外国語学部ピーター・マクミラン教授が『小倉百人一首』の新訳を出版しました
杏林大学外国語学部のピーター・マクミラン教授が『小倉百人一首』の新訳をコロンビア大学出版局から出版しました。本書の出版は国内外から注目され、2007年11月13日付けの産經新聞でも紹介されました。さらに、コロンビア大学のホームページでも紹介されています。
マクミラン教授はエクフラシスという芸術と詩が融合した表現研究をしており、その成果を訳書であるOne Hundred Poets, One Poem Each: A Translation of the Ogura Hyakunin Isshuにおいて、百人一首にみられる視覚芸術、言語芸術に注目して英語に翻訳をされています。
訳書では、ドナルド・キーン博士が序文を寄せ、マクミラン教授による『小倉百人一首』を”This is by far the best translation to date.”と高く評価しております。
序文の最後でキーン博士は次のように述べています。
ピーター・マクミランによる小倉百人一首の英訳は、「美しい」の一言で片付けられてしまうことがあまりにも多かったこの歌集に、本来の意義と美を回復してくれたのである。藤原定家が選んだこの歌集は、際立った美しさを備えていると同時に、例えば光孝天皇(在位884-887)の歌に流れている紛れもない情感へと、読者を誘ってくれる。その歌のマクミラン訳は、以下の通りである。
君がため
春の野に出でて
若菜つむ
我が衣手に
雪は降りつつ
For you,
I went out to the fields
to pick the first Spring greens−
all the while on my sleeves
a light snow falling.
この訳は、これまでの小倉百人一首の英訳の中でも、断然最高の逸品である。
詳しくは、コロンビア大学のサイトをご覧ください。
http://www.columbia.edu/cu/cup/catalog/data/978023114/9780231143981.HTM
なお、ここで紹介したマクミラン教授の翻訳書は、書店や amazon.co.jp. から
購入することができます。