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第9回
秋雨のマディソン

総合政策学部講師 岩隈道洋

週末から更新が滞っていて、訝っている方もいらっしゃるかもしれません。実は9月7日の金曜日から9日日曜日の夜まで、5人の学生たちは一人づつ別のホストファミリーの元でホームステイを体験していました。その間の出来事は、引率の私がお話しできることでもないので、いま一生懸命学生諸君に書いてもらっています。それぞれが、笑いあり、汗あり、涙ありの得がたい体験をしてきたようです。数日中に必ずアップいたしますので、「空白の3日間」と思わず、気長にお待ちください。

さて、今日は当地時間で9月10日。今日は授業が休みで、朝からウィスコンシン州の州都マディソン市への訪問です。マディソンはオシュコシュから自動車で1時間半ほどの距離にありますが、人口面・経済面ともにミルウォーキーに次ぐ州内第二の都市です。現在私たちが滞在しているウィスコンシン大学システム本部の役割も、マディソン校が担っています。前回ミルウォーキーに出かけた際は、ビール工場と球場という郊外にある施設に訪問したので、大都市に滞在した感じではありませんでしたが、今回はちょっぴりアーバンライフを味わうことが出来たのではないでしょうか?

朝8時過ぎに、宿舎の入り口に今回のドライバー兼案内役を務めてくださるCourtney Bauder 先生と待ち合わせて、専用車でハイウェイをマディソンに向かいます。今日は生憎の大雨で、温暖だった昨日までと比べると嘘のように寒い一日となりました。ウィスコンシン州は農業州ですから、都市間の移動の際には、郊外を過ぎると大きな農地の中を突っ走ることになります。天気は悪かったものの、どこまでも広がる牧草地帯やとうもろこし畑を眺めながらどんどん進んでゆきます。途中鹿や牛、時にリスの挨拶を受けながら、だんだん近代的な建物やスーパーマーケット、ファーストフード店などが軒を並べ始め、ああ、大都市に来たんだなぁなんて思っていたら、マディソン市街地に到着です。

マディソン最初の訪問地は、Wisconsin State Capitalです。州議会・政府の庁舎だとご理解いただければよろしいかと思います。ワシントンD.C.にある、合衆国連邦政府の議会議事堂であるUnited States Capitolとよく似た白亜の殿堂です。
ここでは他のアメリカ人観光客と一緒に、ガイドのJerryさんに連れられて庁舎内を見学することになりました。この庁舎は、中央の円形ドームから東西南北四方向にそれぞれ大きな部屋が飛び出している構造になっています。そしてそれぞれが州知事公館・州上院議場・州下院議場・州最高裁判所となっています。
それぞれの空間の壁面にはヨーロッパから運んできた大理石の壁石や柱であしらわれており、壁面にはウィスコンシン州や合衆国、時には世界の歴史を現在の州政に結び付けるような絵画が架けられています。
全部についてここで説明するわけにはいきませんが、興味深い絵をひとつだけご紹介します。
上院議場の正面にかけられた3枚のカラフルな絵画は、パナマ運河が開通したときに記念として描かれたもので、結婚式の様子を描いています。
真ん中は結婚式を取り仕切るアメリカと、花婿ネプチューン(海の神)そして花嫁オケアニス(海の女神)が描かれていて、アメリカ大陸が太平洋と大西洋の結婚の仲人となっている姿を現しているそうです。
そして右側には平和の女神が大西洋側のヨーロッパ諸国に挨拶しています。
注目すべきは左側の絵で、よく見ると和服の女性が立っています(その後ろにはチャイナドレスの人もいます)。これは商売の神が日本や中国をはじめとする太平洋側の国々すなわちアジア諸国と挨拶している姿なのだそうです。
こんなところで着物に出会うとは思っていませんでした。

ガイドツアーが終わったら、ガイドのジェリーさんと写真を撮って、州庁舎を後にします。
これからは3時間ほどの自由行動の時間です。薄ら寒い秋雨の中、それぞれショッピングや、大学通の散歩、図書館めぐりなどを楽しんだようです。
晴れていれば、きっともっと楽しかったのですが、残念でしたね。

集合時間になってから、ちょっとしたハプニングが発生しました。案内役のCourtneyが、私たちを乗せる車を置いた駐車場の位置を忘れてしまったのです。残念ながら私たちは車を停める前に州庁舎前で降ろしてもらったので、やはり駐車場の位置を知らないのです。そんなこんなで結局州庁舎の周りを、みんなで濡れながらぐるりと一周する羽目になり、20分ほどしてようやく車を発見することが出来ました。とはいえ、当初見学する予定の無かったモノーナテラスと呼ばれるマディソン市を一望できる湖岸のエリアをちょっとだけ見ることもできたので、悪いことばかりでもありませんでした。帰りは、さっきまでプレッシャーと戦っていたCourtneyを尻目に、みんな安らかな寝息を立てていたのが印象的でした。

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