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知っておきたい”頭痛の基本”(講演概要)

2017年10月14日(土)開催:杏林大学公開講演会
医学部第一内科学教室講師 宮崎 泰



    ○講演概要
     成人の約4割には頭痛があり、中には日常生活に支障の出るほどの頭痛を経験しています。頭痛は血管や三叉神経などで生じるものの脳自体は痛みを原則生じません。痛みは実際以上に強く感じることがあり、慢性化し持続します。
     女性に多い「片頭痛」は発作性の片側の脈を打つような頭痛で仕事や生活に支障がでます。吐き気を伴い、光音過敏がみられます。片頭痛は脳の血管の収縮と拡張を起こすことで発生し、セロトニンという物質の増減が関連しています。一方、「群発頭痛」は男性に多く、片側の眼窩周囲に激しい痛みがおこります。
     「緊張型(肩こり)頭痛」は持続的で締め付けられるような重く鈍い痛みが後頭部中心にみられます。慢性再発性頭痛の3分の2を占め、ストレスが原因と考えられています。急性副鼻腔炎による副鼻腔の内側から膨れ上がるような持続性の頭痛を起こします。
     それから「三叉神経痛」は顔面に激しい針を刺すような突発的な痛み(長くても数十秒)を生じ、原因には神経血管圧迫、帯状疱疹、髄膜腫などがあります。抗てんかん薬のカルバマゼピンが有効です。
     今まで経験したことがないような突然の激しい頭痛、1週間以上続く強い頭痛、徐々にひどくなる頭痛、神経症状を伴う頭痛、意識減損やボケをともなう頭痛、高熱を伴う頭痛などは要注意です。「クモ膜下出血」は突然の爆発的な頭痛で、多くは動脈瘤の破裂によります。クリッピングの手術が可能です。
     高齢者の物忘れを伴う頭痛の原因の一つに「慢性硬膜下血腫」があります。治療が可能で手術にて完治できます。数日にわたり頭痛や発熱がみられ悪化するものには髄膜炎や脳炎があります。原因にはウイルスが多く自然経過でも改善するのですが、単純ヘルペスウイルスによる脳炎は記憶障害など後遺症も起こりうるのでウイルスを確認する前から治療します。50歳以下の若年性脳卒中の原因に椎骨動脈解離があります。延髄の外側に脳梗塞が起こり、めまい、ふらつき等が出現します。

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