【トピックス】 「地域で子育てを支えよう」をテーマに第3回八王子まちづくりフォーラム実施
「まちの『ひよこ』を育てよう」—地域で子育てを支えようーをテーマに第3回八王子まちづくりフォーラムが、11月7日(土)八王子学園都市センターイベントホールで開かれました。昨年度のフォーラムでは「まちの『たまご』を孵化させよう」と題して八王子市の中心市街地の活性化について議論し、大学と地域との連携のあり方について提言しましたが、今回は地域で子育てを支えるにはどのような方策や取組が必要かを議論し、提言するために開催しました。
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フォーラムでは、まず本学保健学部健康福祉学科の田島治教授(精神保健学)が「こころの健康」と題して基調講演をしました。田島教授は、最近「自殺大国」とも言われる日本で、子どもから子どもを育てる親、さらに高齢者まで様々な問題を抱え、うつになる人が増えているとして、これを乗り超える“こころの回復力をつけるコツ”について講演しました。
次に6人のパネリストが、コーディネーターの本学保健学部熊井利廣准教授と太田ひろみ准教授による進行のもとに「地域で子育てを支えよう」というテーマでそれぞれの子育て支援活動やボランティア活動の事例報告を行い、さらなる発展に向けた方策について以下のとおり報告発表し議論を交わしました。
最初の報告として、市内の幼稚園を運営する本学保健学部出身の市議会議員、鈴木玲央氏は、全国の保育園の待機児童の現状から、待機児童が少ない、あるいは無い県や地域では三世代同居率が高く、子育てを1人でなく、家族全員で行なっているとし、子育てに不安をもつ親は地域の子ども会や町会等に参加し、近所付き合いをしてその人間関係を活用して地域での子育てを図ることが重要だと述べました。
次いで本学保健学部看護学科の佐藤喜美子准教授からは、約10年前から学科として行なってきている「多摩多胎ネット」での多胎児支援の活動について報告があり、ふたごやみつご等の多胎児には育児情報が不足しており、専門的な支援が必要であると述べました。これを受けて「ふたご・みつご親の会ジェミニクラブ」代表の中澤園子氏からは、ジェミニクラブの活動の概要を説明するなかで、育児サークルの意義と本学が行なっている多胎児支援活動の重要性を強調しました。
また、本学保健学部健康福祉学科3年の学生・秋葉麻美さんから自身が市内の小学校で行なっている心の相談室の学生ボランティア活動内容の具体的な紹介がありました。さらに同学科の大嶺智子教授からは本学が数年前から継続的に行なってきている市内の小中学校への様々な学生ボランティア活動の中で主な12例の概略を報告するとともに、これらの活動を通して学生たち自身が成長できたことが意義深く、今後はさらに一歩進んで学生たちが子どもたちの成長に係わっていることを意識してボランティア活動をすすめていきたいと述べました。
最後の報告として、八王子市の子ども家庭部こどものしあわせ課課長の設楽聖一氏が、次世代育成支援対策推進法にもとづく「八王子市こども育成計画」と大学生の参画について、子どもの視点で八王子市のまちづくりについて提案を行なう「子ども議会」における学生サポーターの役割とその効果などについて説明しました。
これらの報告のあと行われた質疑応答では、会場から学生ボランティア活動等についての質問や「多胎児の育児の詳しい事情を聞き、自分たちだけが特別に育児に苦労しているのではないことを知った、さらにこれからは学生がもっと地域の子育ての中に入ってほしい」などの要望も出されました。
フォーラムの結びとして挨拶に立った本学長澤俊彦学長は、大学の使命は教育と研究だけでなく、地域への貢献をも含めて3つあるとして、今後ともこのフォーラムでの議論を発展的に継承して来年度以降もこのフォーラムを開催して八王子市のまちづくりへの提言をしていきたいと締めくくりました。
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