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公開講演会・公開講座

女性のトイレトラブル −自分でできる対策と予防(講演概要)

2017年6月3日(土)開催:杏林大学公開講演会
杏林大学医学部付属病院 泌尿器科 医員 金城 真実




    ○講演概要
     女性にとって泌尿器科は受診しにくい科の代表です。しかしながら女性の排尿トラブルは決してまれではなく、困っているのにも関わらず恥ずかしさやどこに相談したらわからない等の理由でひとりで悩みを抱えている人が少なくありません。多くの排尿トラブルは生命に影響を及ぼすことは少ないですが、生活の質(QOL: Quality of Life)をとても低下させます。どんな女性でも排尿トラブルを生じる可能性がありますが、自分自身での予防・治療が可能な場合があり、まずは疾患をよく知っていただくことが大切です。
     おもな女性の排尿トラブルには腹圧性尿失禁(腹圧がかかった時に尿が漏れる)、過活動膀胱(急にトイレに行きたくなりそのためにトイレが近い、また行きたくなった時にトイレまで間に合わずに漏れてしまう切迫性尿失禁も含みます)、骨盤臓器脱(骨盤内の臓器である膀胱、子宮、直腸、小腸などが膣から出てきてしまう病気です)、間質性膀胱炎(急性細菌性膀胱炎のような症状ですが、尿検査では感染は認めず、いつも尿意を感じるためトイレが近くなり、ひどくなると尿が溜まると痛みが出てくる疾患です)があります。前3者はいずれも骨盤底筋群が緩むことが大きな原因の一つであるため、骨盤底筋体操はいずれの疾患にも有効です。正しく(ここが重要です)、継続的に行うことで多くの人はその効果を実感できます。また日常生活を見直すことも大切です。骨盤底筋群は腹圧によりさらに緩みやすくなります。腹圧がかかることを避ける(減量、便秘の改善、重いものを持ちすぎないなど)ことで軽減することも多いです。また頻尿の方で注意してもらいたい事は過剰な水分を摂っていないかという事です。過剰に飲みすぎても余った分は尿になるため当然頻尿や尿失禁の原因となりますので適切な水分量を心がけて下さい。
     一方、日常生活を見直し、骨盤底筋体操を行っていても効果がない、または不十分でお困りの場合は医療機関への受診をお勧め致します。腹圧性尿失禁では侵襲性の低い手術治療(30分程度の手術です)が非常に有効ですし、過活動膀胱には薬物治療が多くの場合に有効です。骨盤臓器脱ではペッサリー治療も保存治療として有効で、根治治療の手術治療は劇的に症状を改善させます。
     一人で悩まず、病気を知り、お困りなら医療機関を受診してみましょう。

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