【トピックス】 医学部・公衆衛生学教室小笠原準悦助教 日本衛生学会学術総会会長賞を受賞
5月9日(日)から11日(火)まで仙台国際センターで開催された第80回日本衛生学会学術総会において、本学医学部衛生学公衆衛生学教室の小笠原準悦助教が学術総会会長賞を受賞しました。
小笠原準悦助教は、持久的身体トレーニングによる脂肪細胞の脂肪分解反応の亢進におけるAdipose Triglyceride Lipase(ATGL)タンパク質の生理作用と調節メカニズムについての研究を大野秀樹教授らとともに行ってきました。
受賞対象となった今回の「運動トレーニングによる脂肪細胞の脂肪分解反応とAdipose Triglyceride Lipaseの役割」の発表では、トレーニングによる脂肪分解反応の亢進には中性脂肪分解酵素のATGLタンパク質の発現と局在の変化が関与していること、このATGLタンパク質の発現増加は脂肪細胞の分化に関与するPPARγの転写調節作用により制御されていることを明らかにしました。さらに、トレーニングによるインスリンの変化がPPARγの機能を介しATGLの発現を調節していることを示しました。
学術総会会長賞は17のセッションごとに1人、若手研究者に授与されるもので、小笠原助教の発表は学術内容はもちろん、プレゼンテーションスキルや当該領域の知悉などが優れていることが高く評価されました。
小笠原助教は、「継続的な運動は良薬であり、“Exercise Is Medicine”という概念を提唱したいと思います。生活習慣病予防・治療を含む運動習慣の重要性を啓蒙する科学的根拠の1つになれば幸いです」と話しています。
2010.05.20