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【トピックス】 第15回日本ヘリコバクター学会学術集会を終えて

 6 月25-26 日、東京ステーションコンファランス、サピアタワーにて第15回日本ヘリコバクター学会学術集会を開催させていただきました。基礎および臨床領域の学際的研究の進展を期待して、メインテーマを「ヘリコバクター感染症−病態の解明を目指して−」といたしました。
 海外から6名の著名な研究者[Prof. Backert(アイルランド)、Prof. Graham(米国)、Prof. Yamaoka(米国、大分大学)、Prof. Fox ( 米国)、 Prof. Mohamed ( マレーシア)、Prof. Hahm(韓国)]を招聘し、それぞれの研究領域における最新の知見を含む特別講演および基調講演をしていただきました。
 また、5題のシンポジウム(【1】 H. pylori の診療、検診、その問題点;【2】 H. pylori 病原性関連遺伝子:何処まで明らかにされたか?;【3】 H. pylori 感染症3次除菌法の検討;【4】アジア諸国のH. pylori 感染と日本との比較;【5】 H. pylori と胃癌- 除菌による予防-)と8題のワークショップ(【1】消化器疾患とOther Helicobacter;【2】 H. pylori 感染年齢と感染経路;【3】 H. pylori 関連消化管外疾患;【4】食品その他によるH. pylori の抑制;【5】H. pylori 除菌をめぐる論争—医療マネージメントの立場から;【6】小児の除菌レジメンの検討;【7】 H. pyloriの生態学;【8】 H. pylori と胃MALT リンパ腫)が行なわれ、活発なディスカッションが行なわれました。上記の他にポスター発表・ランチョンセミナーが行われ、一部のセッションでは満席となるほどの賑わいを見せていました。
 本年より日本ヘリコバクター学会はピロリ菌感染症認定医制度を発足し、6月26日には第1回目のピロリ菌感染症認定医講習会および同試験を実施し、198名の会員が本試験を受験しました。同認定医への関心は高まり、学会入会者が増加し、今後本学会の更なる発展を期待させる結果でありました。
 H. pylori 除菌が胃癌発生率を低下させることが知られ、昨年には国際的に評価の高い雑誌「Lancet」に日本発の論文が発表されました。本学術集会では6月27日、文京シビックセンターに於いて「ピロリ菌とその除菌を巡って−胃癌との関連性を含めて−」というテーマにて市民公開講演会を開催いたしました。司会は本学医学部第三内科学、高橋信一教授がされ、3名の専門家の先生がピロリ菌の病原性、診断、治療などに関する講演をされました。参加者からは多数の質問が出され、その一つ一つに丁寧に回答していただき、大変有意義な市民公開講演会であったと思っております。
 3日間にわたる学術集会ならびに市民公開講演会でしたが、梅雨入り後にもかかわらず、好天に恵まれ、例年より多い522 名の会員に参加いただき、盛会のうちに無事終えることができました。本学におきましてご協力いただきました関係各位に御礼申し上げます。

(医学部感染症学講座教授 神谷 茂)

2009.7.13