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大学ホーム>ニュース&イベント>タイ日記 8

第8回
パルプ工場とキングコブラ村の見学

総合政策学部准教授 北島 勉

午前中は、コンケン市から北に40kmほど行ったところにある、フィーニックス(Phoenix pulp & paper)という企業のパプル工場を見学しました。
生産ラインのマネージャーをしているアヌチャーさんが説明をしてくれました。フィーニックス社はサイアムセメントグループの企業で、1985年に現在の場所に設立され、現在は年間約20万トンのパルプを生産しているとのことです。
以前この地域では、ケナフを原材料として籾殻を入れる袋などをつくっていましたが、それがこの地域の水を汚染してしまいました。そのため、タイ政府としては、環境に配慮した生産方法をとるためと、この地域の雇用を創出するために、この地にこの工場を誘致したということです。
工場で雇用されている人やパルプの材料であるケナフ、竹、ユーカリを供給している東北部の農家をあわせると、約70,000世帯に現金収入を得る機会を提供しているとのことでした。
原材料の中ではユーカリが90%以上を占めています。また、ケナフからつくられたパルプ全て(年平均2000トン)が日本企業に輸出されているそうです。
アヌチャーさんは、原材料からパルプができるまでの過程をスライドで示してくれました。
パルプを生産することの環境への影響が気になります。学生からの質問も環境に関することが大半でした。
この対策として、工場内でリサイクルをしていることや、排水や排煙に含まれる有害物質についても、すべて政府の基準値を満たした状態で放出しているという説明がありました。
ユーカリは早く育つので、農家にとっては現金収入を得るために貴重なものですが、その分土地がやせてしまうので、その影響も心配されています。各農家で土地の保全の方法を工夫して行っているとのことでしたが、ユーカリを栽培している人達の話も聞いてみたいと思いました。
予定時間は12時でしたが、学生からたくさん質問が出た上、敷地内を自動車で案内してくださったので、結局アヌチャーさんは1時頃まで説明や案内をして下さいました。

工場から20kmくらい離れたところにウボンラットダムがあります。このダムの周辺は保養所にもなっており、私たちはそこにあるレストランで、湖のような広大なダムを眺めながら昼食を楽しみました。

ウボンラットダムからキングコブラ村に行く途中に、ウボラット郡の病院が中心となって行っているスーン・カムクーンという村落開発センターに寄りました。ここでは、地域の人々に配布するための木や薬草などの苗を育てており、その運営にウボンラット病院で治療を受けているHIV陽性者も関わっています。また、古式マッサージや薬草による治療なども行っています。

キングコブラ村には、の3種類の蛇(コブラ、キングコブラ、ニシキヘビ)が飼われています。この村の人々は、農業(稲作)の他に薬草によって副収入を得ていました。
更にもう一つの副業として蛇をつかったショーを始めたところ、大変好評でキングコブラ村として知られるようになったそうです。
キングコブラ村では蛇とのボクシングなどのキングコブラショーを見ました。ショーの後はキングコブラやニシキヘビを持たせてもらいました。ニシキヘビは100kgほどあるとのことでした。また、薬草からつくられた蛇にかまれたときに使う薬、歯痛止め、減量のための薬などが売られていました。