案した。

<1>システムを安定提供するための管理・運用を行う。
毎月システム業者と運営委員会を設け管理・運用面の話し合いを持ち、システムに支障のないように管理している。

<2>電子ジャーナルとの連携を強化する。
Serials Solutions 360 Coreというジャーナル管理システムを導入し、より多くの電子ジャーナルを登録して利便性を向上させた。

<3>リテラシー教育等の講演会を開催する。
平成19年よりサービスを開始したMyLibraryにより、今まで分断されていたデータベースの連携が強化され、利用者の利便性も向上させた。
このサービスを浸透させるため、文献検索や授業で利用者教育に力を注いだ。

(2)図書館サービス・アメニティの充実化
利用者にとって使いやすい図書館を目指し、サービスやアメニティの充実化を図るために、学園のアメニティ改善計画に則った計画を立案した。

<1>書架等の入替を行い、閲覧スペースの確保と有効活用を目指す。
医学図書館は、学生の情報リテラシー向上を目指し、書架を入替えプラズマディスプレイを設置した。保健学図書館は、利用者から要望の多かったキャレルデスクへの照明の設置や老朽化した閲覧椅子などの入替えを行い居住性が格段とよくなった。

<2>ブックポストを設置し、時間外の図書返却を可能とする。
保健学図書館・人文社会科学図書館に設置したブックポストは、図書館の開館前後や休館日の資料返却に利用されている。
人文社会科学図書館は、入退館システムを更新し確実なゲート・バーの作動が利用者に適切な資料管理を印象付け、見た目にも印象が良くなった。

<3>使用に耐えない資料の除籍廃棄を進めることにより、書架の回転率を高め、有用性の高い資料を揃える。
資料の廃棄は除籍作業が進展しなかった事もあり、思うように改善できなかった。今後は、窮屈な書架の効率的な運用について、さらに改善を行う必要がある。

<4>日曜・祝日開館、開館時間の延長により、利用者の便宜向上を図る。
医学図書館で、日曜・祝日開館(12時〜17時)を実施し平成19年度1年間で3,000人の来館者があり利用者の便宜向上を図ることができた。

I.入学センター

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

平成19年度は外部コンサルタントに助言を求めて入試広報活動を見直し、大局的な検討をコンサルタントを加えた入試広報戦略会議で検討し、実務的な実施体制を入学センターと各学部入試作業委員長及びコンサルタント等を構成員とする入試プロジェクト委員会で行った。
特に、下記の重点項目については入試プロジェクト委員の協力の下に、本学の特長を直接高等学校等の教員や生徒に伝えたことで、効果的で満足度を与える広報活動ができた。結果的に志願者数は9,388名(昨年8,572名)で昨年比110%の上昇に繋がった。

(1)広報活動について まず、広報戦略として本学の特長を表すキャッチフレーズを考え、それを意識した広報宣伝に力を注いだ。キャッチフレーズ=「正しい大学」
従来の受験雑誌を中心とした広報から、メディアを含め下記の媒体を利用し「杏林大学で何が学べるか」等の教育方針を内外に示したことで、受験生や保護者にとっても身近な存在として受け入れられた。
<1>学園ホームページ
<2>新聞広告(読売新聞等)
<3>交通広告(中央線や京王線、駅構内看板等)
<4>受験雑誌媒体
一般入試直前には、進学相談会、オープンキャンパス参加者や資料請求者に対し、首都圏を中心にDMを発送し、受験に繋がるような広報活動をも行った。
次に、本学の特長を直接高等学校教員へ説明する教職員一体型の高校訪問を実施した。訪問に先駆けて各学部や各部署から説明してもらい、学部の教育方針や本学の特長をメンバー全員が理解するように努めた。
授業や業務の合間に訪問する厳しい日程の中、首都圏を中心に新潟県や長野県に至るまで、重点校約470校に足を運び、印刷物を用いて入試情報の周知及び知名度の拡大を図る熱心な広報活動を行った。このような地道な努力により、教員との信頼関係も深まり、次年度に繋がる結果となった。
進学相談会や大学に来校された受験生に対しては、各学部の入試データを基に、受験生が理解しやすい言葉で説明するよう心がけ、来場者の満足度をあげる工夫を行った。さらに、他大学の入試情報や入試データも分析し、次年度に繋げるよう有効活用に努めている。

(2)入学試験実施について
まず、試験区分の多様化や試験機会の増加に伴って入試事務が複雑化しているので、文部科学省の指導に従ってガイドラインを作成してミスのない入試の実施を図った。
5月の運営審議会で平成20年度入試概要が決定した後、迅速な募集要項の作成を計画した。特に、入試日程や入試科目等に記載ミスがないよう複数の教職員がチェックする体制にした。
試験会場においては、会場の配置、案内表示の方法や電話・FAX等の備品を確認するとともに、会場側の責任者との協議を重ねることで、受験生に混乱を与えない配慮を行った。さらに、サテライト会場との試験問題運搬においても、教職員及び運搬業者との打ち合わせを入念に行い、あらゆる問題を想定したシミュレーションを実施することで、試験の実施に支障をきたすこともなかった。
20年度入学試験の主な変更点として、総合政策学部・外国語学部の入試日程の変更が挙げられる。他大学の動向、併願・競合大学の入試日程を調査し、A入試は従来の2月上旬入試から1月28日・29日に変更し実施した。併せて、試験日自由選択制とベストスコア制も採用した。早い時期に結果をもらいたい高校生と併願校との日程がずれたことで、結果的に両学部ともに志願者が増加し、一定の成果を挙げた。
また、2月中旬に実施していたB入試は2月26日に変更して実施したが、逆に志願者増につながらず、日程調整については改めて次年度への課題となった。
4学部全体では出題ミスや事故等の大きな問題は起こらず、概ね満足のいく結果となった。今回新たに試験会場に加わった京王プラザホテル(新宿・八王子)や地方入試会場等も、その利便性の良さ、会場側の配慮や教職員の手配の迅速により大過なく試験が実施できた。これについても、次年度に向けて一層の協力要請が可能となった。

J.キャリアサポートセンター

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

企業績の回復や団塊世代の退職などの事由により新卒採用求人倍率が2.14倍になるなど学生にとって売り手市場となっている。しかしながら多くの学生が就職を希望する企業は自社の望む人材のみを採用するという厳選採用を行っており選考の厳しさは単に求人倍率では測れない現実である。
そのためには企業が求める人材を大学生活の中で養っていく必要がある。当センターでは学生個人に注視した相談を柱として、各種の事業を通してキャリア形成支援・就職支援に取り組んでいる。以下、平成19年度事業報告と共に次年度以降の課題をまとめた。

(1)社会人基礎力の養成を主眼に、1・2年次からのキャリア支援をおこなう。
<1>キャリア支援講座への参加促進をはかる
<2>1・2年次向けゼミ等への出張講座を実施し、将来への道標をはかる
<3>社会(企業)見学の実施により、就職意識を醸成する
本事業の背景には産業界から求められる人材像(社会人基礎力)の提示があり、当大学生の就職を有利に導くためにも1・2年次から社会人基礎力を高めていく必要がある。
その為には学生に興味、関心をもってもらえる事業の実施と共に直接的に働きかける場面を設けることを主眼に計画した。
結果としては、授業への出張ゼミ講座1・2年生663名に対して目標をもった大学生活のあり方、業界や企業、職種の説明などを通してキャリア形成を考える機会を提供した。同様に基礎能力テスト、一般常識試験の機会提供により767名が受講した。社会(企業)見学は現場体験(仕事の場を見る、仕事内容を知る、キャリアを考える)を主眼において募集活動を行ったが3・4年生の参加となり、次年度に課題を残した。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。

(2)ホームページを刷新し、内外への発信の拠点とする。
学園全体のリニューアル計画に合わせ、トップバッターとして刷新した。見やすく使い易いデザイン・配置に工夫し、新たな機能として在学生に対する各種届け用紙のダウンロード化、先輩の活躍紹介コラムなどを設けた。また学内外に発信する情報については遅滞なく行っているが、今後とも内容の拡充とタイムリーな情報提供を行う。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。

(3)学部カリキュラムとの融合を図り、就職意識の醸成を目指す。
本事業は主に就職活動を迎える3・4年生を対象とした支援事業である。
<1>3・4年生対象に出張講座を実践し就職意識を高める
<2>就職ミニ講座シリーズを開講し、より実践的な指導を行う
3・4年生を対象に就職実践対策を目的とした出張ゼミ講座は608名が受講した。
就職実践ミニ講座は「自己分析、業界・企業、履歴書・エントリーシート記入、面接、マナー」の5講座を開講し延べ562名が受講した。
基礎能力テスト、一般常識試験には延べ956名が受講、社会(企業)見学は4社に33名が参加し、各種面接訓練を目的とした就職実践セミナーには130名が参加した。次年度への課題としては全てのゼミへの出張講座の開講を目指して取り組んでいく。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。

(4)ジョブカフェによる年間を通した企業研究・会社概要等の情報提供を進める。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。 最新の業界動向や企業情報を企業の担当者から直接レクチャーを受ける場を設けることにより就職意識の醸成や具体的な就職活動にいかすことにつなげている。
今年度は22社を招聘し延べ386名の学生が受講した。次年度は地元(八王子市周辺)企業及び先輩就職企業の招聘を増やし拡充していく。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。

(5)インターンシップにおける積極的な学生派遣を行い、就職意欲を高める。
学部と連携して受け入れ企業の開拓、受講学生のサポート、報告会などを開催している。当年度は当センター対応42名が受講した。(全体では53社、125名が受講)
次年度は受け入れ企業の拡大をはかり、学生のニーズとのマッチングを向上させる。

(6)当センター職員の専門性を高め、能力向上を目指す。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。
当年度は私立大学就職研究会などの外部機関を活用して業界・企業研究や就職指導担当者としての能力向上、出張ゼミ講座やミニ講座の企画、資料作成、講座担当による専門能力の開発につとめてきた。今後は企業訪問の機会増大や面接技術向上をOJTにて養っていく。活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。

K.国際交流センター

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)各学部・研究科からの海外研修等の新規案件を全面的にサポートし、各分野の教育内容に即したプログラムの充実をはかる。

  • 教育内容に即した、多様な海外研修を実施することにより、国際的な視野をもった社会人の育成に有用であり、従来以上に充実したプログラムを支援するために計画した。総合政策学部にタイとアメリカの2ルートの研修が実現した。外国語学部に中国ルート再開、オーストラリア新規開拓、さらに一学期間の留学研修プログラムとして、ニュージーランドのルートを新規開拓した。

(2)八王子宿泊施設の改修を実現し、学生の交流だけでなく、研究者の招聘や共同研究などを容易にするための、条件を整えて、海外協定校との交流をさらに進める。

  • 本学教職員や内外の研究者や交換留学生の宿舎としての八王子宿泊施設の改修が八王子キャンパス・アメニティ委員会の支援を受けて実現した。水回りの改善や、LAN敷設や共有スペースのリフォームにより、居住性が向上し、今後しばらくは十分に使用に耐えるものとなった。すでに、1階ホールを有効活用して、各種の交流会が開かれている。海外協定校などとの交流においても宿舎が確保できたことで、研究者交流を実質的に発展させやすくなった。

(3)別科日本語研修課程の運営の充実、新コースの実現に向けた具体的な作業推進、昨年度創刊された紀要の第二号刊行、国外での試験と面接の実施継続等

  • 昨今、日本に大量の留学生を送ってきていた東アジア圏の各国が高等教育の定員を大幅に増やし、日本に留学して学部生として4年間を過ごす形の留学が激減する状況にある。この点を見越して、別科日本語研修課程には、ハイレベルのクラスを構築すべく、前年度に果たした規約の改正を踏まえて、海外からの学生を受け入れる用意をした。しかし、入国管理局の方針急変とも思われる厳しい審査で、本学の担当者が現地に出向いて試験・面接をへて選抜した学生に、在留許可が下りないという事態に直面した。
  • この問題を乗り切るために、「高度日本語研修プログラム」と名付けていたハイレべルのクラスを、外国語学部の受け入れによる日本語集中講座の形で引き継いだ。海外の大学の正規生で あることから、同格の学部での受入はむしろ望ましいとの声もあった。外国語学部に設置されている日本語関連の科目のクラスを多少増やし、学生たちの身分は外国語学部の委託学生というか たちである。
  • 平成19年の秋学期よりスタートした「高度日本語研修プログラム」は高い評価をえて、平成20年度に引き継がれている。
  • 別科日本語研修課程はその歴史的役割を終え、平成19年度を最後に閉鎖することとなった。(平成20年3月31日付けで閉鎖)
  • 『国際交流センター付属 別科 日本語研修課程 紀要』は『国際交流センター 杏林大学日本語教育研究』と改題し、日本語教育の研究成果を発表する研究誌として継続し、予定通り第2号を刊行した。

(4)外国人留学生の福利厚生について、アパートの斡旋・トラブルの相談、医療相談、医療施設の紹介、医療費の補助制度の申請、交通事故や生活環境の面でのトラブルなどのサポートを学生課と連携して行う。また、「留学生を励ます会」の主催に加えて、学内外での各種活動に留学生が積極的に参加できるように具体的な方途を探る。

  • 日常業務として各種のサポートを行っている。
  • 「留学生を励ます会」のほかに、各種の交流会や、地域の中学生・小学生との交流が散発的におこなわれている。今後とも、国際交流センターと学生有志との協力を図っていくことで、一層の創意工夫ある多彩な活動が可能である。
  • 留学生がトラブルに巻き込まれないように、日本の法律を順守することを理解させるためにガイダンスを実施し、注意を喚起した。

(5)学生の留学相談には、随時、情報の提供などで対応し、海外留学する学生の留学前後を含めて教学面でのサポートをより充実させる。

  • 従来に引き続き、各種相談に応じている。海外へ留学する学生は、9.11やサーズなどのあと、激減したが、次第に数も増えてきている。より安全で充実した留学ができるようなサポートを続ける必要がある。

(6)危機管理体制の強化に努める。海外研修や長期で海外へ留学している学生・教職員に、緊急事態が発生した場合を想定し訓練を実施する。

  • 緊急事態発生に備えて、海外研修や長期留学生を出している八王子3学部において、それぞれ緊急事故対策本部の準備をし、連絡網を整備し、事故対策マニュアルの配布をして万一に備えた。関係団体の講師を招いての講習会は、平成18年度に行われた。平成19年度には対策本部メンバーの変更がほとんどなかったために講習会は実施しなかったが、少なくとも隔年で実施したほうがよいと考える。平成20年度に実施としたい。

L.保健センター

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)健康習慣イベントと禁煙キャンペーンの実施
建物内の喫煙が許可されていない八王子キャンパスであるが、歩行喫煙のみならず喫煙可能指定場所以外での喫煙が、残念ながら未だに少なからず見受けられ、喫煙マナーの向上と喫煙者の禁煙サポートは喫緊の課題である。
禁煙キャンペーンは10月23日(火)、24日(水)に実施した。たばこの害についての資料展示や呼気中の一酸化炭素濃度の測定、喫煙に関するアンケート調査を行い(回収数は162名)、喫煙マナーの指導と禁煙サポートへの取り組みを進めた。また、健康習慣イベントとしては、ハラスメントとも関わる飲酒習慣と、身近だが避けて通れない性感染症予防や避妊に関する内容について、6月27日(水)、28日(木)に実施した。内容はアルコールについてと母子看護・助産学研究室の学生の協力を得て避妊・性病についての指導、アンケート調査を行った(回収数は106名)。10月23日(火)には八王子保健所の協力により、HIV/AIDSに関する情報提供や恋愛シミュレーションゲーム、啓蒙パンフレット・コンドームの配布等を行った。
現在でも、キャンパスの分煙状況は十分とは言えず、今後はアメニティ委員会の喫煙対策部会とも連携して活動を行っていきたい。健康習慣イベントについては、平成20年度からのいわゆるメタボ健診の導入に伴い、教職員に向けても健康管理・健康増進に結びつくよう な活動として発展させたい。

(2)新旧感染症に対する啓蒙と対策、危機管理体制
昨年春の成人麻疹の流行に際し、本学では病院実習などのある保健学部生、実習に出る教職課程の学生に対しての既往歴調査、抗体検査、ワクチン接種の実施と、全学生に対する掲示板、ホームページ等を利用した情報提供、啓発等による取組みを行い、教職員の適切な対応もあって麻疹確定診断者を2名にとどめることができた。
また、学生課の協力を得て、ポスター掲示やあんずネットを利用して、感染症に対する知識の普及や予防についての啓蒙についてもひきつづき取り組んだ。病院実習にかかわる保健学部生を対象としたB型肝炎ワクチン接種、インフルエンザワクチン接種なども例年通りに実施した。成人麻疹の流行は完全には終息しておらず、今春もその流行が危惧される状況であり、感染症に対する危機管理体制の整備を引き続き行っていきたい。

(3)自動体外式除細動器(AED)の周知
保健センター(J棟)、第1事務室(F棟)、学生課(I棟:時間外も対応可)、保健学部教務課(K棟)の4箇所に配備されたAEDの周知を図るとともに、保健学部の救急救命士課程教員等が中心となって、教職員、学生に対するAEDの使用法、基本的な救急措置に関する講習会を1回実施した。

(4)学生相談室のさらなる周知
平成17年4月に設置された学生相談室では、本学医学部に所属する専門のスクールカウンセラー2名が、週に延べ3日間、学生相談に携わっている。
保健センターも学生相談室も、ともに利用者が多ければ多いほどよいというわけではないが、今後も心や身体に不調を抱えた学生に対してサポートの手をさしのべて行くとともに、教職員自身の相談利用についても検討していきたい。

M.総合情報センター

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)事務部門におけるIT化は、平成18年度の教務・学生システム導入以来、順調に進んでいる。平成19年度には八王子キャンパス3学部全員のウェブ上の履修登録を行ったが、大きな混乱はなかった。また授業支援システム・学生生活支援システムも次第に活用されるようになっている。

(2)学生用のIT化は文部科学省の“サイバー・キャンパス”の支援(3年間。平成19年度で終了)を受け、教室のマルチメディア化が大幅に進んだ。

(3)医学部の全国テスト導入を機に三鷹に100人収容のPC室を新設した。

(4)CRVシステムが改善され、使用しやすくなったこともあり、導入も進んでいる。しかし出席管理システムとしての使用が多く、本来の目的である小テスト・アンケートなどの導入はこれからである。

【計画の変更】

これまで使ってきた大学独自のメールシステムは、(1)学生は大学のPC室からしか使えないため、ほとんど使用されていない、(2)以前にも数回あったが、平成19年度にも大量のスパムメール攻撃を受けてシステムがダウンした、などの理由から平成19年度にマイクロソフトが導入したWindows Live @eduへの移行を開始した。平成19年度には学内での周知が足りず、移行が遅れている。平成20年度中には全面移行する方向で、周知を徹底する。

【計画の延期】

(1)入学センターのシステム導入は、職員の異動などがあり、平成19年度中にどのシステムを導入するか決定できなかった。これは平成20年度に延期される。平成22年度入試から、現在外注している部分を学内に取り込むことを念頭に新しいシステムが検討される。外注費用を考えると、かなりの経費節約になるものと思われる。 (2)八王子3食の一部を自習、娯楽などに当てる“ネットカフェ”開設を、アメニティ委員会とタイアップして計画したが、平成20年度に延期せざるを得なかった。原因はそれを維持・管理する学生のアルバイト組織を作れなかったことにある。

【課題】

(1)専任の課長が就任したことで、今後センター内の意識、目標などを統一することが可能になる。これまでは、その点が欠けており、それが円滑な活動を妨げていた。

N.医学部付属病院

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

平成19年度全医療収入は昨年度に比して18.81億円増(7.7%)の261.61億円となり、原価計算上の昨年度赤字17億円を黒字化(1.81億円)することが出来た。医療安全管理については継続的努力の成果として、医療内容調査委員会を開催した件数は前年度と同数の7件であったが、監督官庁への報告件数は4件から3件となり、医療事故発生報告書の件数は184件から130件へと減少した。新外科病棟は平成19年8月1日より運用開始し、患者療養環境並びに職員勤務環境の向上に寄与している。入退院センターを開設し、稼働率上昇に対応した円滑なベッド管理業務を開始した。7:1看護体制を実施できる看護師の採用を行えた。新入職看護師教育の充実を図り、安心して勤務できる環境作りに努めた。研修医の教育にも力を入れ、研修医47名がレジデントとして杏林大学病院に就職した。また、病院を上げて準備に取り組んだ「地域連携がん拠点病院」に選定された。

(1)新外科病棟:地下1階(厨房)、1階(SICU)、2階?8階(一般病床)で稼動病床数は304床で開始した。計画段階の予測より外科系患者数の増加が見込まれ、皮膚科病棟を別に第3病棟に設けた。8月からの外科病棟の稼働率は85.9%であった。SICU活用による安全で高度な術後管理で医療の質を高め、集中治療の必要な術後患者をSICUに集約することで、外科系一般病棟でのリスクを緩和し、在院日数の短縮化と稼働率の上昇に伴う仕事量増大に対応した。厨房のクックチルシステム導入による給食は順調に稼働し、近代化した厨房システムは社会的にも高い評価を受けている。

(2)入退院センター:TCC、CCU、HCUの転棟支援、日中緊急入院支援、予約入院でベッドがない場合の入院支援業務を5月に稼働開始した。午前退院、午後入院システムの推進も進展した。

(3)外来棟6階のスタッフ室を第三病棟に移転し、外来機能を広げる案は予算の制約があり平成20年度に延期した。

(4)内科診療科の整理については、総合診療内科の廃止と、初診振り分け外来、感染症科を設置した。健康管理センターの機能拡充については、継続案件となっている。

(5)三鷹市・武蔵野市医療機関との医療連携シンポジュウムの開催と地域連携パスの推進については持ち越し案件となったが、紹介元医療機関への報告実施徹底も寄与し紹介患者数の10%近い伸びを実現した。

(6)クリニカルパス運用率50%を目指したが、30%にとどまった。運用率の低い診療科が見られ、今後の課題となった。またクリニカルパスの質的向上も持ち越し案件となっている。研修医・レジデントに対する教育プログラムの充実と安全な医療の実施を行う日常的風土の構築と安全教育の充実は、日常業務として遂行されている。

(7)「臨床助手」の呼称を改め、「医員」とした。医員の定員を70名から200名に増員し、人材の確保を行う基盤の整備に努めた。研修医採用者数が36名と減少したので、人材確保対策委員会(ADHOC)で医学部と共に対策を立案し、実施可能なものは実施した。

(8)DPC運用の習熟についてはDPC保険委員会を中心に進め一定の成果を上げている。

(9)診療情報統計の充実と点検は、癌の生存率を公表するなど一定の成果を上げている。

(10)次の項目は全て10%削減を目指したが、薬剤費は2.7%上昇、材料購入費は外科病棟開設も有り1.4%上昇、一般消耗品は外科病棟開設があり65%の増加となった。医療消耗品購入費は0.5%の削減に終わった。業務委託費は15%削減できたので目標を達した。

O.看護専門学校

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

(1)受験生の獲得
18歳人口が減少する中で前年度以上の受験生を獲得のために、進学説明会、高校訪問、学校見学の受入、また、医療看護系予備校及び業者が主催する進学相談会等への参加を積極的に行った。しかし、結果、前年度比78名の減少であった。高学歴志向、看護大学の増加の中で、専門学校の特色をさらにアピールし、入試選考方法等の検討も含めた受験生の獲得が今後の課題である。

(2)実践看護師を育てるために必要な看護の知識・技術を修得する教育設備の充実 具体的には、2グループでの授業使用と学生の演習、訓練、自習が行える実習室の増設(拡張)とIT化に伴う情報処理の演習、訓練が行える環境整備を行う計画であった。

  • 実習室の増設(拡張)については、保健学部看護学科の三鷹キャンパス移転が決定。本校第2校舎を改修し移転することとなり、スペースが確保できないため中止。
  • IT化に伴う情報処理の環境整備は、東京都私学財団教育設備装置整備助成金にて16台のパソコン整備。

(3)看護師国家試験全員合格を目指しての国試対策の充実、学士入学者の既修得単位認定制度の整備、就職指導の強化を図る

  • 全員合格を目指しての国試対策については、1・2年次からの対策に加え、3年次新学期のガイダンス、模擬試験、夏期講習の充実により98.9%の合格率であった。
  • 学士入学者の既修得単位認定制度は、従来の方法を見直し、内規の制定と内規による運用、4月授業開始前の認定を行った。次の課題として、学則変更による既修得単位認定制度対象者・認定科目の範囲の拡張である。
  • 就職指導の強化については、卒業生83名の内、進学者6名を除く77名全員が希望の職場に就職した。付属病院への就職63名である。(付属病院への就職者が増加するよう指導を強化したい)

(4)社会の要請に応えられるように、カリキュラム・教育内容等の見直し ・保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正による平成21年4月入学生からのカリキュラム改正に向け、現行カリキュラムの見直し、改正案の検討開始。

P.管理部門(法人本部)

【事業の目的・計画に対する改革への取り組みなどの進捗状況】

法人本部は、大学、病院の各部署の改革を事務部門としてより効率的にサポートすることを目的に、以下の施策に取り組んだ。

(1)事務組織の改革
平成19年4月1日付けで全事務組織を束ねる事務局体制とした。事務局の下に大学事務部、病院事務部、本部の事務部門を置きそれぞれの役割と責任体制を明確にした。

(2)本部基幹システム(人事管理システム、財務システム)の刷新
平成19年4月以降それぞれ新システムに移管を行い、人事管理システムは所属現場での勤務管理が可能になった。また病院が導入した原価計算に人員管理、人件費データ等の資料をタイムリーに提供し収支改善に貢献した。財務システムは、現場による「発生源入力」が定着し月次の仮決算を可能にした。毎月翌15日には役員に経営資料が提供できるようになった。また、平成20年度から本格的に予算による経費管理が可能となる。

(3)事務職・技術職・技能職員への目標管理制度の導入
平成18年度に事務職・技術職・技能職員の管理職を対象に導入した「目標管理制度」を、平成19年度には監督職・一般職まで導入した。人事の基幹システムとして位置け職員のモチベーション向上を図る。

(4)保健学部学科改組に伴う寄附行為の変更
保健学部救急救命学科の新設及び、保健学科の健康福祉学科への名称変更手続きを行なった。(寄附行為の改正、文部科学省に寄附行為変更の届出)

(5)教育・研究活動等の第三者評価機関の受審 大学基準協会の認証評価を受けるため、認証評価準備委員会を中心に準備を重ね、「学部及び大学院等の教育・研究活動についての自己点検・評価」を行い、平成20年4月に関係書類を提出した。実地視察は平成20年9月中旬以降に行われる予定。

3.財務の概要

平成19年度の財務状況について、その概要は前年度と比較した内容とし、資金収支計算書、消費収支計算書及び賃借対照表は、平成15年度〜平成19年度の経年比較を記載した。

平成19年度の資金収支計算書・消費収支計算書・賃借対照表の分析

<1>資金収支の状況(表1)

学納金収入は、平成16年度に医学部、平成17年度に保健学部・総合政策学部・外国語学部の入学生から一部学費改定を行ったことで、前年度比+0.8%(68百万円増)の増加となった。寄付金収入は、新外科病棟建設募金の募集期間が6月末で終了したものの、杏林大学教育研究募金が計画的に伸びたことで、全体では前年度比19.4%(90百万増)の増加となった。補助金収入は、私立大学等経常費補助金の交付条件の見直しが例年以上に厳しいものであったこと、また文部科学省の私立学校施設整備費補助金に申請した教育装置が不採択となったことで、全体では前年度比△3.3%(70百万円減)の減少となった。医療収入は、病院経営改善項目として『経営改善プロジェクト20』を立ち上げ収入の増加、経費削減に精力的に取り組んできた結果、前年度比で7.7%(1,881百万円増)の増加となった。借入金等収入の60億円は、期日到来等による借入金の返済額を継続融資としたものである。
資金支出は、人件費支出が定期昇給及び看護師の補充・増員、選択定年を含めた退職者の増加により退職金支出が増加したことで、前年度比6.4%(1,045百万円増)の増加となった。借入金等返済支出は、期日到来等による借入金の返済額で、前年度比6,597百万の増加となった。施設関係支出は、新外科病棟建設費等で前年度比18.3%(478百万円増)の増加となった。設備関係支出は、新外科病棟開設(平成19年8月オープン)に伴う機器等を整備したことから、前年度比34.3%(430百万円減)の増加となった。  結果、19年度の繰越資金は1,610百万円減少の9,527百万円となった。

<2>消費支出の状況(表2)

帰属収入は、医療収入が伸びたことで前年度比4.6%(1,678百万円増)の増加となった。基本金組入学額は、新外科病棟建設費の最終支払額を自己資金で賄ったことで、前年度比140.2%(3,335百万円増)と大幅な増加となった。結果、消費収入合計は前年度比△4.8%(1,657百万円減)の減少となった。
消費支出は、人件費が前年度比4.6%(760百万円)の増加、一般経費はコスト削減による効果もあるが、医療収入増加に伴い直接経費の増加と新外科病棟関係の物品費、委託費などの増加もあり、前年度比1.8%(668百万円増)の増加となった。 以上により、帰属収支差額は379百万円の収入超過となり、前年度比1,010百万円の収支改善となった。しかし、新外科病棟建設費(最終支払額)を基本金に組入れたことで、当年度消費収支差額では5,335百万円の消費支出超過となった。

<3>賃借対照表の状況(表3)

資産の部は、固定資産が前年度比1.0%(713百万円増)の増加、流動資産は固定資産取得に伴う現金・預金の減少等により△10.2%(1,633百万円減)の減少となった。負債の部は、借入金の返済などで負債の部合計は前年度比△4.4%(1,299百万円減)の減少となった。正味資産は、帰属収支差額が379百万円の収入超過となったことにより、前年度比379百万円増加となった。

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